ブルキナファソの牛乳生産量は1961年の60,000トンから始まり、2023年には229,848トンに達しています。このデータは国際連合食糧農業機関によるもので、全体的に持続的増加を示しつつも、一部の年には大きな変動があります。特に1990年、2003年、そして2014年には顕著な変化が見られます(1990年の減少、2003年と2014年の急増)。長期的な増加トレンドの背景には、政策、技術改善、あるいは地政学的環境の影響があると考えられます。
ブルキナファソの牛乳生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
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2023年 | 229,848 |
2.05% ↑
|
2022年 | 225,235 |
2.05% ↑
|
2021年 | 220,716 |
2.05% ↑
|
2020年 | 216,287 |
-1.69% ↓
|
2019年 | 220,000 |
4.76% ↑
|
2018年 | 210,000 |
-1.05% ↓
|
2017年 | 212,236 |
2% ↑
|
2016年 | 208,074 |
4.04% ↑
|
2015年 | 200,000 | - |
2014年 | 200,000 |
44.08% ↑
|
2013年 | 138,808 |
2.74% ↑
|
2012年 | 135,107 |
2% ↑
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2011年 | 132,458 |
2% ↑
|
2010年 | 129,861 |
2% ↑
|
2009年 | 127,315 |
2% ↑
|
2008年 | 124,819 |
2% ↑
|
2007年 | 122,372 |
2% ↑
|
2006年 | 119,973 |
2% ↑
|
2005年 | 117,621 |
2% ↑
|
2004年 | 115,315 |
2% ↑
|
2003年 | 113,054 |
46.46% ↑
|
2002年 | 77,189 |
2% ↑
|
2001年 | 75,676 |
2% ↑
|
2000年 | 74,192 |
2% ↑
|
1999年 | 72,737 |
2% ↑
|
1998年 | 71,311 |
2% ↑
|
1997年 | 69,913 |
2% ↑
|
1996年 | 68,543 |
2% ↑
|
1995年 | 67,198 |
1.99% ↑
|
1994年 | 65,884 |
2% ↑
|
1993年 | 64,594 |
1.99% ↑
|
1992年 | 63,332 |
2.01% ↑
|
1991年 | 62,082 |
4.01% ↑
|
1990年 | 59,690 |
-35.62% ↓
|
1989年 | 92,711 |
2% ↑
|
1988年 | 90,894 |
2% ↑
|
1987年 | 89,111 |
2% ↑
|
1986年 | 87,364 |
2% ↑
|
1985年 | 85,651 |
-1.72% ↓
|
1984年 | 87,150 |
2.05% ↑
|
1983年 | 85,400 |
1.91% ↑
|
1982年 | 83,800 |
1.88% ↑
|
1981年 | 82,250 |
1.54% ↑
|
1980年 | 81,000 |
1.25% ↑
|
1979年 | 80,000 |
2.7% ↑
|
1978年 | 77,900 |
2.5% ↑
|
1977年 | 76,000 |
2.7% ↑
|
1976年 | 74,000 |
1.37% ↑
|
1975年 | 73,000 |
2.82% ↑
|
1974年 | 71,000 |
5.97% ↑
|
1973年 | 67,000 |
-6.94% ↓
|
1972年 | 72,000 |
-12.2% ↓
|
1971年 | 82,000 |
-3.53% ↓
|
1970年 | 85,000 |
2.41% ↑
|
1969年 | 83,000 |
2.47% ↑
|
1968年 | 81,000 |
1.25% ↑
|
1967年 | 80,000 |
2.56% ↑
|
1966年 | 78,000 |
1.3% ↑
|
1965年 | 77,000 |
16.67% ↑
|
1964年 | 66,000 |
8.2% ↑
|
1963年 | 61,000 | - |
1962年 | 61,000 |
1.67% ↑
|
1961年 | 60,000 | - |
ブルキナファソの牛乳生産量の推移を見ると、多くの重要なポイントが浮かび上がります。1960年代から2000年代初頭にかけては、緩やかな増加が続いています。1961年の60,000トンが出発点ですが、1970年代後半には約80,000トンへと増加しています。この時期、干ばつや天候の変動が牛乳生産に影響を及ぼした可能性があります。たとえば、1971年から1973年にかけての減少(1971年の82,000トンから1973年の67,000トンへ)は、気候変動の影響を示唆していると考えられます。
特筆すべきは1990年の急減で、87,364トンから59,690トンへと大きく落ち込んでいます。この時期、ブルキナファソは経済的混乱を経験しており、インフラの劣化や資源不足が生産性に影響した可能性があります。しかしその後、再び増加傾向を示し、2003年には113,054トンと急上昇しています。この時期には、農業技術の導入や支援プログラムが強化された可能性が高く、地域的な安定も回復していたと言えます。さらに2014年には200,000トンという急激な増加が記録されています。これには政府主導の生産拡大政策や、国内需要の高まりが関与している可能性があります。
昨今では、2023年の229,848トンという生産量を記録しており、20世紀に比べ大幅な成長を示しています。ただし、近年の伸びは緩やかになっており、2019年から2023年の間ではおよそ9,848トンの増加にとどまっています。これには、生産インフラの限界や気候変動の影響が影を落としている可能性があります。
ブルキナファソが牛乳生産量をさらに向上させるには、いくつかの重要な課題と向き合う必要があります。まず、気候変動の問題は不可避です。同国は多くの地域で乾燥地帯に位置しており、降水量の変動は牧草地の品質に直結します。そのため、牧畜環境の効率化(たとえば、耐乾性の高い牧草の導入や人工灌漑設備の構築)、および乳牛品種の改良が必要不可欠と言えます。
さらに、インフラの整備と供給網の強化も生産拡大の鍵です。小規模な牧畜生産者が多いブルキナファソでは、地域間の道路整備や冷蔵設備が不足しているケースも少なくありません。この問題に対処するためには、国際協力や融資プロジェクトの活用が望ましいでしょう。
また、地域衝突や地政学的リスクの回避も重要です。ブルキナファソは西アフリカの内陸国であり、近年では武装勢力との衝突が報告されています。地域の不安定な状況は、生産および流通に悪影響を与えるだけではなく、牧畜業そのものの継続を脅かす要因ともなります。この問題に対しては、国際社会および地域機関との連携を強化し、平和維持を目的とした取り組みを進めるべきです。
結論として、ブルキナファソの牛乳生産量は過去60年で持続的に増加しており、このことが国内の食料安全保障や経済発展に大きく貢献しています。しかし、将来にわたる成長を確保するためには、気候変動、インフラ整備、地域安全保障といった多岐にわたる課題の解決が重要です。国際連合や地域協力プロジェクトを通じて支援策を講じることで、同国の乳業はさらなる発展を遂げる可能性を秘めています。