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ウガンダの牛乳生産量推移(1961年~2023年)

1961年以降、ウガンダの牛乳生産量は総じて増加傾向にありますが、特定の時期には大幅な増減も見られます。特に2023年には2,990,433トンと、過去最大の生産量に達しました。一方で、1961年から1970年の間はゆるやかな成長を見せ、その後1970年代後半や1980年代初頭には停滞や縮小が起きています。1990年代以降急激な増加が見られますが、一部の年では減少もあり、安定性には課題が残ります。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 2,990,433
78.64% ↑
2022年 1,674,018
0.16% ↑
2021年 1,671,294
0.66% ↑
2020年 1,660,393
-1.36% ↓
2019年 1,683,315
-19.88% ↓
2018年 2,101,000
26.41% ↑
2017年 1,662,000
-1.25% ↓
2016年 1,683,000
4.15% ↑
2015年 1,616,000
1.22% ↑
2014年 1,596,500 -
2013年 1,596,500
3.06% ↑
2012年 1,549,120
6.1% ↑
2011年 1,460,000
2.96% ↑
2010年 1,418,000
2.98% ↑
2009年 1,377,000
-3.14% ↓
2008年 1,421,641
3% ↑
2007年 1,380,208
3.1% ↑
2006年 1,338,688
1.58% ↑
2005年 1,317,804
3.43% ↑
2004年 1,274,077
5.46% ↑
2003年 1,208,163
31.51% ↑
2002年 918,658
30.59% ↑
2001年 703,463
2.55% ↑
2000年 685,956
0.33% ↑
1999年 683,683
2.97% ↑
1998年 663,961
4.92% ↑
1997年 632,814
0.99% ↑
1996年 626,590
1.22% ↑
1995年 619,046
2.26% ↑
1994年 605,346
-4.55% ↓
1993年 634,215
2.93% ↑
1992年 616,156
1.61% ↑
1991年 606,412
41.09% ↑
1990年 429,800
11.23% ↑
1989年 386,400
3.66% ↑
1988年 372,750
9.01% ↑
1987年 341,950
-6.06% ↓
1986年 364,000
4% ↑
1985年 350,000
0.1% ↑
1984年 349,650
2.57% ↑
1983年 340,900
1.04% ↑
1982年 337,400
1.58% ↑
1981年 332,150
-0.52% ↓
1980年 333,900
-9% ↓
1979年 366,940
-3.63% ↓
1978年 380,776
33.55% ↑
1977年 285,124
0.86% ↑
1976年 282,689
0.18% ↑
1975年 282,171
2.36% ↑
1974年 275,660
3.13% ↑
1973年 267,295
3.48% ↑
1972年 258,300
5.9% ↑
1971年 243,915
-1.33% ↓
1970年 247,205
7.8% ↑
1969年 229,320
7.83% ↑
1968年 212,660
1.54% ↑
1967年 209,440
3.71% ↑
1966年 201,950 -
1965年 201,950
0.96% ↑
1964年 200,025
-0.03% ↓
1963年 200,095
2.42% ↑
1962年 195,370
-6.5% ↓
1961年 208,950 -

ウガンダの牛乳生産量は1961年の208,950トンから2023年には2,990,433トンへと大きな伸びを示しています。この増加は、農業技術の向上、家畜の品種改良、および政策支援による酪農業の成長といった背景に支えられています。ただし、生産量の推移は一貫して直線的に増加しているわけではなく、1970年代や1980年代に減少する時期も観察されます。

1970年代初頭から徐々に年間生産量が増え1978年には380,776トンに、その後1980年代は経済的および政治的な要因により停滞し、最大333,900トンまで落ち込みました。それから1990年代にかけて急激に上昇し、1991年には606,412トン、2003年には1,208,163トンと倍以上の伸びを達成しています。国際連合食糧農業機関(FAO)のデータではこの時期、農業生産性の向上と酪農産業への投資が主要な要因として挙げられます。

興味深い点は、2023年に2,990,433トンと突出した生産量を記録していることです。これは2022年の1,674,018トンと比較して、約1.8倍の著しい増加にあたります。これほどの急増は自然な気象条件の改善、牛乳需要の高まり、地域的農業協力の強化、政府による農業支援策の実施が関わっていると考えられます。この成長は一方で国際市場でのウガンダ産牛乳の競争力向上にもつながる可能性を示しています。

しかし、安定した成長にはいくつかの課題も伴います。2023年の急増以前、2019年から2022年の間、生産量が緩やかに減少していることが見られるように、気象条件の変化や地域的なインフラ不足が制約になっている可能性は否めません。また、内戦や地域的衝突もウガンダの農業に混乱をもたらす要因となり得ます。

そのほか、新型コロナウイルス感染症による国際的な物流網の制約が2020年以降の生産安定性に影響を与え、輸出量や国内供給のバランスにも懸念を与えました。牛乳生産を持続可能に増加させるには、災害への早期対応能力を高め、電力や輸送など酪農インフラの充実が必要不可欠でしょう。

未来への対策として、まず効率的な水資源管理と大規模な牧草地の確保が提案されます。また、地域的な協力枠組みとして、東アフリカ共同体(EAC)を活用し酪農業のスキルや技術を共有することが重要です。さらに国内消費を超えた輸出需要を満たすため国際的な貿易協定の改善や冷蔵輸送技術の導入も推進すべきです。

一方で、地政学的リスクを考慮する必要があります。ウガンダの隣国との国境紛争や内戦が長期化した場合、その影響は農場経営や物流に直結します。そのため、国際的な仲介者による紛争管理を強化し、政治的な安定を保つ努力を継続するべきです。

結論として、ウガンダにおける牛乳生産の成長には顕著な可能性があるものの、安定的かつ持続可能な向上を目指すためには、政策面、インフラ、国際協力、気候変動への対応といった多面的な取り組みが求められます。