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世界の馬飼養数ランキング2023(最新)

FAO(国際連合食糧農業機関)による2023年度の最新データによると、世界の馬飼養数ランキングで最多の馬を飼養している国はメキシコで、6,410,796頭を記録しています。2位はアメリカ(6,347,486頭)、3位はブラジル(5,799,514頭)となっており、これら上位3カ国は馬の飼養数で5,000,000頭以上に達している点が特徴的です。一方、アジアではモンゴル(4,829,688頭)とカザフスタン(3,851,185頭)が高順位に位置しています。対する日本は13,874頭で世界86位となっており、上位国との差が非常に顕著です。

順位 国名 地域 飼養数(頭)
1 メキシコ 南アメリカ 6,410,796
2 アメリカ合衆国 北アメリカ 6,347,486
3 ブラジル 南アメリカ 5,799,514
4 モンゴル アジア 4,829,688
5 カザフスタン アジア 3,851,185
6 中国 アジア 3,590,600
7 アルゼンチン 南アメリカ 2,512,900
8 エチオピア アフリカ 2,288,052
9 チャド アフリカ 1,499,301
10 コロンビア 南アメリカ 1,482,286
11 ロシア連邦 ヨーロッパ 1,310,500
12 キューバ 南アメリカ 904,364
13 イギリス ヨーロッパ 850,000
14 スーダン アフリカ 795,634
15 ペルー 南アメリカ 747,064
16 マリ アフリカ 632,341
17 セネガル アフリカ 584,493
18 キルギスタン アジア 542,527
19 ベネズエラ (ボリバル共和国) 南アメリカ 525,497
20 ボリビア (多民族国家) 南アメリカ 507,862
21 ハイチ 南アメリカ 500,783
22 ドイツ ヨーロッパ 486,500
23 シエラレオネ アフリカ 444,646
24 インドネシア アジア 405,313
25 ウルグアイ 南アメリカ 403,822
26 カナダ 北アメリカ 399,789
27 パキスタン アジア 379,000
28 ドミニカ共和国 南アメリカ 367,721
29 南アフリカ アフリカ 336,112
30 チリ 南アメリカ 292,987
31 オーストラリア オセアニア 279,746
32 ウズベキスタン アジア 275,900
33 ニカラグア 南アメリカ 268,781
34 ニジェール アフリカ 260,870
35 フィリピン アジア 251,035
36 パラグアイ 南アメリカ 222,860
37 インド アジア 218,306
38 ホンジュラス 南アメリカ 182,501
39 モロッコ アフリカ 173,300
40 ウクライナ ヨーロッパ 159,100
41 ポーランド ヨーロッパ 156,519
42 エクアドル 南アメリカ 143,391
43 グアテマラ 南アメリカ 133,587
44 イラン(イスラム共和国) アジア 128,024
45 コスタリカ 南アメリカ 117,568
46 ミャンマー アジア 107,425
47 パナマ 南アメリカ 103,492
48 ナイジェリア アフリカ 103,256
49 エルサルバドル 南アメリカ 98,603
50 オランダ ヨーロッパ 97,301
51 エジプト アフリカ 86,582
52 タジキスタン アジア 84,000
53 モーリタニア アフリカ 67,671
54 トルコ アジア 66,431
55 レソト アフリカ 66,115
56 チュニジア アフリカ 57,137
57 アゼルバイジャン アジア 53,076
58 イラク アジア 49,905
59 アイスランド ヨーロッパ 49,659
60 アルジェリア アフリカ 49,269
61 ベトナム アジア 48,821
62 朝鮮民主主義人民共和国 アジア 48,559
63 スイス ヨーロッパ 48,088
64 フィジー オセアニア 47,679
65 リビア アフリカ 46,648
66 グルジア アジア 42,655
67 ナミビア アフリカ 41,206
68 ノルウェー ヨーロッパ 37,700
69 東ティモール アジア 37,389
70 ハンガリー ヨーロッパ 37,000
71 ラオス人民民主共和国 アジア 32,000
72 カンボジア アジア 31,585
73 ニュージーランド オセアニア 31,184
74 ジンバブエ アフリカ 28,178
75 トルクメニスタン アジア 27,949
76 大韓民国 アジア 27,367
77 アルバニア ヨーロッパ 27,290
78 ブルキナファソ アフリカ 22,368
79 ガンビア アフリカ 22,202
80 ベラルーシ ヨーロッパ 20,200
81 モルドバ共和国 ヨーロッパ 16,268
82 カタール アジア 15,961
83 カメルーン アフリカ 15,656
84 アフガニスタン アジア 15,129
85 セルビア ヨーロッパ 14,520
86 日本 アジア 13,874
87 アルメニア アジア 13,168
88 リトアニア ヨーロッパ 12,301
89 トンガ オセアニア 11,891
90 ニューカレドニア オセアニア 10,691
91 ブータン アジア 10,117
92 北マケドニア ヨーロッパ 10,104
93 ラトビア ヨーロッパ 9,000
94 シリア・アラブ共和国 アジア 8,315
95 タイ アジア 7,230
96 プエルトリコ 南アメリカ 6,230
97 ベリーズ 南アメリカ 6,171
98 ボツワナ アフリカ 5,531
99 サウジアラビア アジア 4,871
100 ジャマイカ 南アメリカ 4,008
101 イスラエル アジア 4,000
102 マレーシア アジア 3,984
103 モンテネグロ ヨーロッパ 3,882
104 ギニア アフリカ 3,666
105 ガーナ アフリカ 3,440
106 レバノン アジア 3,387
107 ボスニア・ヘルツェゴビナ ヨーロッパ 2,937
108 ギニアビサウ アフリカ 2,423
109 ガイアナ 南アメリカ 2,380
110 ヨルダン アジア 2,246
111 フランス領ポリネシア オセアニア 2,200
112 トーゴ アフリカ 2,073
113 パプアニューギニア オセアニア 2,035
114 ケニア アフリカ 2,032
115 サモア オセアニア 1,990
116 イエメン アジア 1,912
117 エスワティニ アフリカ 1,744
118 中国、香港特別行政区 アジア 1,559
119 バヌアツ オセアニア 1,514
120 トリニダード・トバゴ 南アメリカ 1,399
121 バルバドス 南アメリカ 1,235
122 スリランカ アジア 1,222
123 クウェート アジア 1,212
124 ベナン アフリカ 1,180
125 セントルシア 南アメリカ 1,110
126 アンゴラ アフリカ 1,010
127 ソマリア アフリカ 900
128 中国、台湾 中国省 アジア 874
129 カーボベルデ アフリカ 592
130 マダガスカル アフリカ 516
131 アンティグア・バーブーダ 南アメリカ 493
132 アラブ首長国連邦 アジア 446
133 スリナム 南アメリカ 344
134 サントメ・プリンシペ アフリカ 315
135 クック諸島 オセアニア 301
136 マラウイ アフリカ 221
137 ソロモン諸島 オセアニア 151
138 モーリシャス アフリカ 145
139 コンゴ アフリカ 77
140 グレナダ 南アメリカ 30
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このデータは、各国で飼育されている馬の数を示しており、農業、輸送、競馬、肉用、観光需要など、多岐に渡る馬の用途を反映しています。特に上位国であるメキシコ、アメリカ、ブラジルは広大な土地を擁し、競馬やロデオといった馬文化が古くから根付いていることが馬の飼養数の多さにつながっています。この文化的・経済的背景が一因となり、膨大な馬の飼育が可能となっています。

