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イラク

Iraq

イラク共和国(Iraq)は、西アジアに位置する国家で、隣接する国々にはトルコ、イラン、クウェート、サウジアラビア、シリア、ヨルダンがあります。首都はバグダッドで、古代文明の強い影響を受けた地域です。イラクという名称は、古代メソポタミアの一部であり、シュメール文明、アッカド文明、バビロニア、アッシリアなどの発祥の地であることから、歴史的にも非常に重要な国です。 ...もっと見る

イラク」基本情報

正式名称 イラク共和国
英語名 Iraq
首都 バグダッド(Baghdad)
公用語 アラビア語、クルド語
地域 アジア /西アジア
通貨 イラク・ディナール(ع.د)
パスポート
総人口  4,507万人
平均年齢  20.345歳
国内総生産(GDP)  2,641億8,217万4,000ドル
国民総所得(GNI)  2,613億1,172万105ドル
一人当たりGDP  5,937 ドル
一人当たりGNI  5,873 ドル
面積 434,128 ㎢
人口密度 103.827人/㎢

イラク」の年齢層別人口

イラク」人口統計情報

総人口 4,507万人
男性人口 2,261万人
女性人口 2,245万人
人口変化 +967,708人
人口増加率 +2.147% -
出生数 1,159,682人
平均出産年齢 28.621歳
平均寿命 72.324歳
男性平均寿命 70.426歳
女性平均寿命 74.055歳
総死亡者数 186,266人
純移民数 -5,710人

イラクの豆知識?

イラクの地は古代メソポタミア文明の中心地とされ、チグリス川とユーフラテス川が流れる地域で人類最古級の都市文明が栄えました。そのため「文明のゆりかご」と呼ばれています。

バグダッドは8世紀頃、アッバース朝のカリフであるアル=マンスールによって建設されました。当時は円形に町が築かれたことから「円形都市」とも呼ばれ、イスラーム世界の学問や文化の中心地として発展しました。

古代バビロンは最盛期の王ネブカドネザル2世の時代に繁栄し、世界七不思議の一つ「バビロンの空中庭園」があったと伝えられています。遺跡で知られるバビロンは現在のイラク中部に位置し、古代メソポタミア文明を今に伝える貴重な史跡です。

イラクの公用語はアラビア語とクルド語の2つです。地域によってはトルクメン語やシリア語(アッシリア人が使用)なども話されており、多様な言語文化が存在します。

「イラク」という名称の由来については諸説ありますが、古代都市ウルク(Uruk)に由来する説や、アラビア語で「川沿いの土地」を意味する言葉にちなんだとする説などが挙げられています。

古代メソポタミアのシュメール人が生みだした「楔形文字(くさびがたもじ)」が世界最古の文字のひとつとされています。粘土板に葦の茎などで刻む形で記録を残していました。

『ギルガメシュ叙事詩』は古代メソポタミアのシュメール人が原型を作った世界最古級の文学作品で、王ギルガメシュの冒険や友情、死生観が描かれています。イラクに残る遺跡から粘土板で見つかりました。

イラクの南部に広がる湿地帯は「マーシュ・アラブ(沼沢アラブ)」の居住地域として知られ、独自の伝統的住居と生活様式が特徴です。湿地帯は2016年にユネスコの世界遺産に登録され、豊かな生態系を持つ貴重な自然環境でもあります。

イラク料理は米や小麦、豆類、香辛料を活用し、ケバブやドロワ(煮込み)などの肉料理が人気です。また、デーツ(ナツメヤシの実)や野菜を使った甘辛い味付けも多く、アラビア地域の食文化を色濃く反映しています。

イラクの通貨「イラク・ディナール」は1932年にイラク王国の独立に伴って導入されました。「ディナール」の名称自体は古代ローマの硬貨「デナリウス」に由来し、中東各国の通貨単位としても広く使われています。

サーマッラーにある「大モスク(グレート・モスク)」は、9世紀に建設されたイスラーム建築の代表例として知られ、独特のらせん状のミナレット(マルウィヤ・ミナレット)が特徴的です。壮大な遺構はイスラーム初期の建築様式を今に伝えています。

