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チャド

Chad

チャド共和国(Chad)は、中央アフリカのサハラ砂漠に位置する国です。面積は約128万平方キロメートルで、アフリカ大陸では約5番目に大きい国となっています。北はリビア、東はスーダン、南は中央アフリカ共和国、西はカメルーンとナイジェリアに接しています。また、湖の中でも最も有名なチャド湖が国名の由来となっています。 チャドは多様な民族と文化を持つ国で、約200の異なる民...もっと見る

チャド」基本情報

正式名称 チャド共和国
英語名 Chad
首都 ウンジャメナ(N'Djamena)
公用語 アラビア語、フランス語
地域 アフリカ /中央アフリカ
通貨 CFAフラン (BEAC)(Fr)
パスポート
総人口  1,931万人
平均年齢  15.401歳
国内総生産(GDP)  167億9,912万6,537ドル
国民総所得(GNI)  165億4,989万8,413ドル
一人当たりGDP  948 ドル
一人当たりGNI  934 ドル
面積 1,259,200 ㎢
人口密度 15.342人/㎢
CO2総排出量  88,986,853トン
一人当たりCO2排出量  5.35トン

チャド」の年齢層別人口

チャド」人口統計情報

総人口 1,931万人
男性人口 969万人
女性人口 962万人
人口変化 +1,102,760人
人口増加率 +5.710% -
出生数 819,054人
平均出産年齢 29.239歳
平均寿命 55.069歳
男性平均寿命 53.195歳
女性平均寿命 57.014歳
総死亡者数 213,123人
純移民数 496,830人

チャドの豆知識?

「チャド」という名称は、国内の重要な淡水湖である「チャド湖」に由来しています。「チャド」の語源は、現地の言葉で「大きな水域」を意味するとされています。

チャド湖はアフリカ中央部の重要な淡水湖でしたが、近年は気候変動や灌漑などの影響で面積が大きく縮小しています。それでも、周辺地域に住む人々や野生生物にとって重要な水源となっています。

チャドの公用語はフランス語とアラビア語です。さらに100以上の民族言語が話されており、言語的な多様性が非常に高いのが特徴です。

チャドの首都「ンジャメナ」は、現地の言葉で「休息の地」という意味を持つとされます。旧名は「フォール・ラミ」といい、1920年代にフランスの植民地政策の一環として建設されました。

チャドは北部がサハラ砂漠、中央部が半乾燥地帯のサヘル地帯、南部が湿潤なサバナ地帯という大きく異なる気候帯を抱えており、地形や生態系もそれぞれに特有の多様性があります。

「トゥーマイ(Toumaï)」は、約700万年前の人類祖先とされる化石の愛称です。2001年にチャド北部で発見され、人類の進化の研究における重要な手がかりとされています。

チャドでは100を超える言語が使われており、言語的に非常に多様な国です。そのため「バベルの塔」と呼ばれることがあります。

ティベスティ山地はチャド北西部に位置し、アフリカでも有数の高地の一つです。最高峰のエミ・クシ(標高3,415m)はチャドの最高峰でもあり、周辺は火山活動の痕跡が残る独特の地形を形成しています。

チャドの主要産業には農業や畜産、石油の採掘などがあります。農業では綿花の生産が重要で、牛や羊などの家畜飼育も国内経済を支える大切な産業です。

チャドはかつてフランス領で、1960年8月11日に独立を果たしました。独立以降も政治的混乱が続きましたが、現在は共和国として国家体制を維持しています。

チャドの国の標語は「Union, Travail, Progrès」(フランス語で「統一、労働、進歩」)です。国民の一致団結と勤勉、国家の発展を目指す姿勢を表しています。

チャドでは中央アフリカCFAフラン(XAF)が使用されています。近隣諸国の多くも同じCFAフラン圏に属しており、地域間の経済活動において共通の通貨基盤を持っています。

代表的なものの一つに、ムルドゥ(Mourrdou)やグエレウォル(Guérewol)という祭りがあります。特にグエレウォルでは、ウダベ族の男性が華やかな衣装と顔のペイントを身にまとい、歌や踊りで魅力を競う姿が有名です。

チャドは大統領共和制を採用しており、大統領が国家元首兼政府の長を務めます。議会は両院制をとっており、立法府と大統領の権限バランスが政治の安定に重要な役割を果たします。

北部の砂漠地帯ではサハラ観光、中央部の伝統的文化体験、南部のサバナ地域での野生動物観察など、地域ごとに異なる観光資源を楽しむことができます。ただし、インフラが整備途上のため、観光には十分な準備と注意が必要です。

MAP「チャドの首都 - ウンジャメナ」

チャドってどんなところ?

チャド共和国(Chad)は、中央アフリカのサハラ砂漠に位置する国です。面積は約128万平方キロメートルで、アフリカ大陸では約5番目に大きい国となっています。北はリビア、東はスーダン、南は中央アフリカ共和国、西はカメルーンとナイジェリアに接しています。また、湖の中でも最も有名なチャド湖が国名の由来となっています。

チャドは多様な民族と文化を持つ国で、約200の異なる民族が共存しています。主要な民族には、アラブ系のアラビア人、非アラブ系のサハラ系民族、そして南部のバンツー系民族がいます。これらの民族は、それぞれ独自の言語、伝統、習慣を持っており、国の文化的多様性を形成しています。公用語はフランス語とアラビア語ですが、民族ごとに異なる言語が広く使用されています。

経済的には、チャドは主に農業と畜産業に依存しており、特に穀物の栽培が行われています。主要な作物には、米、小麦、ソルガム、ヒョウタンがあり、これらは主に国内消費のために栽培されています。また、牛や羊といった家畜も多く飼育されています。一方で、石油産業も重要な役割を果たしており、2003年には国際的なオイルプロジェクトが開始され、それ以来国家予算の大部分を占める収入源となっています。しかし、インフラが整っていないため、経済成長には限界があり、貧困問題が残っています。

政治面では、チャドは長年にわたり政情不安に悩まされてきました。特に1990年代以降、内戦や反政府組織との抗争が続いており、政治的安定性が欠如しています。2021年、長期大統領であったイドリス・デビが戦闘中に死亡し、新たな政権移行の過程が進められています。この状況は国民の間での緊張を高め、経済や社会的な問題をさらに悪化させる要因となっています。

チャドには観光資源も存在しますが、その多くは未開発の状態です。自然の美しさを享受できる場所として、サハラ砂漠の雄大な景観や生物多様性に富んだ国立公園が幾つかあります。例えば、エンネディ山地やザイール国立公園などは、訪れる価値のあるエリアです。また、チャド湖も観光名所の一つであり、湖の周辺には多くの水鳥や魚類が生息しています。しかし、治安の不安定さやアクセスの難しさから、観光はあまり盛んではないのが現状です。

文化的な面では、チャドは音楽や舞踊が非常に豊かで、多くの伝統的な表現があります。特に、アラブ文化やサハラ文化が融合した独特のスタイルを持つ伝統音楽は、地域住民の生活に深く根ざしています。祭りや儀式では、これらの音楽が重要な役割を果たし、地域のアイデンティティを強化しています。

総じて、チャドはその豊かな文化や自然環境に魅力を持ちながらも、政治的・経済的な課題を抱える国です。国民は厳しい状況に置かれていますが、多様な文化と歴史を大切にしながら、未来に向かって努力を続けています。チャド共和国は、まだ多くの可能性を秘めている国と言えるでしょう。