梵浄山

アシア / 中国 / 自然遺産

基本情報

遺跡名称	梵浄山
遺跡名称(英語)	Fanjingshan
国名	中国
登録区分	自然遺産
登録基準(登録基準とは)	(x)
世界遺産登録年	2018年
資産面積	40275ha

世界遺産「梵浄山」の登録理由や特徴について

万巻山（Fanjingshan）は、中国の貴州省に位置し、武陵山脈の一部を成しています。この山は標高約500メートルから2,570メートルまでの範囲にわたっており、多様な地形や植生が見られることが特徴です。特に、温暖湿潤な気候から豊かな生態系が育まれており、さまざまな植物や動物が生息しています。

万巻山は、テレシア紀（約6500万年前から200万年前）に起源を持つ多くの植物種と動物種の宝庫です。この地域はカースト地形（石灰岩による侵食地形）に囲まれた変成岩の島であり、孤立した環境が高い生物多様性を生んでいます。特に、特有種として知られる万巻杉（Abies fanjingshanensis）や貴州ナキモグラ（Rhinopithecus brelichi）などが生息しており、これらの種は他の地域では見られない貴重な存在です。

また、万巻山には絶滅の危機に瀕している種も多く、特に中国オオサンショウウオ（Andrias davidianus）、森林のムスク鹿（Moschus berezovskii）、そしてリーブズキジ（Syrmaticus reevesii）などがこの地域に生息しています。これらの生物は、万巻山の豊かな自然環境に依存しており、保護が求められています。

さらに、万巻山には亜熱帯地域で最大かつ最も連続した原始ブナ林が存在します。この森林は温帯の生態系として特に重要で、多くの生物がこの森に生息しています。保護されたこの地域の生態系は、観光や研究の場としても注目されています。

万巻山は、2018年にユネスコの世界遺産に登録され、その自然の美しさと生物多様性の豊かさが評価されました。この場所を訪れることで、訪問者は自然の驚異を直接体験し、貴重な生態系が持つ意味を理解することができます。万巻山は、今後もその保護と研究が重要視されるべき地域であり、私たちがその魅力を次世代に伝えていく責任があります。