世界の鶏飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

2012年度の鶏飼養数ランキングデータによると、最も鶏の飼育数が多かった国は中国で、約4,817.7百万羽に達しました。中国は全世界の大半を占め、2位のインドネシア（1,657.7百万羽）、3位のアメリカ（1,410百万羽）を遥かに上回る規模です。このランキングでは、アジア地域、特に東アジアや南アジア諸国が目立ち、ブラジルやアメリカなどの畜産強国も上位に位置しています。一方で、日本は世界で23位となり、177.6百万羽の鶏を飼育していました。このデータからは、国ごとに食文化や農業政策、国内需要と供給、土地利用の違いが鮮明に現れています。

順位	国名	地域	飼養数(羽)
1	中国	アジア	4,817,670,000
2	インドネシア	アジア	1,657,684,000
3	アメリカ合衆国	北アメリカ	1,410,000,000
4	ブラジル	南アメリカ	1,245,269,000
5	イラン（イスラム共和国）	アジア	925,000,000
6	パキスタン	アジア	735,700,000
7	インド	アジア	692,646,000
8	メキシコ	南アメリカ	516,711,000
9	ロシア連邦	ヨーロッパ	427,777,000
10	トルコ	アジア	253,712,000
11	マレーシア	アジア	251,157,000
12	タイ	アジア	247,202,000
13	バングラデシュ	アジア	242,866,000
14	フランス	ヨーロッパ	241,133,000
15	ベトナム	アジア	223,746,000
16	南アフリカ	アフリカ	200,000,000
17	ミャンマー	アジア	196,641,000
18	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	187,394,000
19	ウクライナ	ヨーロッパ	181,124,000
20	スペイン	ヨーロッパ	180,161,000
21	モロッコ	アフリカ	180,000,000
22	サウジアラビア	アジア	179,000,000
23	日本	アジア	177,607,000
24	ドミニカ共和国	南アメリカ	173,000,000
25	カナダ	北アメリカ	166,000,000
26	フィリピン	アジア	164,192,000
27	コロンビア	南アメリカ	160,000,000
28	ナイジェリア	アフリカ	159,254,000
29	エクアドル	南アメリカ	149,010,000
30	イギリス	ヨーロッパ	149,000,000
31	大韓民国	アジア	146,836,000
32	イタリア	ヨーロッパ	140,000,000
33	ペルー	南アメリカ	137,669,000
34	アルジェリア	アフリカ	128,500,000
35	ドイツ	ヨーロッパ	121,040,000
36	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	120,000,000
37	エジプト	アフリカ	114,892,000
38	ポーランド	ヨーロッパ	112,477,000
39	アルゼンチン	南アメリカ	105,000,000
40	オーストラリア	オセアニア	100,996,000
41	中国、台湾 中国省	アジア	96,851,000
42	オランダ	ヨーロッパ	95,273,000
43	チュニジア	アフリカ	81,000,000
44	ルーマニア	ヨーロッパ	79,842,000
45	ベラルーシ	ヨーロッパ	75,000,000
46	レバノン	アジア	69,000,000
47	イエメン	アジア	62,000,000
48	ガーナ	アフリカ	57,885,000
49	コートジボワール	アフリカ	53,791,000
50	エチオピア	アフリカ	50,377,000
51	チリ	南アメリカ	48,002,000
52	カメルーン	アフリカ	47,000,000
53	クウェート	アジア	46,154,000
54	スーダン	アフリカ	45,550,000
55	ネパール	アジア	45,171,000
56	ホンジュラス	南アメリカ	44,388,000
57	セネガル	アフリカ	43,393,000
58	ウズベキスタン	アジア	42,200,000
59	イスラエル	アジア	40,247,000
60	イラク	アジア	38,000,000
61	ウガンダ	アフリカ	37,572,000
62	ザンビア	アフリカ	36,500,000
63	ベルギー	ヨーロッパ	35,618,000
64	マリ	アフリカ	35,096,000
65	タンザニア連合共和国	アフリカ	35,000,000
66	グアテマラ	南アメリカ	35,000,000
67	ケニア	アフリカ	34,583,000
68	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	34,500,000
69	リビア	アフリカ	34,500,000
70	ハンガリー	ヨーロッパ	32,860,000
71	ブルキナファソ	アフリカ	31,815,000
72	カザフスタン	アジア	31,567,000
73	キューバ	南アメリカ	30,182,000
74	ラオス人民民主共和国	アジア	28,779,000
75	ポルトガル	ヨーロッパ	28,312,000
76	ギリシャ	ヨーロッパ	28,083,000
77	マダガスカル	アフリカ	27,500,000
78	モルドバ共和国	ヨーロッパ	26,520,000
79	ヨルダン	アジア	26,500,000
80	ガイアナ	南アメリカ	26,200,000
81	スウェーデン	ヨーロッパ	25,757,000
82	シリア・アラブ共和国	アジア	25,024,000
83	ギニア	アフリカ	23,855,000
84	コスタリカ	南アメリカ	23,600,000
85	トーゴ	アフリカ	23,500,000
86	アンゴラ	アフリカ	23,314,000
87	アゼルバイジャン	アジア	22,220,000
88	アラブ首長国連邦	アジア	21,000,000
89	ニカラグア	南アメリカ	20,600,000
90	パナマ	南アメリカ	20,460,000
91	コンゴ民主共和国	アフリカ	20,188,000
92	チェコ	ヨーロッパ	20,107,000
93	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	19,235,000
94	ニュージーランド	オセアニア	19,097,000
95	モザンビーク	アフリカ	18,985,000
96	ジンバブエ	アフリカ	18,514,000
