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ラオス人民民主共和国の牛乳生産量推移(1961年~2023年)

最新のデータに基づくと、ラオス人民民主共和国の牛乳生産量は長期的に増加している傾向があります。特に、1961年の1,900トンから2023年には9,129トンまで成長しました。この推移の中で1975年や2009年などには一時的な減少が見られましたが、全体としては約4.8倍の増加を実現しています。2023年は前年度と比較して大幅に増加しており、過去60年で最大の生産量を記録しました。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 9,129
25.05% ↑
2022年 7,300 -
2021年 7,300 -
2020年 7,300
-11.84% ↓
2019年 8,280
13.42% ↑
2018年 7,300 -
2017年 7,300 -
2016年 7,300 -
2015年 7,300 -
2014年 7,300
1.39% ↑
2013年 7,200 -
2012年 7,200
-7.69% ↓
2011年 7,800
11.43% ↑
2010年 7,000
-2.78% ↓
2009年 7,200
-4.51% ↓
2008年 7,540
10.88% ↑
2007年 6,800
3.03% ↑
2006年 6,600
3.13% ↑
2005年 6,400 -
2004年 6,400
3.23% ↑
2003年 6,200
3.33% ↑
2002年 6,000
-1.64% ↓
2001年 6,100
1.67% ↑
2000年 6,000 -
1999年 6,000
3.45% ↑
1998年 5,800
3.57% ↑
1997年 5,600 -
1996年 5,600
1.82% ↑
1995年 5,500
-3.51% ↓
1994年 5,700
1.79% ↑
1993年 5,600
1.82% ↑
1992年 5,500
14.58% ↑
1991年 4,800
2.13% ↑
1990年 4,700
2.17% ↑
1989年 4,600
2.22% ↑
1988年 4,500
4.65% ↑
1987年 4,300
2.38% ↑
1986年 4,200
5% ↑
1985年 4,000
5.26% ↑
1984年 3,800
5.56% ↑
1983年 3,600
5.88% ↑
1982年 3,400
3.03% ↑
1981年 3,300
3.13% ↑
1980年 3,200
8.47% ↑
1979年 2,950
5.36% ↑
1978年 2,800
3.7% ↑
1977年 2,700
3.85% ↑
1976年 2,600
4% ↑
1975年 2,500
-9.09% ↓
1974年 2,750
3.77% ↑
1973年 2,650
1.53% ↑
1972年 2,610 -
1971年 2,610
3.57% ↑
1970年 2,520
5% ↑
1969年 2,400
2.56% ↑
1968年 2,340
2.63% ↑
1967年 2,280
10.68% ↑
1966年 2,060
-1.9% ↓
1965年 2,100 -
1964年 2,100
5% ↑
1963年 2,000 -
1962年 2,000
5.26% ↑
1961年 1,900 -

ラオス人民民主共和国の牛乳生産量データは、同国の農業と畜産業の変遷を物語る重要な指標です。このデータが示しているのは、ラオスの農業技術や経済状況、さらには自然環境や社会的影響のすべてが深く関わった結果といえます。

1961年から始まるデータを見ると、牛乳生産量は非常にゆっくりした増加傾向を持ちながらも、1975年(2,500トン)のように、一部の年には減少や停滞が見られています。これは当時のラオスが経験した内戦による農業インフラの崩壊や貧困の影響を示していると思われます。その後、特に1980年代以降は一貫して生産量が増加しており、政策面での支援や外部からの技術提供の結果、畜産業の回復が顕著に進んでいることがわかります。

2008年(7,540トン)には急増し、数年間安定した水準を保っていました。しかし、2009年(7,200トン)と2010年(7,000トン)には再び生産量が縮小しています。この時期には、世界的な経済不況がラオス経済にも影響を及ぼしており、畜産業への投資が一時的に減少した可能性が考えられます。その後、2019年に8,280トンと大きく伸びを示しましたが、2020年以降は再び7,300トンで停滞していることが確認できます。新型コロナウイルスの影響も、サプライチェーンの混乱や衛生規制の強化による生産制限として、この停滞に影響していると考えられます。

しかし、2023年には9,129トンまで一気に増加し、数十年間で最も高い生産量となりました。この大幅な増加は、政府による農業振興策やインフラ整備の加速化、および国外からの農業技術援助が奏功した結果であると考えられます。さらに、牛乳の品質向上のための新技術導入や市場ニーズの高まりが、この成長を後押しした要因といえるでしょう。また、隣国の中国やタイへの輸出の機会増加が、目立った成果をもたらした可能性も示唆されます。

他国との比較を行うと、日本は2020年時点で約720万トンと、ラオスの約100倍の生産量を記録しています。中国やインドはさらに大きな規模を持ち、大量生産を可能にする大規模農場や先端技術を活用しています。一方で、ラオスの牛乳生産は主に小規模農家が担っているため、この違いが全体的な生産量の差に現れています。しかし、地元市場の特化型生産と品質面の向上に着目することで、差別化の可能性を有している点は見逃せません。

ラオスの今後の課題としては、生産基盤のさらなる強化が挙げられます。そのためには、より効率的な畜産技術や家畜の健康管理技術の導入が急務です。また、気候変動が農業生産に与える影響は無視できません。特に、降水量の変動や水資源の管理の重要性が高まる中で、灌漑インフラなどの天候リスクに対応する対策が求められます。そして、国内需要の増加に対応する一方で、中国やベトナムなどの市場への輸出ルートの確保も大きな課題となります。

総括すると、このデータからはラオスの牛乳生産が確実に成長していることが示されています。しかしながら、世界市場との競争力を高めるためには規模の拡大や生産性向上だけでなく、品質管理や持続可能な農法への移行も重要です。地政学的リスクや外的要因への対応を含めた包括的な戦略が必要となるでしょう。国際機関や近隣諸国からの技術協力により、ラオスの牛乳生産はさらに長期的に成長する可能性を秘めています。