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チャドの鶏飼養数推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、2022年におけるチャドの鶏飼養数は6,147万羽となっています。1961年から長期的な増加傾向が見られるものの、1970年代や近年など、一部の時期では減少や横ばいが観測されています。特に2015年以降は緩やかな変動が見られつつも、全体としては増加傾向に転じています。

年度 飼養数(羽) 増減率
2023年 6,164,000
0.28% ↑
2022年 6,147,000
1.39% ↑
2021年 6,063,000
1.24% ↑
2020年 5,989,000
-2.59% ↓
2019年 6,148,000
4.33% ↑
2018年 5,893,000
0.53% ↑
2017年 5,862,000 -
2016年 5,862,000
-0.64% ↓
2015年 5,900,000
-3.28% ↓
2014年 6,100,000
1.67% ↑
2013年 6,000,000
5.63% ↑
2012年 5,680,000
1.43% ↑
2011年 5,600,000
0.9% ↑
2010年 5,550,000
0.91% ↑
2009年 5,500,000
0.92% ↑
2008年 5,450,000
0.93% ↑
2007年 5,400,000
3.05% ↑
2006年 5,240,000
0.77% ↑
2005年 5,200,000 -
2004年 5,200,000
4% ↑
2003年 5,000,000 -
2002年 5,000,000 -
2001年 5,000,000
2.04% ↑
2000年 4,900,000 -
1999年 4,900,000
2.08% ↑
1998年 4,800,000
2.13% ↑
1997年 4,700,000
2.17% ↑
1996年 4,600,000
2.22% ↑
1995年 4,500,000
2.27% ↑
1994年 4,400,000
2.33% ↑
1993年 4,300,000
2.38% ↑
1992年 4,200,000
2.44% ↑
1991年 4,100,000
2.5% ↑
1990年 4,000,000
6.67% ↑
1989年 3,750,000
4.17% ↑
1988年 3,600,000 -
1987年 3,600,000
2.86% ↑
1986年 3,500,000
2.94% ↑
1985年 3,400,000
3.03% ↑
1984年 3,300,000 -
1983年 3,300,000
3.13% ↑
1982年 3,200,000 -
1981年 3,200,000 -
1980年 3,200,000
3.23% ↑
1979年 3,100,000
3.33% ↑
1978年 3,000,000
7.14% ↑
1977年 2,800,000
3.7% ↑
1976年 2,700,000
3.85% ↑
1975年 2,600,000 -
1974年 2,600,000
-3.7% ↓
1973年 2,700,000
-5.26% ↓
1972年 2,850,000
-3.39% ↓
1971年 2,950,000
1.72% ↑
1970年 2,900,000
3.57% ↑
1969年 2,800,000
3.7% ↑
1968年 2,700,000
3.85% ↑
1967年 2,600,000 -
1966年 2,600,000 -
1965年 2,600,000
4% ↑
1964年 2,500,000 -
1963年 2,500,000 -
1962年 2,500,000 -
1961年 2,500,000 -

チャドにおける鶏の飼養数について1961年から2022年までの推移を見てみると、全体的に増加していることが明らかです。1961年にはわずか2,500万羽で始まった飼養数が、2022年には6,147万羽に到達しています。これは約2.5倍以上の増加を意味します。この長期的な増加は、鶏肉と卵という主要なタンパク源に対する需要の拡大、飼育技術の改良、農村地域の経済成長などの影響を受けたものと考えられます。

しかし、データを細かく分析すると、全体の増加傾向の中でもいくつかの変動期間があることが分かります。1972年から1974年には連続的な減少があり、要因として当時の干ばつや政情不安、農業インフラの不足が挙げられる可能性があります。また、2015年以降では増加幅が縮小し、2015年から2020年にかけては一部で飼養数の減少も観測されています。この背景には、気候変動による干ばつリスクや家禽に影響を及ぼす疫病の発生、また新型コロナウイルスのパンデミックによって飼料供給に支障が出た可能性が示唆されます。

さらに特徴的な点として、2018年から2022年のデータを見ると、飼養数は増加と減少を繰り返しており、2020年には再び6,000万羽を割り込む減少が見られます。その後、2022年には回復し、6,147万羽に達しています。このような周期的な変動の要因として、地域の紛争や地政学的な不安定性、輸送網の整備不足などが影響している可能性があります。特にチャドは内陸国であり、周辺諸国との輸出入に物流コストがかかることから、飼料調達や市場網の安定性に課題があります。

今後の課題としては、まず第一に気候変動の影響を最小限に抑えるための持続可能な飼育システムの導入が挙げられます。例えば、高温や干ばつ条件に対応した耐性品種への投資や、飼料の多角化によってリスク分散を図ることが重要です。また、家禽の病気対策として、家禽ワクチン接種キャンペーンを強化し、広域的な衛生監視制度を導入することが必要です。併せて、物流網の整備も重要であり、周辺諸国との連携強化、例えばアフリカ連合(AU)を通じた輸送協力体制の確立が助けになるでしょう。

また、政府や国際機関による経済的支援も不可欠です。特に、小規模農家への補助金や資金援助を拡充することで、飼育規模の効率的な拡大が期待できます。これにより、国全体の食料安全保障向上にも寄与することができます。

結論として、チャドの鶏飼養数は半世紀以上にわたり着実に増加しており、農業分野における重要な資源となっています。しかしながら、気候変動や物流問題、地政学的リスクといった課題が引き続き存在するため、これらの課題に対応するための多方面での取り組みが必要です。国際的な支援と地域協力を強化しつつ、持続可能な成長を目指した政策が求められます。