一方で、アジア地域ではモンゴルは独特の遊牧文化により馬が生活の不可欠な要素となっており、人口約330万人に対して約480万頭の馬が飼育されている点は特筆すべきです。これはモンゴルにおける馬の役割が、農耕、移動手段、アイデンティティの象徴といった多目的にわたることを物語っています。また、カザフスタンや中国の馬飼養数も、伝統的な遊牧生活や農業、食肉生産が関連していると考えられます。

他方、日本における飼養数は13,874頭と非常に少なく、世界86位にとどまっています。この背景には、競馬産業以外での馬の利用が現代ではほぼ消失していることや、狭い国土における土地利用の制約、馬肉需要の限定性などが挙げられます。隣国の韓国では27,367頭が飼養されており、日本の約2倍の規模となっていることも改めて注目すべき点です。

このデータはまた、地域的な課題や地政学的背景も示唆しています。馬の飼養数が多い国では広大な牧草地や農地が必要になるため、土地の利用や水資源管理が重要な課題になります。特にエチオピアやチャドのようなアフリカ国では増加する人口圧と気候変動により土地の利用が競合し、牧畜業における課題が深刻化しています。また、紛争地帯では家畜としての馬の利用が妨げられることがあり、地域衝突の影響が飼養パターンに直接影響します。

未来に向けては、馬を効率的かつ持続可能に飼養するための政策が求められます。例えば、飼料生産性向上のための農業技術の普及や、放牧地管理のノウハウ拡充が挙げられます。また、国際協力を通じた気候適応型の牧畜プログラムの策定も効果的でしょう。さらに、馬の役割が限定的になりつつある日本のような先進国では、新たな観光資源としての馬車文化の復興や、地域振興策の一環として馬関連イベントを推進することで価値を再発見する努力が必要です。

結論として、2023年の馬飼養数データは、各国の経済的・文化的背景を反映しており、食糧安全保障や資源管理といった持続可能な視点で馬飼養政策を見直す重要性を浮き彫りにしています。特に気候変動や地政学的リスクに直面している地域では、適切な牧畜管理手法や国際的な支援が今後の安定に向けて欠かせない要素となるでしょう。