世界の羊飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国連の食糧農業機関（FAO）が発表した統計によると、2005年度の羊飼養数ランキングで1位となったのは中国で、約1億5230万匹の羊が飼養されていました。2位のオーストラリアは約1億1012万匹、3位のインドは約6631万匹と続いており、アジアやオセアニアの国々が上位に名を連ねています。他方で、豊かな畜産環境が特徴のニュージーランドやイギリスなどの国々も上位に位置しています。一方、日本は155位と下位にあり、わずか1万匹の羊が飼養されていたことがわかります。このデータは、それぞれの国が持つ地理的条件や経済活動、食文化などによる違いを反映しており、畜産業の重要性が国によって異なることを示しています。

順位	国名	地域	飼養数(匹)
1	中国	アジア	152,305,000
2	オーストラリア	オセアニア	101,124,888
3	インド	アジア	66,319,000
4	イラン（イスラム共和国）	アジア	52,219,000
5	ニュージーランド	オセアニア	39,879,660
6	イギリス	ヨーロッパ	35,253,048
7	ナイジェリア	アフリカ	31,547,900
8	南アフリカ	アフリカ	25,334,000
9	トルコ	アジア	25,201,156
10	パキスタン	アジア	24,923,000
11	スペイン	ヨーロッパ	22,749,484
12	エチオピア	アフリカ	20,733,912
13	シリア・アラブ共和国	アジア	19,651,052
14	アルジェリア	アフリカ	18,909,110
15	モロッコ	アフリカ	16,872,000
16	ロシア連邦	ヨーロッパ	15,774,728
17	ブラジル	南アメリカ	15,588,041
18	アルゼンチン	南アメリカ	15,497,000
19	ペルー	南アメリカ	14,822,223
20	ソマリア	アフリカ	14,700,000
21	トルクメニスタン	アジア	13,089,000
22	モンゴル	アジア	12,884,500
23	チャド	アフリカ	12,333,000
24	カザフスタン	アジア	11,286,700
25	ウルグアイ	南アメリカ	10,847,000
26	アフガニスタン	アジア	10,773,000
27	ケニア	アフリカ	10,033,881
28	ニジェール	アフリカ	9,192,016
29	フランス	ヨーロッパ	9,094,005
30	ウズベキスタン	アジア	8,890,400
31	モーリタニア	アフリカ	8,850,000
32	ギリシャ	ヨーロッパ	8,827,078
33	サウジアラビア	アジア	8,500,941
34	マリ	アフリカ	8,432,418
35	インドネシア	アジア	8,327,022
36	イタリア	ヨーロッパ	8,106,000
37	イエメン	アジア	7,980,213
38	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	7,970,641
39	ルーマニア	ヨーロッパ	7,425,000
40	チュニジア	アフリカ	7,213,390
41	メキシコ	南アメリカ	7,207,406
42	ブルキナファソ	アフリカ	7,110,788
43	アゼルバイジャン	アジア	6,887,440
44	アイルランド	ヨーロッパ	6,392,200
45	アメリカ合衆国	北アメリカ	6,135,000
46	リビア	アフリカ	5,500,000
47	エジプト	アフリカ	5,232,000
48	セネガル	アフリカ	4,863,190
49	イラク	アジア	4,449,000
50	カメルーン	アフリカ	3,800,000
51	タンザニア連合共和国	アフリカ	3,500,000
52	チリ	南アメリカ	3,400,000
53	ガーナ	アフリカ	3,211,000
54	キルギスタン	アジア	2,965,220
55	ポルトガル	ヨーロッパ	2,903,000
56	ナミビア	アフリカ	2,663,795
57	ドイツ	ヨーロッパ	2,642,400
58	ノルウェー	ヨーロッパ	2,423,041
59	キューバ	南アメリカ	2,361,000
60	エリトリア	アフリカ	2,100,000
61	ヨルダン	アジア	1,890,440
62	コロンビア	南アメリカ	1,850,000
63	トーゴ	アフリカ	1,850,000
64	タジキスタン	アジア	1,782,000
65	アルバニア	ヨーロッパ	1,760,000
66	ブルガリア	ヨーロッパ	1,692,507
67	ウガンダ	アフリカ	1,600,000
68	コートジボワール	アフリカ	1,537,147
69	バングラデシュ	アジア	1,400,000
70	ハンガリー	ヨーロッパ	1,397,000
71	オランダ	ヨーロッパ	1,363,000
72	北マケドニア	ヨーロッパ	1,244,000
73	ギニア	アフリカ	1,168,743
74	アラブ首長国連邦	アジア	1,058,146
75	エクアドル	南アメリカ	1,053,129
76	レソト	アフリカ	1,041,313
77	カナダ	北アメリカ	977,600
78	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	902,731
79	コンゴ民主共和国	アフリカ	899,570
80	ウクライナ	ヨーロッパ	875,200
81	アンゴラ	アフリカ	857,453
82	モルドバ共和国	ヨーロッパ	822,845
83	ネパール	アジア	816,727
84	パレスチナ国	アジア	803,165
85	クロアチア	ヨーロッパ	796,480
86	ベナン	アフリカ	724,000
87	マダガスカル	アフリカ	695,229
