世界の羊飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）のデータによると、2013年度における世界の羊の飼養数ランキング1位は中国で、約1億5,277万匹飼育されていました。2位はオーストラリア（約7,555万匹）、3位はインド（約6,380万匹）でした。一方で、日本は154位で、飼養数は僅か13,000匹にとどまっています。全体的に羊飼養数はアジア、中東、アフリカ諸国に偏っており、多くの国で地域経済や食糧事情に大きな影響を与えています。

順位	国名	地域	飼養数(匹)
1	中国	アジア	152,777,000
2	オーストラリア	オセアニア	75,547,848
3	インド	アジア	63,800,000
4	イラン（イスラム共和国）	アジア	45,430,000
5	ナイジェリア	アフリカ	40,318,809
6	スーダン	アフリカ	39,568,000
7	イギリス	ヨーロッパ	32,856,000
8	ニュージーランド	オセアニア	30,786,761
9	パキスタン	アジア	28,755,000
10	トルコ	アジア	27,425,232
11	エチオピア	アフリカ	27,347,933
12	アルジェリア	アフリカ	26,572,980
13	南アフリカ	アフリカ	24,527,671
14	チャド	アフリカ	22,697,000
15	ロシア連邦	ヨーロッパ	22,061,282
16	モンゴル	アジア	20,066,428
17	モロッコ	アフリカ	18,979,704
18	シリア・アラブ共和国	アジア	18,018,686
19	ブラジル	南アメリカ	17,290,519
20	ケニア	アフリカ	16,600,911
21	スペイン	ヨーロッパ	16,118,590
22	南スーダン	アフリカ	16,000,000
23	カザフスタン	アジア	15,137,217
24	インドネシア	アジア	14,925,898
25	アルゼンチン	南アメリカ	14,574,880
26	ウズベキスタン	アジア	14,161,500
27	トルクメニスタン	アジア	14,000,000
28	アフガニスタン	アジア	13,141,000
29	マリ	アフリカ	13,081,448
30	ペルー	南アメリカ	12,434,352
31	ソマリア	アフリカ	12,300,000
32	サウジアラビア	アジア	11,500,000
33	ニジェール	アフリカ	10,732,453
34	モーリタニア	アフリカ	10,073,318
35	イエメン	アジア	9,551,311
36	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	9,287,895
37	ブルキナファソ	アフリカ	9,007,585
38	ルーマニア	ヨーロッパ	8,833,830
39	ギリシャ	ヨーロッパ	8,778,430
40	メキシコ	南アメリカ	8,497,347
41	ウルグアイ	南アメリカ	8,190,000
42	アゼルバイジャン	アジア	7,924,600
43	タンザニア連合共和国	アフリカ	7,656,250
44	フランス	ヨーロッパ	7,239,057
45	リビア	アフリカ	7,200,000
46	イタリア	ヨーロッパ	7,181,828
47	チュニジア	アフリカ	6,855,520
48	イラク	アジア	6,515,825
49	セネガル	アフリカ	6,081,341
50	エジプト	アフリカ	5,564,117
51	アメリカ合衆国	北アメリカ	5,360,000
52	アイルランド	ヨーロッパ	5,007,000
53	キルギスタン	アジア	4,680,823
54	ガーナ	アフリカ	4,156,000
55	チリ	南アメリカ	3,401,700
56	タジキスタン	アジア	3,097,496
57	カメルーン	アフリカ	2,952,624
58	ヨルダン	アジア	2,311,149
59	エリトリア	アフリカ	2,300,000
60	ノルウェー	ヨーロッパ	2,273,941
61	トーゴ	アフリカ	2,200,000
62	ギニア	アフリカ	2,194,061
63	ナミビア	アフリカ	2,188,758
64	アラブ首長国連邦	アジア	2,082,926
65	ポルトガル	ヨーロッパ	2,074,000
66	キューバ	南アメリカ	2,035,000
67	ウガンダ	アフリカ	1,968,000
68	バングラデシュ	アジア	1,900,000
69	ドイツ	ヨーロッパ	1,893,300
70	アルバニア	ヨーロッパ	1,855,513
71	コートジボワール	アフリカ	1,725,207
72	セルビア	ヨーロッパ	1,616,219
73	レソト	アフリカ	1,410,013
74	ブルガリア	ヨーロッパ	1,361,545
75	ハンガリー	ヨーロッパ	1,185,000
76	ウクライナ	ヨーロッパ	1,073,400
77	アンゴラ	アフリカ	1,065,019
78	オランダ	ヨーロッパ	1,033,570
79	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	1,019,782
80	ミャンマー	アジア	1,016,461
81	コンゴ民主共和国	アフリカ	906,794
82	カナダ	北アメリカ	892,900
83	ベナン	アフリカ	860,000
84	シエラレオネ	アフリカ	851,101
85	マダガスカル	アフリカ	839,000
86	ネパール	アジア	809,536
87	ルワンダ	アフリカ	798,638
88	エクアドル	南アメリカ	739,475
89	北マケドニア	ヨーロッパ	731,828
90	パレスチナ国	アジア	730,894
91	コロンビア	南アメリカ	701,884
