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モーリタニアの牛乳生産量推移(1961年~2023年)

モーリタニアの牛乳生産量は、1961年の82,775トンから徐々に増加を見せ、2023年には149,868トンに達しています。全体的には増加傾向を示しているものの、一部の年で急激な減少や停滞も見られます。特に1970年代半ばや1980年代中盤では大きな落ち込みが確認されており、気候条件や地域情勢が生産量に影響を与えた可能性があります。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 149,868
0.81% ↑
2022年 148,657
-0.89% ↓
2021年 149,998
0.92% ↑
2020年 148,632
0.68% ↑
2019年 147,629
-4.76% ↓
2018年 155,000 -
2017年 155,000
-1.9% ↓
2016年 158,000
17.04% ↑
2015年 135,000
-12.34% ↓
2014年 154,000
21.93% ↑
2013年 126,300
0.24% ↑
2012年 126,000
-0.16% ↓
2011年 126,200
0.16% ↑
2010年 126,000
-11.27% ↓
2009年 142,000
3.88% ↑
2008年 136,700
9.89% ↑
2007年 124,400
-1.27% ↓
2006年 126,000
1.41% ↑
2005年 124,250
1.43% ↑
2004年 122,500
1.49% ↑
2003年 120,700
0.25% ↑
2002年 120,400
4.24% ↑
2001年 115,500 -
2000年 115,500
1.58% ↑
1999年 113,700
3.18% ↑
1998年 110,200
1.57% ↑
1997年 108,500
1.69% ↑
1996年 106,700
0.66% ↑
1995年 106,000
2.02% ↑
1994年 103,900
-8.38% ↓
1993年 113,400
17.88% ↑
1992年 96,200
-1.43% ↓
1991年 97,600
0.2% ↑
1990年 97,405
1.94% ↑
1989年 95,550
5% ↑
1988年 91,000
2.77% ↑
1987年 88,550
1.2% ↑
1986年 87,500
19.05% ↑
1985年 73,500
10.53% ↑
1984年 66,500
-24% ↓
1983年 87,500
2.04% ↑
1982年 85,750 -
1981年 85,750
2.08% ↑
1980年 84,000 -
1979年 84,000
4.35% ↑
1978年 80,500
4.55% ↑
1977年 77,000
10% ↑
1976年 70,000
17.65% ↑
1975年 59,500
13.33% ↑
1974年 52,500
-18.92% ↓
1973年 64,750
-13.95% ↓
1972年 75,250
-14% ↓
1971年 87,500
-11.22% ↓
1970年 98,560
0.39% ↑
1969年 98,175
2.41% ↑
1968年 95,865
2.05% ↑
1967年 93,940
2.09% ↑
1966年 92,015
2.14% ↑
1965年 90,090
2.18% ↑
1964年 88,165
2.23% ↑
1963年 86,240
1.82% ↑
1962年 84,700
2.33% ↑
1961年 82,775 -

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、モーリタニアの牛乳生産量は1961年の82,775トンから2023年の149,868トンに増加しています。このデータは、現地での乳製品生産活動と食糧供給の基本状況を把握するための指標として重要な役割を果たしています。モーリタニアは北アフリカ地域に位置し、その地形や気候特性が牛乳生産にも大きな影響を及ぼしていることが分かります。

1960年代から1970年代は生産量が安定的に増加していましたが、1971年以降、生産量が急激に減少し始めています。この期間はサヘル地域全体で干ばつが発生しており、農業生産に深刻な影響を与えたことが原因と考えられます。それと同時に牧畜民が移動を余儀なくされ、多くの家畜が失われたことで乳量も減少しました。一方で1980年代後半以降は再び上昇傾向を示しており、特に1993年には113,400トンにまで増加しています。この増加は、一部地域での牧草管理及び家畜飼育技術の進展が寄与した結果と見られます。

2000年代以降は全般的には増加していますが、一部の年では不安定な傾向が見られます。例えば、2007年には2006年と比較して減少が見られますが、2008年には急激に上昇して136,700トンを記録しました。また、2010年代後半からは再び停滞や減少が見られ、特に2019年以後のわずかな下降は、国内の経済状況の変化や気候変動の影響を反映している可能性があります。

地域的な課題として、干ばつや土地の砂漠化が乳製品生産活動における最も大きなリスクとして指摘されています。モーリタニアは降水量が少なく、広大な乾燥地帯の特性上、持続的な家畜飼育や牧草地管理が難しい国です。こうした状況が家畜の飼育数や乳牛の生産効率に直結していることから、水資源の確保や牧草地の整備が急務と言えます。また、近年では気候変動による降雨量の変動や極端な干ばつが発生しており、特に2020年以降のデータを見ると、増加のペースが低迷していることが分かります。

この地域における持続的な牛乳生産を実現するためには、いくつかの具体的な対策が求められます。第一に、牧草地の効果的な管理と再生を進めるための国際的な支援が重要です。他国で成功している例として、中国やインドでは、乾燥地でも成長可能な牧草の導入や、灌漑技術の高度化に成功しています。モーリタニアでもこれらの技術を導入することで、より安定した乳量を確保できるでしょう。

第二に、牛乳生産の効率化を図るため、乳牛の遺伝的改良を進めることが考えられます。近隣国で成功している事例を見ると、選択繁殖や品種改良が生産効率の向上に寄与していることが分かります。また、家畜の飼養管理および医療体制を改善するための農業従事者への教育や技術支援を行うことで、長期的な生産基盤の強化が見込めます。

さらに、地域の安定化も生産量の増加には重要な要素です。モーリタニアは地政学的にも不安定な地域に近接しており、治安状況の悪化が農村部を中心とした家畜の管理に悪影響を及ぼすケースがあります。紛争地域や周辺国の影響を軽減し、持続的な家畜飼育を可能にするための地域間協力が、国際社会の関与とともに鍵を握ります。

結論として、モーリタニアの牛乳生産量は一貫して増加傾向にありますが、気候変動や地域の安定性といった課題を抱えています。これらに対応するためには、新しい技術の導入や国際的な資金援助といった多岐にわたる対策が必要です。特に、持続可能な開発目標(SDGs)の視点からも、気候変動への適応策や食料資源の管理を通じて、地元住民の生活基盤の安定化を図ることが求められるでしょう。