88	グルジア	アジア	689,200
89	ルワンダ	アフリカ	686,837
90	アルメニア	アジア	556,597
91	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	525,121
92	ミャンマー	アジア	516,832
93	パラグアイ	南アメリカ	500,000
94	グアテマラ	南アメリカ	494,000
95	スウェーデン	ヨーロッパ	471,284
96	ジブチ	アフリカ	466,000
97	アイスランド	ヨーロッパ	454,950
98	スイス	ヨーロッパ	446,350
99	イスラエル	アジア	435,000
100	ジンバブエ	アフリカ	420,000
101	クウェート	アジア	379,944
102	オマーン	アジア	351,030
103	レバノン	アジア	337,300
104	オーストリア	ヨーロッパ	327,163
105	スロバキア	ヨーロッパ	321,227
106	ポーランド	ヨーロッパ	315,963
107	ギニアビサウ	アフリカ	300,000
108	シエラレオネ	アフリカ	272,222
109	キプロス	アジア	268,574
110	中央アフリカ共和国	アフリカ	260,000
111	ドミニカ共和国	南アメリカ	253,400
112	ブルンジ	アフリカ	242,933
113	ガンビア	アフリカ	215,000
114	リベリア	アフリカ	210,000
115	モザンビーク	アフリカ	197,000
116	ガボン	アフリカ	195,000
117	ザンビア	アフリカ	190,000
118	デンマーク	ヨーロッパ	173,203
119	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	170,000
120	ボツワナ	アフリカ	165,000
121	マラウイ	アフリカ	156,714
122	ハイチ	南アメリカ	154,000
123	ベルギー	ヨーロッパ	152,384
124	チェコ	ヨーロッパ	140,197
125	ガイアナ	南アメリカ	130,000
126	スロベニア	ヨーロッパ	119,264
127	マレーシア	アジア	115,922
128	カタール	アジア	111,550
129	コンゴ	アフリカ	99,000
130	フィンランド	ヨーロッパ	89,737
131	フェロー諸島	ヨーロッパ	68,100
132	ベラルーシ	ヨーロッパ	59,000
133	タイ	アジア	50,779
134	バーレーン	アジア	40,000
135	東ティモール	アジア	39,495
136	エストニア	ヨーロッパ	38,800
137	ラトビア	ヨーロッパ	38,600
138	赤道ギニア	アフリカ	37,800
139	フィリピン	アジア	30,000
140	エスワティニ	アフリカ	27,000
141	リトアニア	ヨーロッパ	22,149
142	コモロ	アフリカ	22,000
143	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	19,000
144	ブータン	アジア	17,612
145	マルティニーク	南アメリカ	17,100
146	ホンジュラス	南アメリカ	14,877
147	マルタ	ヨーロッパ	14,130
148	グレナダ	南アメリカ	13,200
149	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	12,500
150	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	12,500
151	セントルシア	南アメリカ	12,500
152	バルバドス	南アメリカ	10,800
153	スリランカ	アジア	10,290
154	ルクセンブルク	ヨーロッパ	10,277
155	日本	アジア	10,000
156	カーボベルデ	アフリカ	9,500
157	ドミニカ	南アメリカ	7,600
158	ベリーズ	南アメリカ	7,450
159	パプアニューギニア	オセアニア	7,000
160	バハマ	南アメリカ	6,500
161	モーリシャス	アフリカ	6,469
162	スリナム	南アメリカ	6,240
163	プエルトリコ	南アメリカ	6,122
164	ニカラグア	南アメリカ	5,900
165	フィジー	オセアニア	5,150
166	エルサルバドル	南アメリカ	5,100
167	ブルネイ ダルサラーム	アジア	3,800
168	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	3,400
169	サントメ・プリンシペ	アフリカ	3,000
170	コスタリカ	南アメリカ	2,700
171	ニューカレドニア	オセアニア	2,300
172	グアドループ	南アメリカ	2,250
173	ジャマイカ	南アメリカ	1,480
174	フランス領ギアナ	南アメリカ	1,365
175	大韓民国	アジア	1,202
176	レユニオン	アフリカ	996
177	フランス領ポリネシア	オセアニア	440
178	中国、台湾 中国省	アジア	200
179	中国、香港特別行政区	アジア	15
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2005年度の羊飼養数ランキングデータによると、1位を中国が獲得し、1億5230万匹以上もの羊を管理していました。中国は広大な面積を有しており、特に内モンゴル自治区や新疆ウイグル自治区などの乾燥帯の草原地域での羊の飼育が盛んです。また、中国における羊は食肉・羊毛の利用だけでなく、地域経済や文化にも密接に関わる存在です。その羊の飼養規模は、世界の食糧安全保障においても重要な役割を果たしています。

