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FAO「国際連合食糧農業機関」・最新版
世界の馬飼養は、メキシコ、アメリカ、ブラジルが突出し、続いてモンゴル、カザフスタン、中国が大きな規模を持っています。日本は13,230頭で89位に位置し、近隣の韓国(27,329頭、80位)や中国(3,521,000頭、6位)と比べても小さい水準です。上位国の顔ぶれは、馬が農牧業や物流、食文化、スポーツ産業など複数の用途を持つ地域に多いことを示しており、気候変動や地域紛争による飼料・輸送の不安定化が今後の飼養構造に影響する可能性が高いです。
1961年から2024年までの年度別ランキングを確認できます。
1961年から2024年までの世界の馬飼養数を、国別ランキングでバーチャートレース化しました。
1961年から2024年までの世界の馬飼養数を、国別ランキングでバーチャートレース化しました。
この統計の「馬飼養数」は、各国で飼われている馬の頭数を合計したもので、農業・牧畜の生産基盤、輸送手段、伝統的な生業、競馬や乗馬といった産業活動の厚みを映す指標です。FAOは各国の農業統計などを取りまとめ、食料・農業の実態把握や政策立案に役立てる目的で整備しています。馬は肉や乳の供給だけでなく、耕作補助、観光、文化行事、防災・治安分野の訓練用途などにも関わるため、単なる家畜頭数以上に、地域の暮らしと経済構造を反映します。
上位3か国はメキシコ6,421,075頭、アメリカ6,215,569頭、ブラジル5,702,612頭で、1位と2位の差は205,506頭と僅差です。この規模は、北中南米での広い放牧地、牧場経営、農業補助、スポーツ・レジャー需要が重なって形成されやすい構造を示します。4位モンゴル4,683,233頭、5位カザフスタン4,353,028頭、6位中国3,521,000頭は、草原地帯の放牧や遊牧的な生活様式、国土の広さに支えられた飼養の厚みが背景にあります。たとえばモンゴルはアメリカより約1,532,336頭少ない一方で、人口規模が小さい国としては馬の存在感が非常に大きいことが読み取れます。
地域分布を見ると、南米はブラジルに加えてアルゼンチン2,588,704頭(7位)やコロンビア964,426頭(11位)、ペルー751,041頭(14位)などが続き、農牧業と広域輸送の文脈で馬が残っていることがうかがえます。アフリカはエチオピア2,293,260頭(8位)、チャド1,550,515頭(9位)、スーダン796,418頭(12位)などが上位に入り、機械化が進みにくい地域の移動・物流の補完としての役割に加え、乾燥地での家畜分散飼いというリスク分散の意味合いも含まれます。欧州ではイギリス760,529頭(13位)、フランス289,788頭(30位)、ポーランド157,620頭(39位)などが一定規模を維持し、主にスポーツ、繁殖、観光、趣味・教育といった高付加価値用途が中心になりやすい構造が見えてきます。ここでGDPは「国内総生産」で国の経済規模を表しますが、GDPが大きい国ほど馬が多いとは限らず、用途が農用中心かスポーツ中心か、土地利用や気候条件がどうかで飼養規模が決まることがポイントです。
日本は13,230頭で89位に位置し、韓国27,329頭(80位)の約半分、中国3,521,000頭(6位)の約266分の1です。日本で馬が少ないのは、農業の機械化が早く進み、都市化により飼養スペースが限られ、飼料の多くを輸入に頼るためコスト変動の影響を受けやすいことが大きいです。一方で、競走馬生産や乗馬クラブ、観光、教育分野など、規模は小さくても高品質・高付加価値に強みを持てる余地があります。比較として、同じ先進国でもイギリスは760,529頭で日本の約57倍に達し、馬術文化、牧草地の利用、産業としての裾野の広さが頭数に表れています。
今後の課題は、気候変動、疾病リスク、飼料・エネルギー価格、そして地政学的緊張が、馬の飼養コストと継続性を左右しやすい点です。特に干ばつが増える地域では放牧地の劣化が進み、モンゴルや中央アジアのように放牧依存度が高い地域では、冬季の厳冬や夏季の干ばつが重なると群れの維持が急激に難しくなります。また、ロシア連邦1,322,642頭(10位)やウクライナ144,800頭(41位)を含む周辺では、地域衝突が長期化すると物流網や家畜衛生の監視体制が弱まり、飼料や獣医薬品の確保が滞るリスクが高まります。こうした地政学的リスクは、直接の飼養頭数だけでなく、穀物・飼料の国際価格を通じて、遠く離れた国の飼養コストにも波及し、日本のような輸入依存国では経営圧迫として現れやすいです。
感染症や災害との関係では、新型コロナのような社会的混乱は競馬・観光・イベントの縮小を通じて収益源を細らせ、結果として飼養継続を難しくする側面があります。さらに洪水や山火事などの自然災害は、牧草地の損失や避難・輸送の混乱を引き起こし、家畜の健康管理や繁殖計画を不安定にします。馬は飼養コストが比較的高く、代替用途の確保が難しい場合、ショックが経営に直撃しやすい点が政策上の注意点です。
地域ごとの対策としては、放牧型の国では、草地の回復を前提にした輪換放牧の設計や、干ばつに備える牧草備蓄、衛星データを使った草地劣化の早期検知が有効です。アフリカの一部では、獣医サービスのアクセス改善とワクチン供給網の整備が、死亡率低下と生産性安定に直結します。欧米や欧州のスポーツ・レジャー中心の国では、動物福祉基準の高度化と、移動・競技の国際ルール整備が市場の信頼を支える鍵になります。
