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東ティモールの羊飼養数推移(1961-2022)

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、東ティモールの羊の飼養数は長期的に見ると変動が激しく、特に1970年代後半から1980年台前半にかけて大きく減少しました。一時期は11,200匹まで減少しましたが、1990年代にかけて徐々に回復しました。その後、2013年に68,767匹に達した後、再び急激な減少を見せ、2019年には24,118匹にまで落ち込む一方で、2020年以降は回復基調にあり、2022年には43,363匹に達しています。この変動には政治的、地理的、経済的要因が深く関係していると考えられます。

年度 飼養数(匹)
2022年 43,363
2021年 38,628
2020年 32,286
2019年 24,118
2018年 27,933
2017年 32,243
2016年 34,919
2015年 40,498
2014年 69,001
2013年 68,767
2012年 58,278
2011年 49,388
2010年 41,854
2009年 41,909
2008年 41,298
2007年 40,688
2006年 40,087
2005年 39,495
2004年 38,965
2003年 34,000
2002年 29,000
2001年 23,728
2000年 25,500
1999年 30,000
1998年 33,965
1997年 32,929
1996年 32,442
1995年 31,709
1994年 30,993
1993年 32,407
1992年 33,393
1991年 32,579
1990年 31,110
1989年 30,500
1988年 28,777
1987年 28,309
1986年 28,082
1985年 27,536
1984年 25,000
1983年 22,000
1982年 20,000
1981年 15,000
1980年 11,200
1979年 15,000
1978年 20,000
1977年 25,000
1976年 27,700
1975年 35,000
1974年 41,672
1973年 45,991
1972年 48,858
1971年 43,033
1970年 38,920
1969年 33,081
1968年 41,850
1967年 54,005
1966年 57,271
1965年 59,291
1964年 47,760
1963年 45,116
1962年 42,906
1961年 41,987

東ティモールの羊の飼養数推移は、同国の地政学的・社会経済的背景を反映したものと見られます。1960年代には徐々に羊の飼養数が増加していましたが、1970年代中盤以降、インドネシアによる併合や紛争などの地政学的リスクが羊飼育に与える影響が大きかったと考えられます。この時期、飼養数は1968年の41,850匹から1980年には11,200匹まで減少しています。この急激な減少には、紛争の影響による農業・牧畜基盤の崩壊が大きく影響している可能性があります。

その後、東ティモールが2002年に独立したことで安定期を迎え、飼育環境の改善が進むとともに、飼養数は再び増加傾向を示しました。特に2013年には68,767匹とピークに達し、これまでの最も高い数値を記録しています。しかしながら、2015年以降は変動が大きく、2022年には43,363匹に留まっています。この変動には、気候変動の影響で起こる自然災害や餌不足、新型コロナウイルス感染症による物流の制限、さらにはインフラ整備の遅れなどが関連していると考えられます。

東ティモールの羊飼養は国の食糧保障や経済基盤において重要な役割を果たしており、持続可能な管理が求められます。気候変動による干ばつや洪水、また羊の健康状態への管理が不十分だと、生産性の低下に繋がってしまいます。さらに、国内市場の需要と供給の不均衡や輸送・流通の弱体性も問題とされています。

これら課題に対して、国や国際機関が取り組むべき対策は多岐にわたります。具体的には、家畜管理の近代化と効率化を進めるための技術支援や、牧草地管理の改善、灌漑設備の整備が求められます。また、若年層を対象にした農業や畜産に関する教育・訓練プログラムの実施も必要です。さらに、気候変動に適応するための災害対策強化や、外部市場への輸出拡大を目指した国際協力の枠組みも有効であると考えられます。

東ティモールの羊飼養数推移のデータは単なる数値の変化を示すものではなく、国の政治的・社会経済的な状況や自然環境の影響を理解する指標となります。このデータに基づき持続可能な畜産業を目指した政策を推進し、将来的には安定した食糧自立を達成するための努力が期待されます。