ドミニカ共和国の馬飼養数は、1961年の約23万頭から2022年の約36万4953頭に増加しています。データの初期には減少傾向が見られ、1970年代には一時的な変動期を経ました。その後、1980年代以降、持続的な増加を示しています。この長期データから、馬が同国の経済および社会において重要な地位を占めていることが読み取れます。
ドミニカ共和国の馬飼養数推移(1961-2022)
年度 | 飼養数(頭) |
---|---|
2022年 | 364,953 |
2021年 | 363,944 |
2020年 | 362,935 |
2019年 | 362,479 |
2018年 | 361,246 |
2017年 | 359,718 |
2016年 | 358,085 |
2015年 | 356,441 |
2014年 | 355,000 |
2013年 | 355,000 |
2012年 | 352,000 |
2011年 | 350,000 |
2010年 | 350,000 |
2009年 | 350,000 |
2008年 | 350,000 |
2007年 | 350,000 |
2006年 | 347,500 |
2005年 | 345,000 |
2004年 | 342,500 |
2003年 | 342,500 |
2002年 | 342,000 |
2001年 | 340,000 |
2000年 | 330,000 |
1999年 | 330,000 |
1998年 | 330,000 |
1997年 | 329,000 |
1996年 | 329,000 |
1995年 | 329,000 |
1994年 | 329,000 |
1993年 | 329,000 |
1992年 | 320,000 |
1991年 | 320,000 |
1990年 | 315,000 |
1989年 | 310,000 |
1988年 | 310,000 |
1987年 | 300,000 |
1986年 | 300,000 |
1985年 | 299,890 |
1984年 | 250,000 |
1983年 | 204,000 |
1982年 | 204,000 |
1981年 | 204,000 |
1980年 | 204,000 |
1979年 | 203,000 |
1978年 | 203,000 |
1977年 | 202,000 |
1976年 | 202,000 |
1975年 | 201,000 |
1974年 | 200,000 |
1973年 | 178,000 |
1972年 | 180,000 |
1971年 | 182,720 |
1970年 | 180,000 |
1969年 | 190,000 |
1968年 | 200,000 |
1967年 | 200,000 |
1966年 | 203,000 |
1965年 | 205,000 |
1964年 | 208,000 |
1963年 | 210,000 |
1962年 | 213,000 |
1961年 | 230,000 |
1961年以降のドミニカ共和国における馬飼養数の変遷をみると、大きく3つの時期に分けることができます。初期(1961年から1970年頃)において、馬の飼養数は減少を続け、特に1960年代末から1970年にかけて、飼養頭数が最大で約5万頭減少しました。この減少の要因として、農業機械化の進展や社会経済構造の変化が考えられます。当時、多くの開発途上国で農業の近代化が進められていた中、馬を利用した労働集約型の農業が縮小しつつあった現象が関連している可能性があります。
1970年代から1980年代半ばにかけては、馬飼養数が安定的な推移を見せ、一部で増加傾向が確認されました。例えば、1984年には約25万頭に達し、その翌年には約30万頭近くまで増加しています。この変化は、農業の一部回帰や観光業の発展を背景に、馬が観光資源や娯楽手段として再評価されたことが要因に含まれそうです。
1980年代後半以降、馬の飼養数は持続的な増加基調に入りました。特に2000年代以降には顕著な増加が見られ、2022年には約36万4953頭に到達しています。この成長は国内経済の安定や観光業の拡大、馬術文化の普及などと関係していると考えられます。さらに、ドミニカ共和国は特に観光業が主要な産業であり、美しい自然環境を活かした乗馬体験や観光事業が多くの外国人旅行者から支持を得ており、その需要に応じて馬飼養頭数が増加していると言えます。
ただし、頭数の増加に伴い、適切な管理や衛生対策が欠かせません。特に、馬の健康管理や栄養状況の改善は重要な課題です。また、馬産業の発展のためには、国内での駆け引きに優れた育成支援プログラムや、観光地での乗馬の安全性向上を図る取り組みを進めるべきでしょう。
さらに、地政学的な背景にも触れると、中南米諸国では一部の伝統産業が依然として重要な役割を担っています。例えば、ブラジルやメキシコなどでは馬術大会や展示会が盛んであり、この分野での競争が激化しています。ドミニカ共和国はこうした競争の中で、独自の観光サービスの付加価値を高めることが重要課題として挙げられます。
また、パンデミック(新型コロナウイルス感染症)は一部の観光需要に打撃を与えた可能性がありますが、長期的には馬を活用したアウトドア活動が社会的に評価される契機ともなります。そのため、新たな観光需要を取り込みつつ、持続可能な飼養環境を整備する必要があります。
結論として、ドミニカ共和国の馬飼養数は過去数十年にわたり増加を続けており、観光や娯楽産業の成長を支える重要な基盤となっています。今後は、国際観光市場における競争力を高めるための施策に加え、動物福祉や環境保護の観点を含めた総合的な馬産業の発展を目指すことが求められるでしょう。これを通じて、同国独自の文化的魅力をさらに強化できる可能性があります。