97	デンマーク	ヨーロッパ	18,174,000
98	ウルグアイ	南アメリカ	18,000,000
99	セルビア	ヨーロッパ	17,708,000
100	ベナン	アフリカ	17,634,000
101	ニジェール	アフリカ	17,600,000
102	ブルネイ ダルサラーム	アジア	17,084,000
103	マラウイ	アフリカ	17,000,000
104	トルクメニスタン	アジア	16,875,000
105	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	16,847,000
106	パラグアイ	南アメリカ	16,722,000
107	エルサルバドル	南アメリカ	15,500,000
108	オーストリア	ヨーロッパ	15,500,000
109	南スーダン	アフリカ	15,000,000
110	モーリシャス	アフリカ	14,600,000
111	アイルランド	ヨーロッパ	14,500,000
112	カンボジア	アジア	14,447,000
113	ノルウェー	ヨーロッパ	14,406,000
114	スリランカ	アジア	14,038,000
115	ジャマイカ	南アメリカ	13,500,000
116	アフガニスタン	アジア	13,212,000
117	ブルガリア	ヨーロッパ	13,150,000
118	シエラレオネ	アフリカ	11,446,000
119	スロバキア	ヨーロッパ	11,054,000
120	プエルトリコ	南アメリカ	10,871,000
121	スイス	ヨーロッパ	9,878,000
122	フィンランド	ヨーロッパ	9,682,000
123	アルバニア	ヨーロッパ	9,494,000
124	リトアニア	ヨーロッパ	8,658,000
125	カタール	アジア	8,500,000
126	リベリア	アフリカ	7,300,000
127	パレスチナ国	アジア	7,000,000
128	中央アフリカ共和国	アフリカ	6,700,000
129	スリナム	南アメリカ	6,333,000
130	グルジア	アジア	5,900,000
131	ハイチ	南アメリカ	5,700,000
132	チャド	アフリカ	5,680,000
133	ナミビア	アフリカ	5,300,000
134	タジキスタン	アジア	4,851,000
135	フィジー	オセアニア	4,850,000
136	ルワンダ	アフリカ	4,688,000
137	モーリタニア	アフリカ	4,500,000
138	オマーン	アジア	4,500,000
139	ラトビア	ヨーロッパ	4,418,000
140	クロアチア	ヨーロッパ	4,415,000
141	パプアニューギニア	オセアニア	4,300,000
142	アルメニア	アジア	3,800,000
143	キルギスタン	アジア	3,665,000
144	エスワティニ	アフリカ	3,650,000
145	バルバドス	南アメリカ	3,600,000
146	シンガポール	アジア	3,500,000
147	ソマリア	アフリカ	3,400,000
148	ガボン	アフリカ	3,100,000
149	キプロス	アジア	3,090,000
150	バハマ	南アメリカ	3,000,000
151	コンゴ	アフリカ	2,780,000
152	ブルンジ	アフリカ	2,354,000
153	スロベニア	ヨーロッパ	2,155,000
154	エストニア	ヨーロッパ	1,973,000
155	北マケドニア	ヨーロッパ	1,776,000
156	ギニアビサウ	アフリカ	1,750,000
157	ベリーズ	南アメリカ	1,550,000
158	エリトリア	アフリカ	1,350,000
159	中国、香港特別行政区	アジア	1,300,000
160	ガンビア	アフリカ	1,274,000
161	ボツワナ	アフリカ	1,130,000
162	カーボベルデ	アフリカ	991,000
163	マルタ	ヨーロッパ	970,000
164	バーレーン	アジア	955,000
165	東ティモール	アジア	779,000
166	中国、マカオ特別行政区	アジア	750,000
167	バヌアツ	オセアニア	700,000
168	キリバス	オセアニア	605,000
169	ブータン	アジア	549,000
170	コモロ	アフリカ	520,000
171	レソト	アフリカ	500,000
172	サモア	オセアニア	475,000
173	モンテネグロ	ヨーロッパ	470,000
174	モンゴル	アジア	469,000
175	セントルシア	南アメリカ	450,000
176	赤道ギニア	アフリカ	355,000
177	ニューカレドニア	オセアニア	338,000
178	トンガ	オセアニア	328,000
179	アイスランド	ヨーロッパ	320,000
180	フランス領ポリネシア	オセアニア	305,000
181	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	270,000
182	グレナダ	南アメリカ	270,000
183	ソロモン諸島	オセアニア	240,000
184	ドミニカ	南アメリカ	200,000
185	サントメ・プリンシペ	アフリカ	200,000
186	ミクロネシア連邦	オセアニア	190,000
187	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	160,000
188	セーシェル	アフリカ	142,000
189	ルクセンブルク	ヨーロッパ	113,000
190	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	82,000
191	ツバル	オセアニア	50,000
192	クック諸島	オセアニア	20,000
193	ニウエ	オセアニア	17,000
194	ナウル	オセアニア	5,000
195	トケラウ	オセアニア	5,000
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国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2012年度の鶏飼養数ランキングデータでは、世界の鶏肉生産や卵生産に関する国際的な分布が明らかになっています。中国が圧倒的な飼養数でトップに立っていますが、その背景には、急成長する都市人口、増大する食肉需要、さらに国内の農業政策が含まれます。中国では、農村部の農業集約化を進める一方で、都市部での富裕層の増加により、鶏肉消費が大きく伸びているのが特徴です。こうした大規模な需要と供給のバランスが、同国の鶏飼養数を高位に押し上げています。

