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世界の牛乳生産量ランキング2023(最新)

国際連合食糧農業機関(FAO)が2024年7月に発表したデータによると、2023年度の世界の牛乳生産量ランキングで1位はインド(1億2,710万5,140トン)、2位はアメリカ合衆国(1億267万7,105トン)、3位は中国(4,196万6,500トン)でした。日本は7,297,614トンで全体26位にランクインしています。アジアの国々ではインドが圧倒的な生産量を誇り、中国やパキスタンも高い順位につけています。一方、ヨーロッパ諸国も、ドイツ(34,012,620トン)やフランス(23,882,000トン)のように高い生産量を維持しています。

順位 国名 地域 生産量(トン)
1 インド アジア 127,105,140
2 アメリカ合衆国 北アメリカ 102,677,105
3 中国 アジア 41,966,500
4 ブラジル 南アメリカ 36,436,492
5 ドイツ ヨーロッパ 34,012,620
6 ロシア連邦 ヨーロッパ 33,559,230
7 パキスタン アジア 23,893,450
8 フランス ヨーロッパ 23,882,000
9 ニュージーランド オセアニア 21,245,000
10 トルコ アジア 19,961,908
11 イギリス ヨーロッパ 15,759,500
12 ポーランド ヨーロッパ 15,482,240
13 オランダ ヨーロッパ 14,685,300
14 メキシコ 南アメリカ 13,735,387
15 イタリア ヨーロッパ 13,058,970
16 バングラデシュ アジア 12,661,200
17 ウズベキスタン アジア 11,943,952
18 アルゼンチン 南アメリカ 11,665,405
19 カナダ 北アメリカ 9,886,559
20 アイルランド ヨーロッパ 8,730,710
21 オーストラリア オセアニア 8,467,000
22 ベラルーシ ヨーロッパ 7,811,267
23 イラン(イスラム共和国) アジア 7,654,331
24 スペイン ヨーロッパ 7,564,500
25 コロンビア 南アメリカ 7,309,000
26 日本 アジア 7,297,614
27 ウクライナ ヨーロッパ 7,267,100
28 デンマーク ヨーロッパ 5,687,000
29 エジプト アフリカ 4,760,667
30 ケニア アフリカ 4,705,660
31 ベルギー ヨーロッパ 4,695,000
32 エチオピア アフリカ 4,236,834
33 南アフリカ アフリカ 3,810,000
34 スイス ヨーロッパ 3,738,000
35 オーストリア ヨーロッパ 3,678,790
36 ルーマニア ヨーロッパ 3,618,800
37 タンザニア連合共和国 アフリカ 3,600,000
38 チェコ ヨーロッパ 3,475,280
39 カザフスタン アジア 3,420,416
40 ウガンダ アフリカ 2,990,433
41 スーダン アフリカ 2,911,632
42 南スーダン アフリカ 2,877,360
43 スウェーデン ヨーロッパ 2,818,530
44 トルクメニスタン アジア 2,589,107
45 ベネズエラ (ボリバル共和国) 南アメリカ 2,576,847
46 サウジアラビア アジア 2,574,317
47 アルジェリア アフリカ 2,419,277
48 アゼルバイジャン アジア 2,249,686
49 フィンランド ヨーロッパ 2,239,000
50 チリ 南アメリカ 2,224,325
51 ペルー 南アメリカ 2,201,096
52 ウルグアイ 南アメリカ 2,177,420
53 エクアドル 南アメリカ 2,177,133
54 ハンガリー ヨーロッパ 2,027,570
55 ポルトガル ヨーロッパ 1,959,930
56 モロッコ アフリカ 1,957,000
57 アフガニスタン アジア 1,950,897
58 大韓民国 アジア 1,929,913
59 キルギスタン アジア 1,777,613
60 イスラエル アジア 1,646,401
61 リトアニア ヨーロッパ 1,470,320
62 ノルウェー ヨーロッパ 1,426,772
63 チュニジア アフリカ 1,387,111
64 セルビア ヨーロッパ 1,383,806
65 ニカラグア 南アメリカ 1,372,911
66 タイ アジア 1,278,333
67 ベトナム アジア 1,220,860
68 ネパール アジア 1,214,046
69 シリア・アラブ共和国 アジア 1,189,428
70 コスタリカ 南アメリカ 1,145,306
71 タジキスタン アジア 1,118,500
72 ラトビア ヨーロッパ 962,180
73 スロバキア ヨーロッパ 913,600
74 エストニア ヨーロッパ 894,200
75 ドミニカ共和国 南アメリカ 862,164
76 インドネシア アジア 837,223
77 ミャンマー アジア 800,000
78 ニジェール アフリカ 797,359
79 アルバニア ヨーロッパ 788,307
80 ブルガリア ヨーロッパ 726,790
81 ホンジュラス 南アメリカ 701,861
82 ギリシャ ヨーロッパ 669,620
83 スロベニア ヨーロッパ 605,290
84 グルジア アジア 591,941
85 ボスニア・ヘルツェゴビナ ヨーロッパ 580,214
86 ボリビア (多民族国家) 南アメリカ 576,574
87 アルメニア アジア 557,000