2位のオーストラリアと3位のインドも注目すべき点を含んでいます。オーストラリアでは広大な牧草地を活かし、羊毛の生産が特に発展しています。オーストラリア産の羊毛は品質の高さから世界中で重宝されており、輸出産業として国の経済を支える柱の一つとなっています。一方、インドでは羊肉（マトンやラム）が宗教的・文化的背景と結びついており、国内消費の需要が飼養数を押し上げる大きな要因となっています。

ランキング上位には、ニュージーランド（約3988万匹）やイギリス（約3525万匹）といった比較的小規模な国々も含まれています。ニュージーランドは、羊の飼養数が人口を大きく上回る状況で、その産業の中心は羊肉の輸出であり、同国の農業経済の主力として国際的に評価されています。イギリスでは、羊飼養は伝統的な農村文化の一環であり、地元農業の継続的な発展に寄与しています。

対照的に、日本では僅か1万匹の羊が飼養されており、他国と比べ非常に少ないことがわかります。日本国内では羊肉や羊乳の需要が限定的であるうえ、地理的にも大規模な放牧に向かない点が影響しています。ただし、九州地方や北海道などでは小規模ながら羊畜産に取り組む地域が見られます。小規模農場や観光牧場における羊利用が、日本の羊飼養の主な形態となっています。

このデータは単なる数の分布だけでなく、各国の社会経済的背景や地理、気候が畜産業に与える影響を浮き彫りにしています。たとえば、乾燥地域や草原地帯を多く持つ国々が上位に集中しており、地理的条件が羊の飼育に大きく寄与していることは一目瞭然です。また、宗教的・文化的な要因も無視できません。インドや中東地域のように、羊肉が主要なタンパク源として消費される地域では、飼養数が継続的に増加しています。

これらのデータを基に今後の課題について考えると、複数の重要なポイントが浮かび上がります。一つ目は、世界的な食糧需要の増加に対応するための効率的な放牧や飼育技術の普及です。特に、環境負荷を軽減する方法の模索が求められます。これは、温室効果ガス排出量の削減や過放牧による生態系の破壊回避に直結します。さらに、地域ごとに異なる需要に応じた飼育方法や品種改良を取り入れることで、持続可能な発展を実現することも重要です。

また、地政学的リスクにも注意が必要です。たとえば、紛争地域や政治的不安定が飼育環境に影響を及ぼす可能性があり、その結果として食糧価格が高騰する懸念があります。特に、羊肉が主食となる中東や北アフリカの地域では、紛争や気候変動の影響を受けやすいため、国際機関や地域協力の枠組みを通じた支援が求められます。

最後に具体的な提言として、各国政府および国際機関には、効率的かつ環境に配慮した羊飼育を推進するための政策の導入が必要です。例えば、援助や技術提供を通じた発展途上地域へのサポート、環境負荷を軽減するための研究投資の促進、さらに、新たな市場の創出を狙った輸出支援策の導入などが考えられます。これにより、畜産業が持続可能な形で世界の食糧安全保障や環境保護に貢献できるようになるでしょう。

2005年のランキングは単なる過去のデータにとどまらず、現在の世界的な課題や将来への示唆を深く示しています。これをもとにした行動が、より良い未来につながる一歩となるはずです。