国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、ガイアナの鶏の飼養数は2022年で30,976羽に達し、過去最高値を記録しています。1960年代から2022年までの推移を見ると、いくつかの停滞期や急激な増減を経験しつつ、全体として一貫した増加傾向にあります。特に2000年以降、飼養数は持続的に増加していますが、1980年代初頭には一時的な大幅減少が見られました。
ガイアナの鶏飼養数推移(1961年~2023年)
年度 | 飼養数(羽) | 増減率 |
---|---|---|
2023年 | 32,088,000 |
3.59% ↑
|
2022年 | 30,976,000 |
2.11% ↑
|
2021年 | 30,335,000 |
2.16% ↑
|
2020年 | 29,694,000 |
1.99% ↑
|
2019年 | 29,116,000 |
4.09% ↑
|
2018年 | 27,973,000 |
3.05% ↑
|
2017年 | 27,145,000 |
3.51% ↑
|
2016年 | 26,224,000 |
4.56% ↑
|
2015年 | 25,081,000 |
2.37% ↑
|
2014年 | 24,500,000 |
-2.78% ↓
|
2013年 | 25,200,000 |
-3.82% ↓
|
2012年 | 26,200,000 |
19.09% ↑
|
2011年 | 22,000,000 |
2.8% ↑
|
2010年 | 21,400,000 |
-8.15% ↓
|
2009年 | 23,300,000 |
17.09% ↑
|
2008年 | 19,900,000 |
-8.29% ↓
|
2007年 | 21,700,000 |
23.3% ↑
|
2006年 | 17,600,000 |
-9.74% ↓
|
2005年 | 19,500,000 |
-5.34% ↓
|
2004年 | 20,600,000 |
3% ↑
|
2003年 | 20,000,000 |
42.86% ↑
|
2002年 | 14,000,000 |
33.33% ↑
|
2001年 | 10,500,000 | - |
2000年 | 10,500,000 | - |
1999年 | 10,500,000 |
10.53% ↑
|
1998年 | 9,500,000 |
-5% ↓
|
1997年 | 10,000,000 |
11.11% ↑
|
1996年 | 9,000,000 |
28.57% ↑
|
1995年 | 7,000,000 |
25% ↑
|
1994年 | 5,600,000 |
51.35% ↑
|
1993年 | 3,700,000 |
32.14% ↑
|
1992年 | 2,800,000 |
100% ↑
|
1991年 | 1,400,000 |
-31.71% ↓
|
1990年 | 2,050,000 |
-10.87% ↓
|
1989年 | 2,300,000 |
-41.03% ↓
|
1988年 | 3,900,000 |
8.33% ↑
|
1987年 | 3,600,000 |
24.14% ↑
|
1986年 | 2,900,000 |
3.57% ↑
|
1985年 | 2,800,000 |
-26.32% ↓
|
1984年 | 3,800,000 |
5.56% ↑
|
1983年 | 3,600,000 |
-45.45% ↓
|
1982年 | 6,600,000 |
-31.25% ↓
|
1981年 | 9,600,000 |
2.13% ↑
|
1980年 | 9,400,000 |
-1.05% ↓
|
1979年 | 9,500,000 | - |
1978年 | 9,500,000 |
-12.04% ↓
|
1977年 | 10,800,000 |
8% ↑
|
1976年 | 10,000,000 |
5.26% ↑
|
1975年 | 9,500,000 |
5.56% ↑
|
1974年 | 9,000,000 |
1.69% ↑
|
1973年 | 8,850,000 |
10.63% ↑
|
1972年 | 8,000,000 |
14.19% ↑
|
1971年 | 7,006,000 |
8.62% ↑
|
1970年 | 6,450,000 |
8.9% ↑
|
1969年 | 5,923,000 |
29.83% ↑
|
1968年 | 4,562,000 |
28.98% ↑
|
1967年 | 3,537,000 |
17.9% ↑
|
1966年 | 3,000,000 |
17.19% ↑
|
1965年 | 2,560,000 |
2.4% ↑
|
1964年 | 2,500,000 |
13.64% ↑
|
1963年 | 2,200,000 |
4.76% ↑
|
1962年 | 2,100,000 |
5% ↑
|
1961年 | 2,000,000 | - |
ガイアナの鶏飼養数の推移を詳しく見ると、1961年の2,000羽から2022年の30,976羽へと、大きく成長していることが分かります。この増加は、国の経済発展、家禽産業の拡大、地元および輸出市場の需要の高まりに支えられています。しかし、この長期的な増加傾向の途中にはいくつかの重要な変動が見られます。
まず、1970年までの10年間は目覚ましい増加が見られました。1961年の2,000羽から1970年には6,450羽になり、この間の成長率は驚異的でした。これは、鶏肉の生産を支えるインフラ整備、農業技術の向上、食料安全保障政策の強化など、政府や民間のさまざまな取り組みが寄与したためと考えられます。一方、1978年から1982年にかけては減少傾向が現れ、特に1982年には6,600羽から3,600羽へと急激な落ち込みが発生しました。この原因には、政治的不安定や経済危機、また飼料や資材の供給問題があるとされています。
さらに、1980年代全体を見ると鶏飼養数は不安定で、最も少ない1991年には1,400羽というピーク時からの大幅な減少が記録されています。この時期は、ガイアナが政治的・経済的な混乱期に直面していたこととも密接に関連しています。地政学的リスクや輸入政策の見直しが、家禽産業全体に大きな影響を与えた可能性があります。
2000年代以降は、鶏飼養数が再び増加基調となりました。2002年には14,000羽に達し、2003年には20,000羽と急増しています。当時のグローバル食品市場の拡大、輸出の活発化、及び政府主導の農業政策強化が、この成長を後押ししています。2020年代に入ると、その勢いはさらに増し、2022年には30,976羽と過去最高を記録しました。この結果から、ガイアナの家禽業界は以前の課題を克服しつつ、持続可能な方法で成長を遂げていることが明らかです。
しかし、このデータにはいくつかの課題も示されています。まず、1980年代に経験した急激な減少の原因と影響について、さらなる検討が必要です。このような不安定な変動が再び発生しないように、インフラ、飼料供給チェーン、そして政策の安定性を高める措置が求められます。また、さらに成長を続けるためには、輸出市場の多角化、家禽の健康管理、そして環境への配慮という3つの要素が鍵となるでしょう。
新型コロナウイルスのパンデミックが2020年以降、世界全体で経済活動に影響を与える中で、ガイアナの鶏飼養数が影響を受けずに増加傾向を維持している点も注目に値します。この事例は、地域内需要の強さやサプライチェーンが比較的柔軟であったことを示唆しています。ただ、将来的には、世界的な疫病や気候変動に伴う自然災害、さらには地域的な紛争が産業に及ぼす影響を最小限に抑えるためのリスク管理が重要となります。
まとめると、ガイアナの鶏飼養数は、1960年代以降着実な成長を遂げており、特に近年の増加は顕著です。ただし、過去のデータが示す不安定な時期には、家禽業界だけでなく、国全体に影響を及ぼす要因が存在していました。今後、持続可能な成長を続けるためには、飼料やインフラへの投資強化、輸出市場の安定確保、そして環境面への配慮が必要です。また、国際的な協力や技術的な支援を活用することも、ガイアナの家禽産業をさらに発展させる鍵となるでしょう。