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イラン(イスラム共和国)の馬飼養数推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、イラン(イスラム共和国)の馬飼養数は1961年に462,000頭を記録して以降、長期的に減少傾向にあります。特に1993年のように133,076頭に急落した年もありましたが、その後は比較的安定し、2022年の時点では130,589頭となっています。この数値からは、イランにおける馬の重要性が時代とともに変化し、現在は比較的低い規模での飼養が定着していることがわかります。

年度 飼養数(頭) 増減率
2023年 128,024
-1.96% ↓
2022年 130,589
-0.28% ↓
2021年 130,956
-0.28% ↓
2020年 131,322
0.24% ↑
2019年 131,013
1.17% ↑
2018年 129,492
-1.96% ↓
2017年 132,086
-2.38% ↓
2016年 135,310
-2.38% ↓
2015年 138,611
-0.99% ↓
2014年 140,000 -
2013年 140,000 -
2012年 140,000 -
2011年 140,000 -
2010年 140,000 -
2009年 140,000 -
2008年 140,000 -
2007年 140,000 -
2006年 140,000 -
2005年 140,000 -
2004年 140,000
-6.67% ↓
2003年 150,000 -
2002年 150,000 -
2001年 150,000 -
2000年 150,000
25% ↑
1999年 120,000
-7.69% ↓
1998年 130,000
-13.33% ↓
1997年 150,000 -
1996年 150,000 -
1995年 150,000 -
1994年 150,000
12.72% ↑
1993年 133,076
-33.46% ↓
1992年 200,000
-21.68% ↓
1991年 255,352 -
1990年 255,352
-5.81% ↓
1989年 271,114
74.91% ↑
1988年 155,000
-43.84% ↓
1987年 276,000
-1.08% ↓
1986年 279,000
-1.06% ↓
1985年 282,000
-1.05% ↓
1984年 285,000
-1.04% ↓
1983年 288,000
-1.03% ↓
1982年 291,000
-0.34% ↓
1981年 292,000
-0.34% ↓
1980年 293,000
-0.68% ↓
1979年 295,000
-1.67% ↓
1978年 300,000 -
1977年 300,000 -
1976年 300,000
4.17% ↑
1975年 288,000
-19.1% ↓
1974年 356,000
12.66% ↑
1973年 316,000
7.12% ↑
1972年 295,000
4.61% ↑
1971年 282,000
-6% ↓
1970年 300,000
-3.23% ↓
1969年 310,000
-1.9% ↓
1968年 316,000 -
1967年 316,000
-7.06% ↓
1966年 340,000 -
1965年 340,000 -
1964年 340,000
-9.09% ↓
1963年 374,000
-5.08% ↓
1962年 394,000
-14.72% ↓
1961年 462,000 -

イランの馬飼養数の推移は、同国の農業や社会構造がどのように変化してきたかをよく表しています。1961年に462,000頭という高い飼養数が記録され、その後急激に減少し、2022年には130,589頭と約70%の減少を見せています。この傾向は、イランの社会経済的な変化や技術革新、そして地政学的な要因が複合的に影響した結果として考えられます。

まず、馬の飼養数が多かった1960年代は、農業や運輸において馬が重要な役割を果たした時代でした。しかし、その後の産業化や機械化の進展により、農村部での馬の需要が大幅に減少しました。特に、トラクターや自動車などの機械化が進む中で、馬の利用が減少したことが大きな要因といえます。また、都市化の進展に伴って、耕作地や牧草地の縮小が飼養頭数の減少をさらに後押ししました。

地政学的な影響も無視できません。イランは独自の地理的条件や政治的状況によって、戦争や制裁の影響を受けやすい国です。特に1980年代のイラン・イラク戦争やその後の経済的困難は、農業生産や畜産業に深刻な影響を及ぼしました。1988年に飼養数が155,000頭に減少したのも、これらの影響が直接的な要因として考えられます。

近年では、馬の役割が産業的用途から伝統的・文化的用途にシフトしていることも注目すべき点です。たとえば、乗馬や競技のための馬の飼養、さらには観光産業における活用が見られます。しかし、過去数十年にわたって減少した飼養頭数は停滞傾向にあり、2022年の130,589頭という数値は依然として低水準に留まっています。

イランの地域では、牧草地の管理不足や水資源の枯渇も課題として挙げられます。これらの要因は、馬の飼養に直接的な影響を与えており、効率的な資源管理や環境政策の強化が急務です。また、気候変動による乾燥化や異常気象も畜産業に負の影響を与える可能性が高まっています。

これらの問題に対する提案としては、まず、地域の競技馬生産に焦点を当てた専門的な飼育技術の普及が考えられます。国際的な競技に参加できるような高品質な馬の育成を目指すことで、新たな市場や収入源を得ることが可能です。また、環境政策を強化し、放牧地や水資源の確保を目指す取り組みも必要です。さらに、地域間協力を通じて、近隣諸国との連携を深めることも効果的です。たとえば、イランと同じく乾燥地帯の国々(インドやトルコなど)との技術交流や資源共有が挙げられます。

結論として、イランにおける馬飼養数の減少は、現代社会における農業や畜産業の変化を反映したものです。しかし、伝統的な文化や観光産業の発展により、馬は新たな価値を持つ存在として見直される可能性があります。今後の政策としては、効率的な資源管理、新たな市場開拓、国際協力の推進が重要であり、これが馬の飼養に持続的な発展をもたらす鍵となるでしょう。