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ギニアビサウの羊飼養数推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が2024年7月に更新したデータによると、ギニアビサウの羊飼養数は1961年の115,000匹から2022年には約485,000匹に達しました。この60年余りの間におよそ4倍以上に増加しており、特に2000年以降の増加ペースが顕著です。2009年以降は飼養数が40万匹を突破し、2018年以降は緩やかな増加を続けています。このデータは、同国の畜産業が持つ可能性や課題を示す重要な指標として注目されています。

年度 飼養数(匹) 増減率
2023年 483,895
-0.25% ↓
2022年 485,107
0.39% ↑
2021年 483,242
0.4% ↑
2020年 481,332
0.02% ↑
2019年 481,215
1.63% ↑
2018年 473,479
0.12% ↑
2017年 472,913
0.11% ↑
2016年 472,379
0.09% ↑
2015年 471,940
-0.01% ↓
2014年 472,000
0.43% ↑
2013年 470,000
2.17% ↑
2012年 460,000 -
2011年 460,000
1.38% ↑
2010年 453,760
8.04% ↑
2009年 420,000
8.04% ↑
2008年 388,750
8.54% ↑
2007年 358,160
8.53% ↑
2006年 330,000
10% ↑
2005年 300,000
3.45% ↑
2004年 290,000 -
2003年 290,000
1.75% ↑
2002年 285,000 -
2001年 285,000
1.79% ↑
2000年 280,000
-1.75% ↓
1999年 285,000
1.79% ↑
1998年 280,000
1.82% ↑
1997年 275,000
1.85% ↑
1996年 270,000
1.89% ↑
1995年 265,000
1.92% ↑
1994年 260,000
1.96% ↑
1993年 255,000
2% ↑
1992年 250,000
2.04% ↑
1991年 245,000
1.16% ↑
1990年 242,179
5.3% ↑
1989年 230,000
4.55% ↑
1988年 220,000
4.76% ↑
1987年 210,000
4.79% ↑
1986年 200,400
2.77% ↑
1985年 195,000
1.04% ↑
1984年 193,000
1.58% ↑
1983年 190,000
1.6% ↑
1982年 187,000
2.19% ↑
1981年 183,000
2.81% ↑
1980年 178,000
4.09% ↑
1979年 171,000
4.91% ↑
1978年 163,000
5.84% ↑
1977年 154,000
5.48% ↑
1976年 146,000
5.8% ↑
1975年 138,000
3.76% ↑
1974年 133,000
3.1% ↑
1973年 129,000
4.03% ↑
1972年 124,000
3.33% ↑
1971年 120,000
4.35% ↑
1970年 115,000 -
1969年 115,000 -
1968年 115,000 -
1967年 115,000 -
1966年 115,000 -
1965年 115,000 -
1964年 115,000 -
1963年 115,000 -
1962年 115,000 -
1961年 115,000 -

ギニアビサウの羊の飼養数は、長期的に安定した増加傾向を示しており、特に1970年代から2000年代初頭にかけて顕著な伸びを記録しました。この増加は、同国内における家畜需要の高まりや農村部を中心とした畜産業の拡充を反映しています。1961年から1990年までの間、羊の飼養数はほぼ20万匹を突破するまで緩やかに増加しましたが、1990年代には年間約1万匹ずつ上昇するペースを見せました。そして、2000年以降は一段と急速な増加が確認されており、2006年には前年を大きく上回る30万匹、2009年にはその1.4倍の42万匹という躍進を遂げました。

一方、2010年以降は増加ペースが次第に緩やかになり、2022年時点ではおよそ48.5万匹に到達しています。このように、近年の羊飼養数の伸び率は鈍化傾向にあり、市場の需要飽和や新しい増加要因の欠如が影響を与えている可能性が考えられます。

地域の特性や地政学的背景を考えると、羊の飼養数への影響を及ぼす要因は多岐にわたります。まず、ギニアビサウは農村人口の割合が高い国であり、羊はその生活において食用肉や乳製品の供給源として非常に重要な役割を果たしています。また、近隣諸国との交易も同国内の畜産経済に貢献しています。ただし、内陸部へのアクセスの悪さやインフラ未整備などの課題は、生産性や輸出能力を抑制する一因ともなっています。さらに、気候変動や干ばつといった環境的リスクも影響し得る要素であり、地域の畜産業に不安定要因をもたらしています。

特に注目すべきは、2006年以降に見られた急激な飼養数の伸びです。この期間の背景には、外部からの畜産支援事業や技術導入の推進、家畜購入支援などのプログラムが実施された可能性が考えられます。同時に、国内の人口増加や食品需要の拡大が羊の飼養の増加を後押ししたと推測されます。ただし、この期間には地域の不安定要因や感染症の流行といった困難もあり、そういった影響が成長を抑える場面も見られた可能性があります。

将来的には、飼養数をさらに増加させながら効率的な畜産業を構築することが重要です。例えば、羊の健康や繁殖力を向上させるための獣医学的支援を強化すること、農村のインフラを整備し流通システムを向上させることなどが挙げられます。また、地域内外での市場拡大を図るべく、品質管理の徹底やブランド化といった取り組みを進めることも重要です。一方で、気候変動に対応したサステナブルな畜産モデルの導入も長期的な課題となります。国際協力の枠組みを活用しながら、こうした取り組みを地道に進めることで、ギニアビサウの羊飼養業のさらなる発展が期待できます。

このように、ギニアビサウは羊飼養数の増加という成功例を築く一方で、気候や地政学的要因などが今後の持続可能な発展に影響を及ぼす可能性があります。国際的な支援の促進とともに、国内政策の強化を図る必要があります。