88 モンゴル アジア 537,310
89 ナイジェリア アフリカ 527,453
90 グアテマラ 南アメリカ 526,396
91 ザンビア アフリカ 504,324
92 パラグアイ 南アメリカ 479,356
93 ルクセンブルク ヨーロッパ 469,290
94 クロアチア ヨーロッパ 468,000
95 中国、台湾 中国省 アジア 465,000
96 ジンバブエ アフリカ 442,396
97 ソマリア アフリカ 438,198
98 マダガスカル アフリカ 435,750
99 スリランカ アジア 423,430
100 エルサルバドル 南アメリカ 416,980
101 キューバ 南アメリカ 399,712
102 ヨルダン アジア 338,983
103 レバノン アジア 331,986
104 マリ アフリカ 311,353
105 キプロス アジア 303,910
106 チャド アフリカ 267,134
107 イエメン アジア 246,943
108 北マケドニア ヨーロッパ 245,478
109 イラク アジア 237,507
110 オマーン アジア 236,480
111 モルドバ共和国 ヨーロッパ 231,905
112 ブルキナファソ アフリカ 229,848
113 プエルトリコ 南アメリカ 223,785
114 セネガル アフリカ 221,840
115 アンゴラ アフリカ 221,604
116 ギニア アフリカ 185,457
117 カメルーン アフリカ 185,191
118 ルワンダ アフリカ 182,648
119 レソト アフリカ 174,568
120 パナマ 南アメリカ 168,367
121 モンテネグロ ヨーロッパ 157,272
122 アイスランド ヨーロッパ 155,975
123 シエラレオネ アフリカ 152,326
124 モーリタニア アフリカ 149,868
125 リビア アフリカ 142,529
126 パレスチナ国 アジア 130,828
127 ナミビア アフリカ 128,302
128 ベナン アフリカ 125,257
129 エリトリア アフリカ 120,000
130 朝鮮民主主義人民共和国 アジア 83,980
131 中央アフリカ共和国 アフリカ 83,130
132 マラウイ アフリカ 69,533
133 クウェート アジア 67,936
134 アラブ首長国連邦 アジア 56,280
135 ガイアナ 南アメリカ 55,000
136 ガーナ アフリカ 50,829
137 ブルンジ アフリカ 49,064
138 ガンビア アフリカ 48,565
139 ハイチ 南アメリカ 47,825
140 ブータン アジア 40,368
141 マレーシア アジア 40,112
142 マルタ ヨーロッパ 37,300
143 エスワティニ アフリカ 35,801
144 コートジボワール アフリカ 33,003
145 フィリピン アジア 29,973
146 ボツワナ アフリカ 27,000
147 カンボジア アジア 23,143
148 ギニアビサウ アフリカ 18,090
149 コモロ アフリカ 13,076
150 トーゴ アフリカ 12,770
151 フィジー オセアニア 12,737
152 ガボン アフリカ 10,745
153 ジャマイカ 南アメリカ 10,394
154 バーレーン アジア 10,333
155 コンゴ民主共和国 アフリカ 9,936
156 ラオス人民民主共和国 アジア 9,129
157 ジブチ アフリカ 9,065
158 リベリア アフリカ 8,578
159 カタール アジア 7,500
160 フェロー諸島 ヨーロッパ 7,465
161 ドミニカ 南アメリカ 7,024
162 カーボベルデ アフリカ 4,602
163 ベリーズ 南アメリカ 4,509
164 コンゴ アフリカ 4,468
165 バルバドス 南アメリカ 4,119
166 ソロモン諸島 オセアニア 3,076
167 モーリシャス アフリカ 2,788
168 スリナム 南アメリカ 2,787
169 モザンビーク アフリカ 2,560
170 バヌアツ オセアニア 2,323
171 アンティグア・バーブーダ 南アメリカ 2,251
172 サモア オセアニア 1,618
173 トリニダード・トバゴ 南アメリカ 1,441
174 セントルシア 南アメリカ 1,028
175 セントビンセントおよびグレナディーン諸島 南アメリカ 728
176 バハマ 南アメリカ 703
177 グレナダ 南アメリカ 643
178 サントメ・プリンシペ アフリカ 553
179 フランス領ポリネシア オセアニア 530
180 ニューカレドニア オセアニア 478
181 トンガ オセアニア 325
182 パプアニューギニア オセアニア 164
183 セーシェル アフリカ 149
184 中国、香港特別行政区 アジア 60
185 ニウエ オセアニア 58
186 ブルネイ ダルサラーム アジア 40
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2023年度の世界の牛乳生産量について、FAOのデータは、各国の農業生産性や経済的な状況、さらには食料政策や地理的条件の影響を如実に反映しています。世界最大の牛乳生産国であるインドは、1億2,710万5,140トンという圧倒的な生産量を記録し、2位のアメリカ合衆国を大きく引き離しています。この生産量の多さは、インド国内の農業労働者数の多さや、乳製品が主食の一部となっている文化的背景によるものです。一方で、インドでは小規模農家が多数を占め、生産効率や品質管理の面で課題が指摘されています。