日本にとっての具体的な示唆は、頭数を単純に増やすよりも、既存の強みを生かして「維持しながら価値を高める」方向が現実的です。具体策としては、国産飼料の比率を少しでも高めるために飼料用作物の契約栽培や地域内調達を広げ、輸入飼料価格の変動耐性を強めることが重要です。加えて、競走馬生産地や乗馬施設での感染症対策を平時から標準化し、移動時の検疫やトレーサビリティを徹底することで、発生時の経済損失を最小化できます。観光面では、地域の自然公園や農村と連携したホースツーリズムを整備し、馬に関わる雇用を獣医、装蹄、飼養管理、ガイド、教育といった周辺領域まで広げることが、産業基盤の底上げにつながります。
結論として、2024年の馬飼養数は、北中南米の大規模国と、ユーラシア内陸の放牧文化圏が世界の中心を占め、日本は世界的には小規模な位置づけです。この差は、単に経済力ではなく、土地利用、文化、産業構造、飼料条件、そして地政学・気候リスクへの脆弱性の違いを映しています。今後は各国政府と国際機関が、草地管理と飼料安全保障、獣医・検疫体制、災害時の家畜避難と物流確保を一体で進めることが必要です。日本は、飼料調達のリスク分散と衛生管理の強化、地域観光や教育との統合によって、少ない頭数でも持続可能性と国際競争力を高める戦略が求められます。
馬飼養数の上位国を横棒グラフで比較できます。
順位、国名、馬飼養数、地域、関連指標を比較できます。
| 順位 | 国・地域 | 馬飼養数 | 地域 |
|---|---|---|---|
| 1 | 6,421,075頭 | 南アメリカ | |
| 2 | 6,215,569頭 | 北アメリカ | |
| 3 | 5,702,612頭 | 南アメリカ | |
| 4 | 4,683,233頭 | アジア | |
| 5 | 4,353,028頭 | アジア | |
| 6 | 3,521,000頭 | アジア | |
| 7 | 2,588,704頭 | 南アメリカ | |
| 8 | 2,293,260頭 | アフリカ | |
| 9 | 1,550,515頭 | アフリカ | |
| 10 | 1,322,642頭 | ヨーロッパ | |
| 11 | 964,426頭 | 南アメリカ | |
| 12 | 796,418頭 | アフリカ | |
| 13 | 760,529頭 | ヨーロッパ | |
| 14 | 751,041頭 | 南アメリカ | |
| 15 | 644,989頭 | アフリカ | |
| 16 | 598,995頭 | アフリカ | |
| 17 | 570,114頭 | 南アメリカ | |
| 18 | 553,516頭 | アジア | |
| 19 | 524,139頭 | 南アメリカ | |
| 20 | 516,249頭 | 南アメリカ | |
| 21 | 504,950頭 | 南アメリカ | |
| 22 | 444,910頭 | アフリカ | |
| 23 | 410,347頭 | 南アメリカ | |
| 24 | 400,306頭 | 北アメリカ | |
| 25 | 382,000頭 | アジア | |
| 26 | 367,585頭 | 南アメリカ | |
| 27 | 350,930頭 | アジア | |
| 28 | 339,966頭 | アフリカ | |
| 29 | 295,656頭 | 南アメリカ | |
| 30 | 289,788頭 | ヨーロッパ | |
| 31 | 282,793頭 | アジア | |
| 32 | 268,765頭 | アフリカ | |
| 33 | 248,273頭 | アジア | |
| 34 | 228,204頭 | オセアニア | |
| 35 | 223,392頭 | 南アメリカ | |
| 36 | 182,378頭 | 南アメリカ | |
| 37 | 174,515頭 | アジア | |
| 38 | 158,195頭 | アフリカ | |
| 39 | 157,620頭 | ヨーロッパ | |
| 40 | 153,173頭 | 南アメリカ | |
| 41 | 144,800頭 | ヨーロッパ | |
| 42 | 133,195頭 | 南アメリカ | |
| 43 | 127,751頭 | アジア | |
| 44 | 117,653頭 | アジア | |
| 45 | 117,571頭 | 南アメリカ | |
| 46 | 104,092頭 | アフリカ | |
| 47 | 103,000頭 | ヨーロッパ | |
| 48 | 102,460頭 | 南アメリカ | |
| 49 | 102,143頭 | ヨーロッパ | |
| 50 | 98,260頭 | 南アメリカ | |
| 51 | 94,100頭 | ヨーロッパ | |
| 52 | 91,626頭 | アジア | |
| 53 | 89,098頭 | アフリカ | |
| 54 | 73,968頭 | アフリカ | |
| 55 | 70,360頭 | アジア | |
| 56 | 66,358頭 | アフリカ | |
| 57 | 57,197頭 | アフリカ | |
