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ボリビア (多民族国家)の牛乳生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、ボリビアの牛乳生産量は1961年の23,000トンから2023年の576,574トンにまで約25倍に増加しました。特に1990年代初頭には急激な生産量の増加が見られ、その後も着実に生産量は増加してきています。ただし、2015年以降は生産の伸びが停滞しており、一部の年には減少が見られる状況もあります。地域の気候変動や産業の発展、また世界的なパンデミックの影響も考慮すべきと考えられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 576,574
1.31% ↑
2022年 569,107
1.61% ↑
2021年 560,096
0.24% ↑
2020年 558,780
0.85% ↑
2019年 554,059
-1.19% ↓
2018年 560,744
0.17% ↑
2017年 559,813
2.62% ↑
2016年 545,513
-4.82% ↓
2015年 573,141
2.2% ↑
2014年 560,809
2.75% ↑
2013年 545,798
9.22% ↑
2012年 499,731
12.16% ↑
2011年 445,557
4.12% ↑
2010年 427,934
3.87% ↑
2009年 412,007
3.65% ↑
2008年 397,499
3% ↑
2007年 385,916
2.29% ↑
2006年 377,276
2.32% ↑
2005年 368,739
3.74% ↑
2004年 355,456
3.83% ↑
2003年 342,353
2.37% ↑
2002年 334,422
2.37% ↑
2001年 326,689
2.35% ↑
2000年 319,181
3.73% ↑
1999年 307,693
4.56% ↑
1998年 294,273
2.45% ↑
1997年 287,226
3.94% ↑
1996年 276,330
4.89% ↑
1995年 263,446
2.52% ↑
1994年 256,976
6.16% ↑
1993年 242,058
6.57% ↑
1992年 227,140
15.12% ↑
1991年 197,303
74.6% ↑
1990年 113,000
3.67% ↑
1989年 109,000
3.81% ↑
1988年 105,000
1.94% ↑
1987年 103,000
8.42% ↑
1986年 95,000 -
1985年 95,000
5.56% ↑
1984年 90,000
5.88% ↑
1983年 85,000
6.25% ↑
1982年 80,000
6.67% ↑
1981年 75,000
5.04% ↑
1980年 71,400
8.51% ↑
1979年 65,800
5.96% ↑
1978年 62,100
5.97% ↑
1977年 58,600
3.72% ↑
1976年 56,500
6% ↑
1975年 53,300
7.14% ↑
1974年 49,750
3.43% ↑
1973年 48,100
5.95% ↑
1972年 45,400
8.35% ↑
1971年 41,900
33.65% ↑
1970年 31,350
-13.16% ↓
1969年 36,100
7.76% ↑
1968年 33,500
4.69% ↑
1967年 32,000
3.23% ↑
1966年 31,000
16.98% ↑
1965年 26,500
3.92% ↑
1964年 25,500
2% ↑
1963年 25,000
4.17% ↑
1962年 24,000
4.35% ↑
1961年 23,000 -

ボリビアは南アメリカに位置し、多民族国家として知られる国です。その牛乳生産の推移には、地域の農業技術の進歩や経済的発展が反映されています。データによると、1960年代から1980年代中盤にかけて牛乳生産量は年平均2,000〜3,000トンずつ増加するという比較的緩やかな成長を見せていました。この期間の成長要因として、畜産業の基盤整備や農業政策の改善、多民族国家としての多様な農業特性の発揮が挙げられます。

1990年代初頭以降、特に1991年と1992年の間には生産量が約30,000トンから200,000トン台に急増しました。これは主に、牧畜技術の大幅な進展と農業資材への投資、政府や国際機関による支援が背景にあります。この時期、ボリビアは畜産業において国際市場への参入機会を拡大しており、生産量の増加が国内消費の向上と輸出市場の成長に直結しました。

2000年代以降も生産量の増加が続きましたが、2012年から2015年にかけては特に顕著で、生産量が約100,000トン以上増加しています。この背景には、国内の人口増加や牛乳製品の需要が高まったことが挙げられます。しかし、2016年以降は生産量が横ばいや若干の減少傾向を見せる年があり、2022年と2023年には再び増加したものの、成長スピードは鈍化しています。この現象は、気候変動による干ばつや洪水、経済情勢の不安定、さらには新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的影響も要因として挙げられます。

生産の立ち直りが見られる2020年代後半には、これは持続可能な畜産政策の取り組みや地域間協力の成果とも捉えられます。しかし、それでも課題は依然として残ります。たとえば、気候変動に対する適応策が十分ではなく、持続可能な資源利用が求められています。また、家畜の健康管理や生産の効率化には未解決の問題が多い状況です。他国、たとえば牛乳生産で高い成果を上げているアメリカやヨーロッパ(ドイツ、フランスなど)の事例を参考に、ボリビアの農業技術改革を図ることは重要です。

将来的には、気候変動への適応策として干ばつや洪水に耐える牧草の開発や、牧畜の生産システムの効率化が必須と言えます。また、地政学的には、ボリビアの南米内陸国である地理的条件が輸出競争力に影響しており、周辺国との協力を強化することで市場を広げる可能性があります。これには輸送インフラの改善や、地域貿易協定の活用が有効です。

さらに、国内農業従事者の生活水準向上や技術者の育成も重要です。教育プログラムや研修を通じて生産者の能力向上を図る支援が求められます。また、国際機関や外部投資との連携により、資金や技術を持続的に供給する仕組みを整備することが未来の安定的な成長を促すカギになるでしょう。

結論として、ボリビアの牛乳生産量には過去数十年にわたる成長の歴史がありますが、現代的な課題に適応することでより持続可能な経済活動へと発展させる可能性があります。地域と国際的な協力を基盤に据えた実効性のある対策が求められます。