92	モルドバ共和国	ヨーロッパ	695,093
93	グルジア	アジア	688,200
94	アルメニア	アジア	645,711
95	クロアチア	ヨーロッパ	619,852
96	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	599,842
97	グアテマラ	南アメリカ	581,500
98	スウェーデン	ヨーロッパ	576,769
99	オマーン	アジア	548,231
100	イスラエル	アジア	540,000
101	クウェート	アジア	516,727
102	ギニアビサウ	アフリカ	470,000
103	ジブチ	アフリカ	470,000
104	アイスランド	ヨーロッパ	463,807
105	レバノン	アジア	450,000
106	パラグアイ	南アメリカ	448,489
107	スロバキア	ヨーロッパ	409,569
108	スイス	ヨーロッパ	409,493
109	中央アフリカ共和国	アフリカ	400,000
110	カタール	アジア	399,776
111	オーストリア	ヨーロッパ	364,645
112	ジンバブエ	アフリカ	320,000
113	キプロス	アジア	313,458
114	ブルンジ	アフリカ	294,620
115	リベリア	アフリカ	275,000
116	ボツワナ	アフリカ	274,357
117	マラウイ	アフリカ	255,928
118	ポーランド	ヨーロッパ	249,481
119	ドミニカ共和国	南アメリカ	248,000
120	モザンビーク	アフリカ	247,000
121	ザンビア	アフリカ	240,000
122	チェコ	ヨーロッパ	220,521
123	ガボン	アフリカ	210,000
124	モンテネグロ	ヨーロッパ	207,047
125	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	168,000
126	ハイチ	南アメリカ	154,500
127	デンマーク	ヨーロッパ	151,300
128	マレーシア	アジア	141,918
129	フィンランド	ヨーロッパ	135,546
130	ガイアナ	南アメリカ	132,000
131	コンゴ	アフリカ	122,000
132	ベルギー	ヨーロッパ	114,407
133	スロベニア	ヨーロッパ	114,152
134	ガンビア	アフリカ	110,000
135	ラトビア	ヨーロッパ	83,600
136	リトアニア	ヨーロッパ	82,752
137	エストニア	ヨーロッパ	76,800
138	フェロー諸島	ヨーロッパ	70,000
139	東ティモール	アジア	68,767
140	ベラルーシ	ヨーロッパ	62,500
141	タイ	アジア	42,040
142	バーレーン	アジア	40,000
143	赤道ギニア	アフリカ	40,000
144	エスワティニ	アフリカ	36,000
145	フィリピン	アジア	30,000
146	コモロ	アフリカ	24,000
147	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	21,117
148	フィジー	オセアニア	18,603
149	ホンジュラス	南アメリカ	16,000
150	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	14,000
151	バルバドス	南アメリカ	13,200
152	ベリーズ	南アメリカ	13,200
153	グレナダ	南アメリカ	13,200
154	日本	アジア	13,000
155	カーボベルデ	アフリカ	11,599
156	プエルトリコ	南アメリカ	11,432
157	マルタ	ヨーロッパ	10,930
158	ブータン	アジア	9,917
159	スリランカ	アジア	9,480
160	セントルシア	南アメリカ	8,932
161	ルクセンブルク	ヨーロッパ	8,582
162	ドミニカ	南アメリカ	7,900
163	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	7,314
164	パプアニューギニア	オセアニア	7,300
165	バハマ	南アメリカ	6,600
166	ニカラグア	南アメリカ	6,300
167	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	6,200
168	スリナム	南アメリカ	5,977
169	エルサルバドル	南アメリカ	5,300
170	ブルネイ ダルサラーム	アジア	4,000
171	サントメ・プリンシペ	アフリカ	3,200
172	コスタリカ	南アメリカ	2,850
173	大韓民国	アジア	2,522
174	モーリシャス	アフリカ	2,510
175	ニューカレドニア	オセアニア	2,350
176	ジャマイカ	南アメリカ	1,339
177	フランス領ポリネシア	オセアニア	440
178	中国、台湾 中国省	アジア	220
179	中国、香港特別行政区	アジア	20
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2013年度の世界の羊飼養数データを見ると、中国が他国を大きく引き離して1位に位置しており、驚異的な約1億5,277万匹の羊を飼育していることがわかります。この数は2位のオーストラリア（約7,555万匹）の倍以上に相当します。中国の大規模な牧畜業は、広大な国土を有効活用しており、特に内モンゴル自治区や新疆ウイグル自治区といった牧畜が行いやすい地域が中心となっています。また、羊肉や羊毛といった製品は国内需要と輸出の両方で重要な役割を果たしており、経済的な安定にも寄与しています。

