ブータン

Bhutan

「ブータン」基本情報

正式名称	ブータン王国
英語名	Bhutan
首都	ティンプー（Thimphu）
公用語	ゾンカ語
国歌	雷龍の王国（Druk Tsenden）
地域	アジア /南アジア
通貨	ニュルタム（Nu）
パスポート
総人口	78万人
平均年齢	29.388歳
国内総生産(GDP)	28億9,848万2,939ドル
国民総所得(GNI)	27億4,790万8,889ドル
一人当たりGDP	3,704 ドル
一人当たりGNI	3,512 ドル
面積	38,140 ㎢
人口密度	20.482人/㎢
CO2総排出量	3,154,581トン
一人当たりCO2排出量	4.08トン

「ブータン」直近20年間人口推移

「ブータン」の年齢層別人口

「ブータン」人口統計情報

総人口	78万人
男性人口	42万人
女性人口	36万人
人口変化	+5,442人
人口増加率	+0.692%	-
出生数	9,958人
平均出産年齢	29.890歳
平均寿命	72.975歳
男性平均寿命	71.305歳
女性平均寿命	74.965歳
総死亡者数	4,805人
純移民数	291人

ブータンの豆知識？

現在の英語名「Bhutan」は、サンスクリット語の「Bhotanta（チベットの果て）」に由来するといわれています。一方、ブータンでは自国を「ドゥクユル(Druk Yul)」と呼び、これは「雷龍の国」を意味します。

ブータンでは経済成長の代わりに「GNH（国民総幸福量）」を国の指標として重視しているからです。物質的豊かさだけでなく、精神的・文化的な豊かさや環境保護など、総合的な幸福を追求するための政策が支持されています。

ティンプー市内には長らく信号機がなく、交通警察官が手信号で交通を誘導していたことで有名です。一時的に信号機が導入されたこともありましたが、人々は手信号の方を好んだため再び撤去されました。

ブータンの憲法では、国土の少なくとも60%を森林として残すことが義務付けられています。また豊富な森林資源と厳格な環境保護政策により、世界でも珍しく「炭素の排出よりも吸収が上回る国」として知られています。

代表的なのは「エマ・ダツィ(Ema Datshi)」です。唐辛子とチーズを煮込んだもので、ブータンの家庭料理として欠かせません。辛味の強い唐辛子がたっぷり使われるのが特徴です。

はい、本当です。ブータンは1999年にテレビ放送を正式に導入しました。これは世界的に見ても非常に遅い時期で、情報化の進展をあえて制限していた国の姿勢がうかがえます。

弓の射程が長く、的が非常に小さいのが特徴です。試合は祝祭的な雰囲気のなかで行われ、踊りや歌などのパフォーマンスを交えながら国民的行事として盛り上がります。

現在の王政は1907年に成立したワンチュク王朝に始まりました。王は国民の幸福を重視する姿勢で知られ、近年では立憲君主制へ移行したことで政治改革が進み、民主的な議会制度も存在します。

「ドゥクユル」とは「雷龍の国」を意味します。ブータンの伝統では、雷鳴を龍の唸り声になぞらえており、国旗にも龍が描かれているなど、龍は国のシンボル的存在です。

ブータンでは「高価値・低影響」の方針を掲げ、観光客には1日あたりの定額料金（ビザ費用やツアー費用などを含む）を課しています。訪れる観光客の数を抑えることで、文化や自然環境の保全を図っています。

ニュルタムはブータンの法定通貨で、インドの通貨ルピーと同じ価値に固定されています。そのためインドではルピーが、ブータンではニュルタムがそれぞれ使われるという関係が長く続いてきました。

「ゾン」は行政や宗教の中心となる城塞建築です。厚い石壁を持ち、僧侶の修行や政府の機関が入るなど、多目的に利用されます。その壮大な外観はブータンの景観を象徴する存在です。

憲法で定められているように、ブータンは国土の60%以上を森林として保つことが義務付けられています。現在も70%以上が森林に覆われているという統計もあり、環境保全の取り組みが大きく成果を上げています。

ツェチュは、チベット仏教の高僧であるグル・リンポチェにまつわる祭りです。僧侶や地元の人々が華やかな仮面をつけ、音楽や踊りを披露することで、宗教的な意義と娯楽が融合した盛大なお祭りになっています。

ブータンはタバコの販売や喫煙に対し厳しい制限を設けています。完全に禁止されているわけではありませんが、輸入や販売には高額な税金や罰則が課され、その規制の厳しさから事実上入手しにくい状況です。

MAP「ブータンの首都 - ティンプー」

ブータンってどんなところ？

ブータン王国（Bhutan）は、ヒマラヤ山脈に位置する内陸国で、北は中国、南はインドと接しています。この国は、その独自の文化と豊かな自然環境に恵まれており、特に「幸福の国」として知られています。これは、国の政策が国民の幸福を最優先にすることを重視しているためです。

ブータンの面積は約38,394平方キロメートルで、人口は約75万人（2021年の推定）です。国の公用語はゾンカ語ですが、英語も広く使用されており、特に教育機関やビジネスにおいて重要な役割を果たしています。ブータンは、1960年代から神秘の国として観光客を惹きつけてきましたが、近年は持続可能な観光を促進しており、環境保護との調和を目指しています。

ブータンの政府は、君主制であり、現国王はジェグミ・ケサル・ナムギャル・ワンチュク（Jigme Khesar Namgyel Wangchuck）です。彼は2006年に即位し、国政を元首として率いています。ブータンは1953年に初めて国民議会を設立し、2008年には初の民主的選挙を行いました。これにより、国家の政策決定に国民の声が反映されるようになりました。国王は、伝統的な政治制度を存続させつつ、現代的な民主主義を根付かせようと努力しています。

ブータンの文化は、仏教の影響を色濃く受けています。国の中で最も重要な宗教は上座部仏教であり、特にチベット仏教が根付いています。多くの寺院や僧院が全国に点在しており、その中でもタクツァン僧院（虎の巣寺）は観光客に人気のあるスポットです。独特の建築様式と、鮮やかな色使いの伝統的な衣装が国の魅力を増しています。

ブータンの自然環境は素晴らしく、多くの国立公園や保護区が存在しています。ブータンは生物多様性が極めて豊かで、ヒマラヤの高山植物から熱帯林まで、さまざまな生態系が見られます。特に、国の面積の約60％は森林で覆われており、この比例は持続可能な開発を重視する国の姿勢を反映しています。国の環境保護政策は国際的にも高く評価されています。

食文化もまた、ブータンの特徴の一つです。ブータンの料理は、主に米を基盤にしており、特に辛味の強い料理が多いのが特徴です。「エマ・ダツィ」（チーズと唐辛子の煮込み）はブータンの代表的な料理であり、多くの人に愛されています。また、伝統的な飲み物には「アラ」という米酒があり、これもまた国民に親しまれています。

ブータンは経済面では、農業と観光が重要な産業です。特に観光産業は、国の成長において大きな役割を果たしていますが、持続可能性を重視したアプローチが採られています。観光客は入国には特別なビザが必要で、高い料金が設定されており、これによって質の高い訪問者を呼び込んでいます。

まとめると、ブータン王国はその美しい自然、深い文化、そして国民の幸福を追求する独自の政治スタイルで知られる国です。特に「国民総幸福量」という指標を用いて、経済成長だけでなく社会や環境の面でも持続可能な発展を目指している点が、他国にはない魅力となっています。ブータンは、訪れる人々に特別な体験を提供し、その隠れた宝石のような素晴らしさを感じさせてくれる国です。