アメリカ合衆国は1億267万7,105トンと2位ですが、大規模酪農場や高い効率性が特徴で、生産コスト削減や輸出競争力強化に注力しています。ただし、大規模化が進む中で環境負荷や動物福祉問題への対応が求められています。また、3位の中国は4,196万6,500トンと突出こそしないものの、近年の経済成長に伴い、乳製品消費量と生産量の伸びが著しいです。中国は国内での需要をまかないつつ輸入にも頼らざるを得ない現状にあり、今後は国内生産の拡大が求められるでしょう。

日本は7,297,614トンで26位に位置していますが、これは先進国の中では控えめな数値です。高齢化や人口減少の影響で酪農従事者が減少する一方、生産コストの上昇や輸入乳製品との競争が激化しています。日本では政策的に酪農支援が続けられていますが、更なる効率化や生産技術の向上が必要とされています。近年の国内食文化が多様化する中、高品質な乳製品への需要が増えており、こうした特長を活かしたブランド戦略も重要です。

ヨーロッパは、ドイツ、フランス、イギリスなどが上位にランクインしていますが、EU全体の規模としては世界の中でも牛乳生産の主要地域です。例えばドイツ(34,012,620トン)は乳業産業が非常に発達しており、輸出市場へのアクセスが強みです。一方、EUは環境政策の厳格化と合わせて酪農業の炭素排出削減を求められています。環境負荷を低減しつつ、いかに競争力を維持するかが課題です。

一方、地政学的リスクや地域紛争の影響も一部の国では顕著に見られます。例えばウクライナは7,267,100トンの生産量を維持していますが、紛争により農業基盤が損なわれ、輸出市場の縮小や生産効率の低下が懸念されています。このようなリスクの軽減には、国際協力や食料支援プログラムが不可欠です。また、中東やアフリカの一部では、牛乳生産は小規模な自給自足的農業に依存しており、大量生産システムの導入が進んでいないことが特徴です。

気候変動の影響も今後、乳牛飼育に関する水資源の不足や高温ストレスなど形で現れると予測されます。特に、インドやブラジルのような熱帯地域ではこうした影響が一層深刻化する可能性があります。これを緩和するため、耐暑性のある乳牛品種の開発や、飼料効率を向上させる研究開発が期待されます。

全体的な課題としては、環境負荷削減、食料安全保障、そして国際的な競争力維持の3つが挙げられます。国際機関や各国政府が協調して、技術革新、持続可能な酪農体制の確立、そして市場の安定化を目指すべきです。特に、途上国では資源効率を向上させるための技術支援やインフラ整備が重要です。また、低所得国の小規模農家への支援を通じ、地域経済の活性化も同時に図られることが必要です。

結論として、このデータは、牛乳が文化、経済、環境と深い関わりを持つ重要な資源であることを物語っています。各国が抱える課題は多岐にわたりますが、地球規模での持続可能な酪農の実現へ向けて、科学的知見や国際協力の重要性が問われる時代といえるでしょう。