国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、ドミニカ共和国における羊の飼養数は、1961年の36,000匹から2022年には260,130匹にまで増加しました。この期間には大きな増減が見られる年がありますが、全体的には持続的な増加傾向が続いています。特に1980年代以降には急激な増加が観測され、2004年以降にはさらに大幅な増加に転じています。
ドミニカ共和国の羊飼養数推移(1961-2022)
年度 | 飼養数(匹) |
---|---|
2022年 | 260,130 |
2021年 | 258,820 |
2020年 | 257,509 |
2019年 | 259,084 |
2018年 | 251,494 |
2017年 | 250,000 |
2016年 | 249,000 |
2015年 | 250,000 |
2014年 | 250,000 |
2013年 | 248,000 |
2012年 | 246,500 |
2011年 | 245,000 |
2010年 | 240,000 |
2009年 | 238,500 |
2008年 | 246,000 |
2007年 | 246,000 |
2006年 | 247,200 |
2005年 | 253,400 |
2004年 | 187,800 |
2003年 | 122,000 |
2002年 | 121,272 |
2001年 | 105,999 |
2000年 | 105,454 |
1999年 | 105,454 |
1998年 | 135,000 |
1997年 | 135,000 |
1996年 | 135,000 |
1995年 | 135,000 |
1994年 | 130,000 |
1993年 | 126,000 |
1992年 | 122,000 |
1991年 | 120,000 |
1990年 | 115,000 |
1989年 | 110,000 |
1988年 | 100,000 |
1987年 | 95,000 |
1986年 | 88,000 |
1985年 | 86,350 |
1984年 | 80,000 |
1983年 | 76,351 |
1982年 | 74,950 |
1981年 | 72,000 |
1980年 | 68,580 |
1979年 | 53,000 |
1978年 | 52,000 |
1977年 | 52,000 |
1976年 | 51,000 |
1975年 | 50,000 |
1974年 | 49,000 |
1973年 | 48,000 |
1972年 | 47,000 |
1971年 | 46,200 |
1970年 | 45,000 |
1969年 | 44,000 |
1968年 | 43,000 |
1967年 | 42,000 |
1966年 | 41,000 |
1965年 | 40,000 |
1964年 | 39,000 |
1963年 | 38,000 |
1962年 | 37,000 |
1961年 | 36,000 |
ドミニカ共和国の羊飼養数の推移を見ると、全体的な増加傾向が顕著ですが、一部では重要な変化が見られるポイントがあります。まず、1961年から1979年までは緩やかな増加を示し、年間1,000匹程度の成長が観測されました。この時期は農村部での生活様式や農業経済環境に大きな変化がなかったことが影響していると考えられます。
1980年から1990年代にかけては羊の飼養数が急速に増加しています。1980年には68,580匹であった数が、1990年までに115,000匹、さらには1995年には135,000匹にまで増えています。この急成長には、人口増加と都市部での羊肉需要の拡大が影響を与えた可能性があります。また、ドミニカ共和国政府が農業支援政策の一環として畜産業を奨励したことも寄与したと見られます。この期間には、輸出需要の拡大や国内市場の経済成長に伴う消費パターンの変化も絡んでいると考えられます。
2000年代初頭には一時的に105,000匹付近で横ばいが見られますが、2004年に187,800匹、そして2005年には253,400匹という劇的な増加が記録されています。この大幅な拡大は、特に地域経済の安定化や牧畜技術の進展が背景にあると考えられます。ただし、この後の2007年から2009年には、いったん飼養数が減少し、再び安定期に入ります。この短期的な減少の理由としては、2008年の世界的な金融危機や地域的な自然災害が与えた影響が考えられます。
最近では、2020年以降のコロナ禍が世界的に畜産業へ影響を与えたことも見逃せません。ドミニカ共和国においても2020年の257,509匹から若干減少した年もある一方で、2022年には過去最高の260,130匹へと回復を見せています。この増加は、パンデミック後の経済活動の活性化や、地域限定の家畜市場の需要増加に対応した結果と見ることができます。
このデータが示す現状の課題としては、大規模生産へ向けた持続可能性が挙げられます。羊の飼養における地理的および環境的要因、特に牧草地の維持や水資源の確保が重要です。また、人口動態の変化に伴う需要の変動にも対応するために、ドミニカ共和国での生産体制の柔軟性を確保する必要があります。
将来的な提案として、以下の具体的施策を検討することが挙げられます。一つは畜産業における技術革新を促進し、放牧地の効率的利用や羊の健康管理を支援することです。これにより、増加する需要に対応しつつ環境負荷を軽減できます。また、輸出の拡大を目指して地域市場のみならず国際市場のニーズにも適応する戦略を推進するべきです。さらに、国内外の教育および訓練プログラムを拡充させ、持続可能な羊飼養のノウハウを広めることで、長期的な発展を図ることができます。
結論として、羊飼養数の増加はドミニカ共和国の畜産業の発展を明確に示しています。ただし、この成長を持続可能な形で維持するためには、環境への配慮や経済の多様性、新しい技術の導入が不可欠です。このデータは、ドミニカ共和国の未来を見据えた政策形成のための重要な基盤を提供しています。