| 58 | 50,860頭 | アフリカ | |
| 59 | 50,000頭 | ヨーロッパ | |
| 60 | 49,640頭 | アジア | |
| 61 | 49,583頭 | アジア | |
| 62 | 48,351頭 | アジア | |
| 63 | 48,006頭 | ヨーロッパ | |
| 64 | 47,707頭 | オセアニア | |
| 65 | 46,676頭 | アフリカ | |
| 66 | 46,406頭 | アジア | |
| 67 | 45,382頭 | ヨーロッパ | |
| 68 | 43,491頭 | アジア | |
| 69 | 40,718頭 | アフリカ | |
| 70 | 40,470頭 | アジア | |
| 71 | 40,000頭 | ヨーロッパ | |
| 72 | 35,980頭 | ヨーロッパ | |
| 73 | 35,215頭 | アジア | |
| 74 | 31,957頭 | アジア | |
| 75 | 31,330頭 | アジア | |
| 76 | 31,184頭 | オセアニア | |
| 77 | 28,573頭 | アフリカ | |
| 78 | 28,160頭 | アフリカ | |
| 79 | 27,624頭 | アジア | |
| 80 | 27,329頭 | アジア | |
| 81 | 24,199頭 | ヨーロッパ | |
| 82 | 20,683頭 | アフリカ | |
| 83 | 18,100頭 | ヨーロッパ | |
| 84 | 16,274頭 | アフリカ | |
| 85 | 15,744頭 | アジア | |
| 86 | 14,897頭 | ヨーロッパ | |
| 87 | 14,849頭 | ヨーロッパ | |
| 88 | 14,100頭 | アジア | |
| 89 | 13,230頭 | アジア | |
| 90 | 12,827頭 | ヨーロッパ | |
| 91 | 11,900頭 | オセアニア | |
| 92 | 10,725頭 | オセアニア | |
| 93 | 10,499頭 | アジア | |
| 94 | 9,100頭 | ヨーロッパ | |
| 95 | 8,262頭 | アジア | |
| 96 | 7,815頭 | ヨーロッパ | |
| 97 | 6,600頭 | アジア | |
| 98 | 6,122頭 | 南アメリカ | |
| 99 | 5,380頭 | ヨーロッパ | |
| 100 | 5,316頭 | アジア | |
| 101 | 4,437頭 | アジア | |
| 102 | 4,285頭 | 南アメリカ | |
| 103 | 4,253頭 | ヨーロッパ | |
| 104 | 4,054頭 | ヨーロッパ | |
| 105 | 4,008頭 | 南アメリカ | |
| 106 | 4,000頭 | アジア | |
| 107 | 3,678頭 | アフリカ | |
| 108 | 3,541頭 | アジア | |
| 109 | 3,468頭 | アフリカ | |
| 110 | 2,572頭 | アフリカ | |
| 111 | 2,416頭 | オセアニア | |
| 112 | 2,406頭 | アフリカ | |
| 113 | 2,340頭 | 南アメリカ | |
| 114 | 2,205頭 | アジア | |
| 115 | 2,200頭 | オセアニア | |
| 116 | 2,105頭 | アフリカ | |
| 117 | 2,036頭 | アフリカ | |
| 118 | 2,033頭 | オセアニア | |
| 119 | 1,954頭 | オセアニア | |
| 120 | 1,756頭 | アフリカ | |
| 121 | 1,697頭 | アジア | |
| 122 | 1,561頭 | アジア | |
| 123 | 1,407頭 | 南アメリカ | |
| 124 | 1,256頭 | アジア | |
| 125 | 1,230頭 | 南アメリカ | |
| 126 | 1,173頭 | アフリカ | |
| 127 | 1,159頭 | アジア | |
| 128 | 1,113頭 | 南アメリカ | |
| 129 | 1,012頭 | アフリカ | |
| 130 | 905頭 | アフリカ | |
| 131 | 873頭 | アジア | |
| 132 | 597頭 | アフリカ | |
| 133 | 520頭 | アフリカ | |
| 134 | 493頭 | 南アメリカ | |
| 135 | 448頭 | アジア | |
| 136 | 344頭 | 南アメリカ | |
| 137 | 314頭 | アフリカ | |
| 138 | 300頭 | オセアニア | |
| 139 | 235頭 | アフリカ | |
| 140 | 151頭 | オセアニア | |
| 141 | 144頭 | アフリカ | |
| 142 | 75頭 | アフリカ | |
| 143 | 30頭 | 南アメリカ |
ランキング指標の意味と注意点を短く整理します。
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