ベネズエラ(ボリバル共和国)の羊飼養数推移を見ると、1961年の10万匹から2022年には63万1632匹と約6倍に増加しました。特に1970年代から1980年にかけて急激な増加が見られましたが、その後、1990年代中盤まで緩やかになり、それ以降も増減を繰り返しています。2020年代には再び増加の傾向が見られ、直近では過去の最高値を記録しました。
ベネズエラ (ボリバル共和国)の羊飼養数推移(1961-2022)
年度 | 飼養数(匹) |
---|---|
2022年 | 631,632 |
2021年 | 609,861 |
2020年 | 618,694 |
2019年 | 607,702 |
2018年 | 603,187 |
2017年 | 602,873 |
2016年 | 602,328 |
2015年 | 601,967 |
2014年 | 601,207 |
2013年 | 599,842 |
2012年 | 596,622 |
2011年 | 589,702 |
2010年 | 586,950 |
2009年 | 570,000 |
2008年 | 566,044 |
2007年 | 555,122 |
2006年 | 544,432 |
2005年 | 525,121 |
2004年 | 528,190 |
2003年 | 520,225 |
2002年 | 511,784 |
2001年 | 485,066 |
2000年 | 471,216 |
1999年 | 450,830 |
1998年 | 475,341 |
1997年 | 479,092 |
1996年 | 480,552 |
1995年 | 481,697 |
1994年 | 399,300 |
1993年 | 396,000 |
1992年 | 377,000 |
1991年 | 366,600 |
1990年 | 351,200 |
1989年 | 335,900 |
1988年 | 323,800 |
1987年 | 316,300 |
1986年 | 264,500 |
1985年 | 253,600 |
1984年 | 265,100 |
1983年 | 356,000 |
1982年 | 382,000 |
1981年 | 336,200 |
1980年 | 344,000 |
1979年 | 320,000 |
1978年 | 298,000 |
1977年 | 277,000 |
1976年 | 256,000 |
1975年 | 237,000 |
1974年 | 220,000 |
1973年 | 205,000 |
1972年 | 190,000 |
1971年 | 176,000 |
1970年 | 140,000 |
1969年 | 120,000 |
1968年 | 110,000 |
1967年 | 100,000 |
1966年 | 90,000 |
1965年 | 79,660 |
1964年 | 89,315 |
1963年 | 80,244 |
1962年 | 90,036 |
1961年 | 100,000 |
ベネズエラの羊飼養数推移は、同国の農業政策や経済状況、自然環境の影響を直接的に反映しています。このデータは、国連食糧農業機関(FAO)の調査に基づいており、ベネズエラが家畜農業においてどの程度の発展を遂げたかを示す重要な指標です。
1961年当時、国内における羊の飼育数はわずか10万匹でした。これは当時の農村地域での草地管理能力や、羊毛・肉の需要が限定的であったことを示しています。しかし1970年代に入ると急激な増加が見られ、1980年には34万4000匹に達しています。この時期の増加背景には、地域の農業基盤整備が進み、羊肉や羊毛の需要が高まったことが挙げられます。同時に、農村部の持続可能な開発政策もこの成長を支えました。
特に気になるのは、1984年の265,100匹から1985年以降の減少傾向です。この要因として考えられるのは、国内の経済危機に起因する農業投資の減少や、自然災害、そして人口の都市部集中による農村労働力の低下などです。しかし、1990年代に入ると持ち直し、30万匹台を回復。その後は安定的な増加傾向が続き、2022年には63万1632匹という過去最高記録を更新しました。
ベネズエラ国内の羊飼育業がこのように成長を見せたことは、同国の持つ広大な自然環境や気候が草地での生活に適していることにも要因があります。しかしながら、地政学的リスクや経済の不安定性が地域の発展にどのような影響をもたらすかについても、慎重に検討する必要があります。近年の例では、国際市場からの孤立の影響や、社会的不安が農業セクター全体に及ぼすマイナスの影響が考えられます。
また、新型コロナウイルスの影響により、2021年には一時的に飼養数がやや減少しましたが、その後再び回復傾向にあります。これは、感染症対策の緩和に伴い農業活動が正常化したためと考えられます。
今後の課題としては、持続可能な農業システムの構築が挙げられます。具体的には、乾燥地帯での効率的な放牧管理の導入や、家畜衛生管理の強化、地域農家への技術支援といった措置が求められます。これらにより気候変動の影響を緩和し、羊肉や羊毛の国内外への供給を安定させることが可能となります。また、地域の経済的自立を促進するため、国際市場への積極的な参入支援も重要です。
さらに、紛争や政治的不安定が畜産業に与える影響に対処するため、国際協力を通じた地域間協力の強化も必要です。こうした努力は、ベネズエラだけでなく、近隣諸国における農業・牧畜活動のモデルとしても機能する可能性があります。
全体として、このデータはベネズエラの羊飼養数増加が単なる数量的な増加にとどまらず、同国の農業発展や国際競争力の向上と密接に結びついていることを示しています。今後もこの成長を維持するためには、科学的な研究や政策支援が欠かせないでしょう。