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コートジボワールの羊飼養数推移(1961年~2023年)

FAO(国際連合食糧農業機関)が発表した最新データによると、コートジボワールの羊の飼養数は1961年の476,000匹から2022年の2,271,386匹まで増加しています。この期間において飼養数は約4.8倍に拡大しました。特に、1990年代以降は一貫して上昇傾向が見られ、2018年以降は200万匹を超える規模に達しています。しかし、2021年から2022年にかけて初めて飼養数が減少する現象が確認されました。

年度 飼養数(匹) 増減率
2023年 2,531,492
11.45% ↑
2022年 2,271,386
-3.12% ↓
2021年 2,344,512
3.6% ↑
2020年 2,262,971
3.71% ↑
2019年 2,182,087
3.85% ↑
2018年 2,101,203
5.15% ↑
2017年 1,998,274
6.25% ↑
2016年 1,880,780
7.12% ↑
2015年 1,755,736
0.9% ↑
2014年 1,740,000
0.86% ↑
2013年 1,725,207
0.98% ↑
2012年 1,708,464
0.48% ↑
2011年 1,700,303
0.48% ↑
2010年 1,692,181
1.3% ↑
2009年 1,670,383
2.4% ↑
2008年 1,631,233
2% ↑
2007年 1,599,248
2% ↑
2006年 1,567,890
2% ↑
2005年 1,537,147
2% ↑
2004年 1,507,007
2% ↑
2003年 1,477,458
2% ↑
2002年 1,448,488
2% ↑
2001年 1,420,086
2% ↑
2000年 1,392,241 -
1999年 1,392,241
2% ↑
1998年 1,364,942
1.35% ↑
1997年 1,346,800
2.5% ↑
1996年 1,314,000
2.5% ↑
1995年 1,282,000
2.48% ↑
1994年 1,251,000
2.63% ↑
1993年 1,219,000
2.44% ↑
1992年 1,190,000
2.5% ↑
1991年 1,161,000
2.38% ↑
1990年 1,134,000
1.7% ↑
1989年 1,115,000
2.29% ↑
1988年 1,090,000
3.71% ↑
1987年 1,051,000
1.25% ↑
1986年 1,038,000
-0.19% ↓
1985年 1,040,000 -
1984年 1,040,000
0.97% ↑
1983年 1,030,000 -
1982年 1,030,000
0.98% ↑
1981年 1,020,000 -
1980年 1,020,000 -
1979年 1,020,000
0.99% ↑
1978年 1,010,000 -
1977年 1,010,000
1% ↑
1976年 1,000,000
2.04% ↑
1975年 980,000
3.16% ↑
1974年 950,000
3.26% ↑
1973年 920,000
2.97% ↑
1972年 893,500
3.59% ↑
1971年 862,500
3.6% ↑
1970年 832,500
3.61% ↑
1969年 803,500
0.56% ↑
1968年 799,000
11.9% ↑
1967年 714,000
16.29% ↑
1966年 614,000
11.23% ↑
1965年 552,000
4.74% ↑
1964年 527,000
2.33% ↑
1963年 515,000
6.4% ↑
1962年 484,000
1.68% ↑
1961年 476,000 -

コートジボワールにおける羊の飼養数は、農業や畜産業が同国の重要な経済基盤の一部であることを考えると、極めて重要な指標となります。このデータからコートジボワールの畜産業が時間をかけて安定的に成長を遂げてきたことが読み取れます。1960年代から1980年代にかけての増加率は比較的緩やかでしたが、1990年代以降、特に1994年の1,251,000匹を超えた時期から、より加速した増加が見られました。これは、国内の食肉需要の拡大と地域経済の安定化が要因と考えられます。

この増加傾向は、人口増加や都市化の進展に連動している可能性が高いです。コートジボワールの人口は増加傾向が続いており、それに伴って食糧生産能力を高める必要が生じています。羊は、肉用だけでなく乳製品や毛皮など多目的に利用されるため、農村部だけでなく都市市場でも需要が高まっています。また、一部の地域では伝統的祭礼や文化的な側面でも羊の需要が存在し、それが飼養数の増加につながっている可能性があります。

一方、2021年から2022年にかけて初めて飼養数が減少した点は注目すべきです。この変化の背景としては、気候変動やそれに伴う干ばつ、水資源不足が影響した可能性が挙げられます。また、その影響で農村部の放牧に適した土地が減少していることも考えられます。さらに、2022年のデータに関しては、疫病の流行や畜産管理体制の不備、または地域紛争などの地政学的リスクも関与していた可能性があります。このようなリスクは、単に生産量の減少だけでなく、農村地域における生計手段の制限にも直結します。

この現象への対策としては、いくつかの具体的な方策が考えられます。第一に、持続可能な放牧技術を導入することで、限られた土地資源を効率よく活用する仕組みを形成することが重要です。これは、灌漑技術の活用や輪作の導入によって実現可能です。第二に、政府や国際協力機関が共同で畜産業のインフラ整備を進めることが求められます。具体的には、適切な獣医サービスを展開し、羊の健康状態をモニタリングすることで疫病の予防を強化する必要があります。また、干ばつに備えるための水資源管理や飼料供給体制の強化も欠かせません。

さらに、地域の安定化と防災対策も羊飼養環境の改善には大きな役割を果たします。周辺国、例えばマリやガーナとの連携を強化し、農畜産業に関する知見や資源の共有を進めることで地域全体の課題解決に寄与できます。地元の特定地域で紛争や衝突が発生している場合、国際的な平和維持活動による支援が不可欠です。

結論として、コートジボワールの羊飼養数の推移データは、同国の農畜産業の発展を物語るとともに、現実に直面する課題を浮き彫りにしています。継続的な成長を目指すためには、気候変動リスクへの対応やインフラ投資、地域協力の強化が重要となります。FAOや他の国際機関が提供するデータや知見を活用しながら、持続可能な畜産業の将来を築く取り組みが今後ますます求められるでしょう。