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世界幸福度ランキング2024:フィンランドが7年連続1位、日本は順位を下げ51位に

2024年3月20日、「国際幸福デー」に合わせて、国連の関連機関である持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)が最新の「世界幸福度ランキング」を発表しました。このランキングは、各国の国民がどれだけ自分の人生に満足しているかを測る指標であり、幸福度を国際的な視点で捉えるための重要な指標となっています。

世界幸福度ランキングとは??

世界幸福度ランキングは2012年から始まり、国連総会でのブータンの提案をきっかけに作成されました。このランキングは、経済成長や物質的な豊かさだけでなく、人々の主観的な幸福感を重視することで、より包括的な豊かさの指標を提供することを目的としています。

幸福度の評価は、Gallup社による大規模な世論調査を基に行われ、各国の国民が自らの人生を0から10までの11段階で評価する「カントリルラダー」という手法を採用しています。この調査結果を3年間の平均値でスコア化し、ランキングを作成しています。

2024年のランキング結果:フィンランドがトップ、日本は51位

2024年のランキングでは、北欧諸国が依然として上位を占めました。特に、フィンランドが7年連続で1位を維持。続いて、デンマーク、アイスランド、スウェーデンがトップ4にランクインしています。これらの国々は、政治の透明性、社会的支援の充実、質の高い教育や医療などが高く評価されています。

一方、日本は昨年の47位から51位へと順位を下げました。特に円安の影響が大きく、一人当たりGDPのスコアが低下したことが要因とされています。また、若い世代の幸福度の低さも目立ち、30歳未満では73位とさらに順位を下げています。

順位 国名 全年齢層 30歳未満 30歳-44歳 45歳-59歳 60歳以上
1 フィンランド 1 7 1 1 2
2 デンマーク 2 5 3 4 1
3 アイスランド 3 4 4 2 5
4 スウェーデン 4 18 8 3 4
5 イスラエル 5 2 2 7 18
6 オランダ 6 9 5 5 7
7 ノルウェー 7 20 6 6 3
8 ルクセンブルク 8 6 11 8 12
9 スイス 9 13 9 11 14
10 オーストラリア 10 19 14 10 9
11 ニュージーランド 11 27 18 13 6
12 コスタリカ 12 11 15 23 17
13 クウェート 13 16 20 9 13
14 オーストリア 14 12 17 18 15
15 カナダ 15 58 28 12 8
16 ベルギー 16 24 13 15 19
17 アイルランド 17 21 21 21 16
18 チェコ 18 10 12 22 23
19 リトアニア 19 1 7 20 44
20 イギリス 20 32 27 19 20
21 スロベニア 21 15 10 27 32
22 アラブ首長国連邦 22 35 25 16 11
23 アメリカ合衆国 23 62 42 17 10
24 ドイツ 24 47 16 28 21
25 メキシコ 25 22 19 32 33
26 ウルグアイ 26 30 22 34 24
27 フランス 27 48 23 26 25
28 サウジアラビア 28 42 39 14 27
29 コソボ共和国 29 23 37 33 39
30 シンガポール 30 54 36 25 26
31 中国、台湾 中国省 31 25 35 31 34
32 ルーマニア 32 8 26 35 48
33 エルサルバドル 33 17 38 45 52
34 エストニア 34 44 24 30 35
35 ポーランド 35 43 34 24 40
36 スペイン 36 55 40 29 29
37 セルビア 37 3 29 44 54
38 チリ 38 39 32 42 46
39 パナマ 39 26 43 41 56
40 マルタ 40 57 41 38 31
41 イタリア 41 41 31 39 38
42 グアテマラ 42 49 46 54 49
43 ニカラグア 43 28 53 61 47
44 ブラジル 44 60 44 40 37
45 スロバキア 45 38 33 37 60
46 ラトビア 46 31 30 49 51
47 ウズベキスタン 47 71 62 36 22
48 アルゼンチン 48 34 52 64 45
49 カザフスタン 49 69 48 43 42
50 キプロス 50 51 49 62 57
51 日本 51 73 63 52 36
52 大韓民国 52 52 45 55 59
53 フィリピン 53 70 68 58 43
54 ベトナム 54 65 54 53 69
55 ポルトガル 55 46 50 46 63
56 ハンガリー 56 36 51 48 70
57 パラグアイ 57 37 59 75 83
58 タイ 58 45 69 69 41
59 マレーシア 59 64 66 60 71
60 中国 60 79 67 57 30
61 ホンジュラス 61 56 72 73 58
62 バーレーン 62 77 60 50 61
63 クロアチア 63 14 47 59 80
64 ギリシャ 64 53 58 56 67
65 ボスニア・ヘルツェゴビナ 65 33 65 67 78
66 リビア 66 80 73 51 50
67 ジャマイカ 67 84 61 47 68
68 ペルー 68 63 64 80 73
69 ドミニカ共和国 69 61 70 79 75
70 モーリシャス 70 85 77 63 28
71 モルドバ共和国 71 29 55 66 86
72 ロシア連邦 72 68 57 78 66
73 ボリビア (多民族国家) 73 74 75 77 65
74 エクアドル 74 59 79 89 84
75 キルギスタン 75 81 81 68 55
76 モンテネグロ 76 50 56 70 97
77 モンゴル 77 86 74 65 53
78 コロンビア 78 76 78 71 72
79 ベネズエラ (ボリバル共和国) 79 83 80 83 64
80 インドネシア 80 75 82 84 79
81 ブルガリア 81 40 71 74 90
82 アルメニア 82 72 83 88 88
83 南アフリカ 83 87 84 81 82
84 北マケドニア 84 67 76 85 98
85 アルジェリア 85 93 85 82 62
86 中国、香港特別行政区 86 97 89 72 74
87 アルバニア 87 66 86 97 100
88 タジキスタン 88 89 88 86 87
89 コンゴ 89 88 97 90 85
90 モザンビーク 90 94 87 96 89
91 グルジア 91 78 91 91 91
92 イラク 92 90 96 94 95
93 ネパール 93 92 101 93 76
94 ラオス人民民主共和国 94 104 93 76 77
95 ガボン 95 91 99 100 106
96 コートジボワール 96 100 92 95 96
97 ギニア 97 103 94 99 81
98 トルコ 98 101 98 92 92
99 セネガル 99 99 104 102 111
100 イラン(イスラム共和国) 100 96 100 104 103
101 アゼルバイジャン 101 95 103 103 108
102 ナイジェリア 102 108 95 87 130
103 パレスチナ国 103 102 105 109 99
104 カメルーン 104 106 102 98 107
105 ウクライナ 105 82 90 110 115
106 ナミビア 106 105 106 101 114
107 モロッコ 107 98 108 107 113
108 パキスタン 108 107 109 113 122
109 ニジェール 109 116 110 114 101
110 ブルキナファソ 110 117 107 116 105
111 モーリタニア 111 119 112 106 93
112 ガンビア 112 110 116 115 112
113 チャド 113 120 111 111 94
114 ケニア 114 109 119 123 119
115 チュニジア 115 118 113 108 118
116 ベナン 116 115 117 122 117
117 ウガンダ 117 111 118 124 134
118 ミャンマー 118 122 115 105 102
119 カンボジア 119 112 122 120 110
120 ガーナ 120 121 114 119 125
121 リベリア 121 113 126 127 104
122 マリ 122 125 120 118 116
123 マダガスカル 123 124 123 117 109
124 トーゴ 124 126 121 112 127
125 ヨルダン 125 114 124 130 123
126 インド 126 127 127 121 121
127 エジプト 127 130 125 126 124
128 スリランカ 128 123 128 128 128
129 バングラデシュ 129 128 129 129 120
130 エチオピア 130 131 130 125 131
131 タンザニア連合共和国 131 129 132 131 126
132 コモロ 132 132 139 133 135
133 イエメン 133 135 135 136 129
134 ザンビア 134 136 131 138 142
135 エスワティニ 135 134 134 137 136
136 マラウイ 136 137 140 135 132
137 ボツワナ 137 133 133 140 140
138 ジンバブエ 138 139 138 139 137
139 コンゴ民主共和国 139 140 137 134 139
140 シエラレオネ 140 141 136 132 133
141 レソト 141 138 141 142 138
142 レバノン 142 142 142 141 141
143 アフガニスタン 143 143 143 143 143

