基本情報
遺跡名称 | チャン・アン複合景観 |
遺跡名称(英語) | Trang An Landscape Complex |
国名 | ベトナム |
登録区分 | 複合遺産 |
登録基準(登録基準とは) | (v)(vii)(viii) |
世界遺産登録年 | 2014年 |
資産面積 | 6226ha |
世界遺産「チャン・アン複合景観」の登録理由や特徴について
トランアン景観複合体(Trang An Landscape Complex)は、ベトナムの紅河デルタの南端近くに位置する、幻想的な景観を持つ地域です。この地域は、石灰岩のカルスト峰が立ち並び、深い谷が数多く点在しています。多くの谷は部分的に水に浸り、急峻でほぼ垂直な崖に囲まれています。トランアンの洞窟を様々な高度で探検した結果、30,000年以上にわたる人類の活動の痕跡が発見されました。これらの証拠は、季節的な狩猟採集生活を送っていた人々がどのように環境の変化に適応してきたか、特に最後の氷河期以降の海による浸水の影響を受けてきた様子を示しています。
人類の居住の歴史は、新石器時代や青銅器時代を経て歴史時代にまで続いています。特に10世紀から11世紀にかけて、ベトナムの古代首都ホアロー(Hoa Lu)がここに戦略的に設立されました。この地域には、古い神社、寺院、仏教の塔(パゴダ)、田んぼ、そして小さな村々も点在しています。これらの文化的要素は、トランアンの自然環境と深く結びついており、その美しさや歴史が地域を独特なものにしています。
トランアンの風景は、その地質学的特異性からも注目されています。地元の人々は、この地域の石灰岩の山々を利用してきました。水路のネットワークは、土地の灌漑システムと結びついており、農業や漁業に於いても重要な役割を果たしています。これにより、地元の人々の生活は豊かに保たれています。
また、トランアン景観複合体は、その生物多様性も大きな魅力の一つです。この地域には、珍しい動植物が多く生息しており、訪れる人々は自然の美しさを満喫することができます。エコツーリズムが盛んになっている現在、訪問者はカヤックを漕ぎながらその壮大な景観を楽しむことができ、多くの観光客がこの地域の魅力に引き寄せられています。
トランアン景観複合体は、ユネスコの世界遺産にも登録されており、その貴重な自然環境と文化的遺産は、保護と保存が求められています。このエリアを訪れる際は、その持続可能な観光を心掛け、地域の自然と文化を大切にすることが重要です。トランアンは、美しい自然の中で歴史を感じることができる特別な場所であり、多くの人々にとって忘れられない体験を提供してくれることでしょう。
「チャン・アン複合景観」はどこにある?