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コロンビアの牛乳生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、コロンビアの牛乳生産量は1961年の1,762,000トンから2023年の7,309,000トンまで、全体的に増加傾向を示しています。一方で、2000年代以降は若干の変動が見られ、中でも年によって大きく生産量が増減していることが特徴です。特に2017年では7,481,419トンと近年のピークを記録していますが、以降はやや不安定な推移が続いています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 7,309,000
-1.51% ↓
2022年 7,421,000
6.13% ↑
2021年 6,992,670
-1.11% ↓
2020年 7,071,404
3.6% ↑
2019年 6,825,487
-7.29% ↓
2018年 7,362,274
-1.59% ↓
2017年 7,481,419
14.98% ↑
2016年 6,506,632
-3.94% ↓
2015年 6,773,808
-1.41% ↓
2014年 6,870,851
1.45% ↑
2013年 6,772,875
2.5% ↑
2012年 6,607,600
5.15% ↑
2011年 6,284,149
-0.02% ↓
2010年 6,285,126 -
2009年 6,285,413
-15.42% ↓
2008年 7,431,480
10.5% ↑
2007年 6,725,440
-1.35% ↓
2006年 6,817,272
7.87% ↑
2005年 6,319,939
-1.97% ↓
2004年 6,446,792
-3.09% ↓
2003年 6,652,120
1.5% ↑
2002年 6,553,820
4% ↑
2001年 6,301,750
2.5% ↑
2000年 6,148,050
7.22% ↑
1999年 5,733,840
0.39% ↑
1998年 5,711,637
4% ↑
1997年 5,492,034
3% ↑
1996年 5,332,030
5% ↑
1995年 5,078,080
6.5% ↑
1994年 4,768,170
4.52% ↑
1993年 4,561,760
5% ↑
1992年 4,344,530
2% ↑
1991年 4,259,370
5.5% ↑
1990年 4,037,290
7.5% ↑
1989年 3,755,620
8.5% ↑
1988年 3,461,380
6.83% ↑
1987年 3,240,120
4.2% ↑
1986年 3,109,600
7.11% ↑
1985年 2,903,300
1.7% ↑
1984年 2,854,840
4.61% ↑
1983年 2,729,060
6.31% ↑
1982年 2,567,190
7.28% ↑
1981年 2,392,950
10.63% ↑
1980年 2,163,040
4.8% ↑
1979年 2,064,060
6.55% ↑
1978年 1,937,250
-15.86% ↓
1977年 2,302,518
1.17% ↑
1976年 2,275,958
8.56% ↑
1975年 2,096,447
3.41% ↑
1974年 2,027,409
-11.85% ↓
1973年 2,300,000
-6.12% ↓
1972年 2,450,000
4.7% ↑
1971年 2,340,000
4% ↑
1970年 2,250,000
4.17% ↑
1969年 2,160,000
4.35% ↑
1968年 2,070,000
-0.48% ↓
1967年 2,080,000
2.97% ↑
1966年 2,020,000
2.38% ↑
1965年 1,973,000
6.08% ↑
1964年 1,860,000
1.47% ↑
1963年 1,833,000
2.7% ↑
1962年 1,784,885
1.3% ↑
1961年 1,762,000 -

コロンビアの牛乳生産量推移は、1961年から2023年までの長期的な視点では大きな増加を見せています。初めて年産200万トンを超えたのは1966年で、その後1970年代半ばには若干の低迷期を迎えつつも、1980年代以降は継続的な成長を主に背景にして、1990年には4,037,290トン、2000年には6,148,050トンと着実に生産量を引き上げていきました。この成長は、国内酪農産業の機械化、政策的な支援、そして海外需要の高まりに基づいています。特に1990年代半ば以降は、国内市場の需要増と輸出促進政策が押し上げ要因となりました。

しかし、2000年代中盤以降、特に2010年代では天候変動や経済動向の影響により浮き沈みが生じています。例えば2009年の6,285,413トン、2010年の6,285,126トンへと連続して減少した背景には、国内経済の減速と異常気象による牧草生産への影響があると考えられます。同時に、この時期には小規模農家の資金難が増し、酪農の持続可能性への課題が浮き彫りになりました。一方で、2017年の7,481,419トンというピークに至る背景には、輸出の拡大や国内市場の成長が関与しています。ただし、その後は安定した拡大とはならず、年ごとの変動が目立っています。

地政学的な視点から見ると、コロンビアは長年、内戦や治安状況の悪化といったリスクを抱えてきました。これらの要因が農村部での酪農の持続性に影響を及ぼしてきた一方、近年は和平プロセスが進展し、酪農地帯での生産活動も徐々に安定してきています。しかし、異常気象の頻発や、世界的な経済不安定性、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による影響が追加的な課題として浮上しています。特にCOVID-19内での消費チェーン混乱や物流の停滞が一時的に生産量に影響を与えました。

今後、コロンビアの牛乳生産が成長を持続するためにはいくつかの重要な施策が必要です。まず第一に、気候変動への適応策として、牧草地の管理方法や栽培種の多様化が求められています。これにより、干ばつや洪水といった異常気象に対処する能力が強化されます。次に、小規模酪農家への融資や技術支援を拡大することで、農業従事者の競争力向上を図ることが重要です。これらは国内外市場への安定供給を確保し、酪農セクターの収益性を支えるでしょう。

結論として、コロンビアの牛乳生産は長期的な視点で見れば成功を収めていますが、その背後には地域固有のリスクや課題も存在しています。持続可能な成長を実現するためには、政策的な支援、技術的改良、そして気候変動への適応策を取り入れることが必要です。さらに、国内市場と輸出市場のバランスの取れた成長を目指し、安定した酪農政策の実施がポイントとなるでしょう。地元農家と連携しながら地域間協力を強化することも今後の鍵となります。