フィンランドが幸福度1位を維持する理由

フィンランドが1位であり続ける理由には、以下の要因が挙げられます。

1.政治と社会の信頼性
フィンランドでは、政治の透明性が非常に高く、国民の政府や社会制度への信頼が厚いことが特徴です。この信頼が、社会全体の安定感と安心感を支えています。

2.教育と子育て環境の充実
フィンランドの教育制度は、生徒の個性を尊重し、競争よりも学びの楽しさを重視することで知られています。また、保育や教育はほぼ無料で提供され、家庭と社会が一体となって子育てを支援しています。

3.自然との共生とサステナブルな生活
自然享受権という法律により、国民は自由に自然を楽しむことができる環境が整備されています。これにより、心身の健康が促進され、幸福度の向上に寄与しています。

日本の課題:若い世代の幸福度をどう向上させるか?

日本は、全体の順位が51位と中位に位置する一方で、若い世代の幸福度が特に低いことが指摘されています。これは、長時間労働や経済的不安、社会的孤立などが影響していると考えられます。

また、世界幸福度ランキングの「他人への寛容さ」や「人生選択の自由度」の項目でも、日本は他の上位国に比べて低いスコアを示しています。これらは、社会の多様性や個人の自己実現を促進するための政策や文化的変化が必要であることを示唆しています。

幸福度ランキングの意義と活用

世界幸福度ランキングは、単なる順位ではなく、各国が直面する課題とその改善の可能性を浮き彫りにするものです。例えば、日本が幸福度を向上させるためには、社会的支援の強化や労働環境の改善が求められています。また、若い世代の声を反映させる政策が必要不可欠です。

ランキングを通じて各国の成功事例を学び、自国の政策に反映させることが重要です。同時に、幸福とは個々人の価値観によるものであり、ランキングを鵜呑みにするのではなく、個人や社会が自らの幸福を再定義していくことが求められます。

まとめ

2024年の世界幸福度ランキングは、北欧諸国が引き続き高いスコアを維持し、日本は若い世代の幸福度向上が課題として浮き彫りになりました。このランキングは、国際社会が目指すべき方向性を示すものであり、幸福度を高めるためのヒントを提供してくれます。日本でも、このデータを基に一人ひとりが幸福を追求できる社会を目指すことが期待されています。