次いで2位はオーストラリアで、羊毛産業を中心とした生産が世界的にも有名です。オーストラリアは広大な牧草地を持ち、高品質な羊毛の輸出で知られています。一方、インド（約6,380万匹）は3位となっており、農村部における羊の育成が主要な生活基盤の一部です。インドは広大な農地を持ちながらも、中小規模の飼育が多いことが特徴です。中東地域ではイランやトルコが高い順位に入っており、羊肉を使った伝統的な食文化や経済において重要な役割を果たしています。アフリカではナイジェリアやスーダンが上位にランクインし、これらの国々では牧畜が地域住民の主要な生計手段となっています。

一方、日本の羊飼養数は非常に少なく、13,000匹で154位となっています。日本は農地面積が限られており、家畜全般の飼養数では世界的に低い水準になります。また、消費者の食生活においても牛肉や豚肉、魚介類が中心で、羊肉の需要が比較的少ないことがこの状況に寄与しています。しかし、日本国内でも近年は多様な食文化への関心が高まり、ジンギスカン料理などで羊肉の需要が増加しているため、今後の飼育数の増加が期待されます。しかし、農業従事者の高齢化やコスト面の課題を克服する必要があります。

データ全体を見ると、羊飼養数が多い地域は乾燥地帯や半乾燥地帯が多く、これは羊が水や栄養面で比較的耐性が高い動物だからです。このため、牧草地が限定的な地域でも飼育が可能となり、特にアフリカや中東で広く普及しています。しかしながら、これらの地域では干ばつや砂漠化などの環境課題が進行しており、その結果として飼育数や牧畜関連産業に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、スーダンやチャドのような国々では、気候変動への適応策を講じない限り、牧畜業自体の存続が難しくなる恐れがあります。

さらに地政学的背景として、紛争地域では牧畜業が直撃を受けるケースがあります。シリアやイエメンでは長引く内戦により牧草地の荒廃や輸送の停滞が深刻化しており、これにより飼養数が減少しています。このような状況を踏まえると、安定した牧畜業の発展には、地域内の平和が不可欠であることがわかります。このような課題に対処するためには、各国政府や国際機関による援助と支援が必要です。例えば、牧草地の管理を向上させるための技術提供、水資源確保のためのインフラ整備、気候変動の影響を緩和するための国際協力が求められます。

将来に向けた具体的な改善策としては、持続可能な牧草地管理の導入や遺伝学を活用した生産効率の向上が挙げられます。乾燥地帯では、塩分耐性のある牧草の育成や、スマート農業による水管理が有効です。また、食糧支援プログラムの一環で羊乳や羊肉の貿易振興を進め、経済基盤を強化することも重要です。加えて、現地住民や牧畜民への教育や技術トレーニングを拡充することで、長期的な安定を図ることができます。

結論として、2013年度のランキングからは、世界の羊飼養数が地理的条件や経済事情、文化的背景によって大きく左右されていることがわかります。これに基づき、今後は地域ごとの特性に応じた政策や対策を講じることで、牧畜業を持続可能で安定した事業として発展させることが可能です。日本においても、地域資源を活用した小規模な牧畜業や観光連携型の牧畜の可能性を探ることで限定的ながらも新しい経済的価値を生み出すことが期待されます。