9世紀頃のバグダッドはイスラーム世界の首都となり、「知恵の館(バイト・アル=ヒクマ)」でギリシア哲学や天文学などがアラビア語に翻訳され、大いに発展しました。その後、強力な学術・文化の拠点としてイスラーム黄金期を支えました。

クルディスタン地方は、クルド人が多く居住する地域で、独自の言語(クルド語)、伝統舞踊、音楽が色濃く根づいています。色彩豊かな衣装や祝祭など、多様な文化が花開いています。

ウルは古代メソポタミア文明の中心都市の一つで、「ジッグラト」と呼ばれる階段状の神殿が残るなど、シュメール文化を代表する遺跡として重要視されています。考古学的にも古代都市の構造や宗教観を知る手がかりとなっています。

イラクにはバビロン遺跡、サーマッラーの建造物群、南部の湿地帯(マーシュ)など、歴史的・文化的に価値の高い複数の世界遺産があります。メソポタミア文明の栄華やイスラーム文化の足跡を示す貴重な遺産として国際的に保護されています。

MAP「イラクの首都 - バグダッド」

イラクってどんなところ?

イラク共和国(Iraq)は、西アジアに位置する国家で、隣接する国々にはトルコ、イラン、クウェート、サウジアラビア、シリア、ヨルダンがあります。首都はバグダッドで、古代文明の強い影響を受けた地域です。イラクという名称は、古代メソポタミアの一部であり、シュメール文明、アッカド文明、バビロニア、アッシリアなどの発祥の地であることから、歴史的にも非常に重要な国です。

イラクの地理は多様で、北部は山岳地帯、中央部は広大な平原、南部は干上がった川床や湿地帯が広がります。ティグリス川とユーフラテス川という二大河川が国を縦断し、人々の生活と農業に欠かせない水源となっています。特にこれらの川は、古代から繁栄をもたらした重要な存在であり、文明の発展に寄与しました。

国土の多くは砂漠地帯ですが、イラクの北部にはクルディスタン地域など、豊かな自然が広がっており、観光資源も多彩です。歴史的な遺跡や自然景観は、多くの観光客を惹きつける魅力となっています。バグダッドの国立博物館は、古代文明の遺物を多数所蔵しており、イラクの豊かな文化を理解する上で非常に重要な場所です。

イラクの文化は、長い歴史と多様な民族が交じり合って形成されています。アラブ人、クルド人、アッシリア人、トルクメン人、また他の少数民族も共存しており、それぞれの言語や伝統が色濃く残っています。主な宗教はイスラム教であり、シーア派とスンニ派の二大派閥が存在しますが、宗教の違いが政治や社会に影響を与えることもあります。

経済的には、イラクは石油資源に恵まれており、世界的にも重要な産油国の一つです。石油産業は国の経済を支える柱であり、輸出の大部分を占めています。しかし、近年の政治的な混乱や戦争、テロの影響を受け、経済は厳しい状況にあります。特に2003年のイラク戦争以降、治安の悪化が経済活動にマイナスの影響を及ぼしました。

イラクの近代史は波乱に満ちています。1980年代にはイランとの間で戦争が勃発し、長い年月にわたって国は大きな苦痛を味わいました。その後、1990年代にはクウェート侵攻があり、国際的な制裁を受けることとなります。2003年にはアメリカ主導の連合軍がイラクを攻撃し、サッダーム・フセイン政権を崩壊させました。以降、国家再建の試みが続く中、テロ組織の台頭や宗教対立が深刻な問題となりました。

現在のイラクは、こうした厳しい過去を乗り越え、復興に向けた努力が続いています。国際社会との関係を改善し、安全保障の強化や経済多様化の進展を目指しています。また、若い世代の教育や環境の保護など、持続可能な社会に向けた取り組みも重要な課題として認識されています。

イラク共和国は、古代文明のゆかりを持ちながらも、現代的な課題に直面する国家です。その豊かな文化遺産と、未来への希望を持って、国民は日々の生活を営んでいます。альо