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ギニアビサウの馬飼養数推移(1961-2022)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、ギニアビサウの馬飼養数は1961年からほぼ一定で推移していましたが、1980年代初頭に一度減少した後、1987年以降急激に増加し、その後も緩やかな上昇を続けています。2022年には2,484頭とこれまでで最も多い数を記録しています。この増加は、地域の農業活動や社会的要因、経済状況の変化による影響があると考えられます。

年度 飼養数(頭)
2022年 2,484
2021年 2,459
2020年 2,434
2019年 2,408
2018年 2,345
2017年 2,337
2016年 2,329
2015年 2,318
2014年 2,300
2013年 2,300
2012年 2,200
2011年 2,250
2010年 2,200
2009年 2,150
2008年 2,100
2007年 2,050
2006年 2,000
2005年 1,900
2004年 1,850
2003年 1,850
2002年 1,850
2001年 1,850
2000年 1,850
1999年 1,850
1998年 1,850
1997年 1,850
1996年 1,850
1995年 1,850
1994年 1,850
1993年 1,850
1992年 1,850
1991年 1,860
1990年 1,800
1989年 1,800
1988年 1,400
1987年 1,000
1986年 693
1985年 700
1984年 750
1983年 800
1982年 850
1981年 900
1980年 950
1979年 1,000
1978年 1,000
1977年 1,000
1976年 1,000
1975年 1,000
1974年 1,000
1973年 1,000
1972年 1,000
1971年 1,000
1970年 1,000
1969年 1,000
1968年 1,000
1967年 1,000
1966年 1,000
1965年 1,000
1964年 1,000
1963年 1,000
1962年 1,000
1961年 1,000

ギニアビサウにおける馬の飼養数の変遷を見ると、1961年から1979年までの約20年間は1,000頭でほぼ一定でした。しかし、1980年以降、その数値に変化が見られるようになり、1980年代前半には減少し、最小値である1985年の700頭まで落ち込みました。この時期には、ギニアビサウの社会的・経済的動揺が関係していると考えられます。この期間、内政の不安定さや資源の不足が農業や牧畜に負の影響を及ぼした可能性があります。

その後、1987年に1,000頭と急激に回復し、1988年以降は顕著な増加が観察されました。1991年には1,860頭、2000年以降も安定的に1,850頭前後で推移しましたが、2005年以降、再び徐々に上昇傾向が見られます。特に2010年代には毎年ほぼ50頭から100頭の増加が確認され、2022年には2,484頭という記録的な値となりました。

この増加には複数の要因が絡んでいると考えられます。第一に、農業の活性化と地域経済の一部回復が挙げられます。多くの農業従事者にとって、馬は農作業や輸送の中心的な役割を果たしています。経済改善に伴い、馬の飼育が可能になり、増加に寄与したと考えられます。第二に、伝統的な価値観や文化的背景も見逃せません。馬は特定の地域や部族で重要な社会的シンボルとされており、飼育が尊重されています。

また、地政学的背景から影響を考えると、ギニアビサウは隣国からの影響を受けやすい国です。西アフリカでは牧畜が一部地域の主要な産業となっており、馬は農業を補完する重要な資源です。隣国セネガルやギニアとのつながりが強く、特に国境を超えた資源管理や家畜の移動が飼養数推移に影響を与えている可能性があります。

ただし、課題も依然として多く存在します。例えば、持続可能な飼育方法の導入や家畜病の予防策が十分に取られていない地域も見られます。特に、気候変動による水や牧草地の不足、疫病の発生リスクが懸念されています。これには地域的なインフラ整備や家畜福祉活動、国際機関による技術支援が必要不可欠です。

今後、ギニアビサウが直面するべきもう一つの課題は、増加する馬の飼養が環境や農業生産に与える影響です。過剰な飼養は土地の劣化や資源の限界使用につながる可能性があります。このため、効率的な資源利用と環境保全の両立を図る政策を導入する必要があります。また、国際的な支援を受けて家畜管理の技術や知識を向上させ、地域間協力を進めることが重要です。

結論として、ギニアビサウの馬飼養数の増加は、地域経済や農業の改善を反映する一方で、持続可能性や病害対策、そして地政学的リスクへの備えが求められています。具体的には、効率的な飼育と健康管理システムの構築、国際的な技術支援の活用、地域間連携の強化を進めることで、将来への課題に対応していく必要があると考えられます。