2位のインドネシアと3位のアメリカでは飼養数がそれぞれ1,657.7百万羽、1,410百万羽と続きます。インドネシアでは伝統的な食文化や人口増加に伴う食肉需要の増大、さらに輸出拡大を背景に飼養数が増加しています。一方、アメリカは大規模な養鶏施設や効率的な生産体制を整え、国内市場および世界最大の鶏肉輸出国としての役割を担っています。アメリカ型の農業モデルは産業的要素が強いことが特徴であり、鶏肉産業がGDPの一部を支える構造となっています。

日本は23位にランクインしており、飼養数は177.6百万羽となっています。これは他の主要先進国と比較してやや抑えられた数字と言えます。この背景には、日本の輸入依存度の高さや、土地不足、人口減少、そして食文化における多様性が影響しています。特に、日本の狭隘な耕地条件においては、大規模な家畜飼育が制限されるため、効率的な小規模集約型の養鶏が主流となっています。

このランキングには、地域ごとの経済状況や文化による食肉消費の違いが顕著に現れています。例えば、イランやパキスタンなどの中東およびイスラム圏諸国では、宗教的な理由から豚肉の消費が制限されており、鶏肉は主な動物性たんぱく質供給源となっています。また、南アフリカのような途上国では、鶏肉が手頃な価格の肉製品として広く消費される一方、気候条件や畜産技術の制限も生産量に影響を与えています。この中南米やアフリカ地域の課題としては、生産性向上技術の導入や物流システムの改善が挙げられます。

さらに、地政学的なリスクも無視できません。例えば、ウクライナやロシアなどでは政治的・軍事的な緊張や紛争が畜産業に影響を与えています。特に、こうしたリスクは飼料輸送の難航や生産体制の混乱を招き、将来的な輸出能力に影響を与える可能性があります。また、疫病や自然災害による畜産業への影響も見逃せません。最近では、鳥インフルエンザがいくつかの地域で発生しており、大規模な鶏の淘汰が発生することで、生産者に経済損失を与えています。

こうした背景を踏まえ、各国が鶏飼養数の維持・向上を目指すためには、いくつかの具体的な対策が考えられます。まず、技術革新と持続可能な農業を取り入れることで、飼育効率を向上させ、環境負荷を軽減することが重要です。また、国際的な疾病監視ネットワークを強化することで、早期に疫病を発見し、被害の拡大を未然に防ぐ体制を整えるべきです。さらに、地域間協力の枠組みを構築し、特に食料不足の地域で安定した鶏肉供給を可能にする国際連帯も不可欠です。

2012年度のランキングデータは過去の状況を示すものですが、これを活用して各地域の特性に応じた政策を策定することが将来の持続可能な農業・畜産の発展に寄与するでしょう。各国が協力し、効率的かつ公平な資源配分を達成するためのグローバルな枠組み作りを進めるべきです。