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ドミニカ共和国の牛乳生産量推移(1961年~2023年)

ドミニカ共和国の牛乳生産量は1961年から2023年にかけて、全体的に着実な増加傾向を示しています。1961年の18万1,000トンから2023年には86万2,164トンに達し、約4.8倍に拡大しました。特に2000年代後半と2010年代にかけて顕著な伸びが見られる一方、2020年以降は増加が鈍化し、横ばいの状態となっています。このデータはドミニカ共和国の酪農業の発展を示すとともに、対外需給体制や持続可能性に関する重要な指標として捉えることができます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 862,164
0.16% ↑
2022年 860,771
-0.09% ↓
2021年 861,565
-3.36% ↓
2020年 891,531
-2.72% ↓
2019年 916,503
2.42% ↑
2018年 894,807
4.27% ↑
2017年 858,188
10.8% ↑
2016年 774,512
15.21% ↑
2015年 672,237
5.11% ↑
2014年 639,578
6.22% ↑
2013年 602,100
5.01% ↑
2012年 573,400
10.91% ↑
2011年 517,000
-2.38% ↓
2010年 529,600
-11.12% ↓
2009年 595,833
-2.28% ↓
2008年 609,725
7.62% ↑
2007年 566,561
13.01% ↑
2006年 501,346
8.66% ↑
2005年 461,379
20.02% ↑
2004年 384,414
4.2% ↑
2003年 368,925
-17.4% ↓
2002年 446,638
4.84% ↑
2001年 426,000
6.5% ↑
2000年 400,000
-0.25% ↓
1999年 401,000
3.62% ↑
1998年 387,000
30.3% ↑
1997年 297,000
-22.05% ↓
1996年 381,000
1.87% ↑
1995年 374,000
-6.5% ↓
1994年 400,000
7.53% ↑
1993年 372,000
1.64% ↑
1992年 366,000
-0.81% ↓
1991年 369,000
6.31% ↑
1990年 347,093
2.1% ↑
1989年 339,955
7.2% ↑
1988年 317,122
1.1% ↑
1987年 313,671
-7% ↓
1986年 337,281
-11% ↓
1985年 378,968
-12% ↓
1984年 430,646
-6.38% ↓
1983年 460,000
2.22% ↑
1982年 450,000
2.27% ↑
1981年 440,000
2.02% ↑
1980年 431,300
5.4% ↑
1979年 409,200
30.03% ↑
1978年 314,700
-17.73% ↓
1977年 382,500
12.5% ↑
1976年 340,000
6.25% ↑
1975年 320,000
-5.88% ↓
1974年 340,000
3.03% ↑
1973年 330,000
4.76% ↑
1972年 315,000
3.62% ↑
1971年 304,000
7.42% ↑
1970年 283,000
8.85% ↑
1969年 260,000
8.5% ↑
1968年 239,627
3.73% ↑
1967年 231,000
10% ↑
1966年 210,000
5% ↑
1965年 200,000
7.53% ↑
1964年 186,000
2.2% ↑
1963年 182,000
0.55% ↑
1962年 181,000 -
1961年 181,000 -

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が発表した最新データによると、ドミニカ共和国の牛乳生産量はこの60年以上の間で大幅に成長を遂げました。1960年代には約18万トンの生産量を維持していましたが、1970年代から徐々に増加し、1977年に38万2,500トンと初めて大きな伸びを見せました。その後1980年代前半にかけて順調に拡大するも、1980年代後半から1990年代半ばにかけて生産量が減少する時期も観察されます。この減少は、経済の不安定化や資源管理の問題、自然災害の影響が関連していると考えられます。

2000年代以降、生産量は再び上向き、特に2006年から2008年にかけて初めて50万トンを超え、さらに60万トンに到達しました。この時期の生産量の急増は、国内酪農技術の発展や国際市場における牛乳需要の増加を背景としている可能性があります。続く2010年代にはさらなる成長が見られ、2016年から2019年にかけて年ごとに生産量は増加し、最終的に90万トンを超えました。

2020年以降、牛乳生産量は安定しましたが、著しい増加傾向は見られなくなりました。この変化には新型コロナウイルスの感染拡大による国際供給網の混乱が影響を及ぼした可能性があります。また、世界的に気候変動が及ぼす影響も見過ごせません。気温の上昇や極端な気象現象は、牧草の生育環境を悪化させ、乳牛の飼育条件に影響を与えたと考えられます。

ドミニカ共和国の牛乳生産の安定は、国内の食料安全保障や輸出産業の発展において極めて重要です。他国と比較すると、日本の2023年の牛乳生産量(約710万トン)やアメリカ(約10億トン超)と比べればまだ小規模ですが、地域的な競争力を高めることが期待されます。一方で、気候変動や環境負荷、高齢化した酪農業専門家の不足といった課題に直面しているといえます。

解決策としては、持続可能な酪農経営への移行が鍵となります。例えば、牧草地の効率的な管理や自然災害に耐えうるインフラ整備、さらに乳牛の品種改良による生産性向上などが挙げられます。また、政府および国際機関の支援による気候適応型農業の導入や、地域の農業技術者の育成も優先すべき課題です。さらに、国際連携を強化し、特にラテンアメリカ地域の他国と協力することで、酪農業全体の発展を目指すべきでしょう。

牛乳生産量の推移を見れば、ドミニカ共和国の酪農業は顕著な進歩の軌跡を示しています。ただし、今後もこの成長を継続し、多くの課題を克服するためには、政府や関連業界が一丸となって持続可能な農業政策を推進する必要があります。この取り組みが成功すれば、ドミニカ共和国は国内外での競争力を一層高め、酪農業を基盤とした持続可能な経済発展を実現できると期待されます。