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コスタリカの鶏飼養数推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した2024年7月更新のデータによると、コスタリカの鶏飼養数は1961年に2,208羽でスタートし、その後、波動を挟みながらも全体的に上昇傾向を示しています。2022年には26,362羽となり、長期的に見て1961年から10倍以上の増加を記録しました。一方で、特定の期間における停滞や減少も確認されており、各時代の経済・社会的背景が影響していると考えられます。

年度 飼養数(羽) 増減率
2023年 26,741,000
1.44% ↑
2022年 26,362,000
0.97% ↑
2021年 26,110,000
0.97% ↑
2020年 25,858,000
0.44% ↑
2019年 25,746,000
1.97% ↑
2018年 25,249,000
1.5% ↑
2017年 24,876,000
1.74% ↑
2016年 24,450,000
1.86% ↑
2015年 24,004,000
2.58% ↑
2014年 23,400,000
0.86% ↑
2013年 23,200,000
-1.69% ↓
2012年 23,600,000
3.06% ↑
2011年 22,900,000
-4.18% ↓
2010年 23,900,000
8.14% ↑
2009年 22,100,000
-5.96% ↓
2008年 23,500,000
-6.75% ↓
2007年 25,200,000
8.15% ↑
2006年 23,300,000
17.09% ↑
2005年 19,900,000
2.05% ↑
2004年 19,500,000 -
2003年 19,500,000
7.14% ↑
2002年 18,200,000
7.69% ↑
2001年 16,900,000
-1.37% ↓
2000年 17,135,000
-2.09% ↓
1999年 17,500,000
14.01% ↑
1998年 15,350,000
9.64% ↑
1997年 14,000,000
-4.11% ↓
1996年 14,600,000
8.15% ↑
1995年 13,500,000
12.5% ↑
1994年 12,000,000
3.45% ↑
1993年 11,600,000
5.45% ↑
1992年 11,000,000
4.76% ↑
1991年 10,500,000
10.53% ↑
1990年 9,500,000
-7.77% ↓
1989年 10,300,000
3% ↑
1988年 10,000,000
25% ↑
1987年 8,000,000
6.67% ↑
1986年 7,500,000 -
1985年 7,500,000
1.35% ↑
1984年 7,400,000
5.71% ↑
1983年 7,000,000
32.08% ↑
1982年 5,300,000 -
1981年 5,300,000
-3.64% ↓
1980年 5,500,000
22.22% ↑
1979年 4,500,000
28.57% ↑
1978年 3,500,000
-2.78% ↓
1977年 3,600,000
-2.7% ↓
1976年 3,700,000
-2.63% ↓
1975年 3,800,000
-2.56% ↓
1974年 3,900,000
-2.5% ↓
1973年 4,000,000
-7.66% ↓
1972年 4,332,000
8.84% ↑
1971年 3,980,000
1.45% ↑
1970年 3,923,000
6.49% ↑
1969年 3,684,000
6.5% ↑
1968年 3,459,000
6.5% ↑
1967年 3,248,000
6.49% ↑
1966年 3,050,000
6.49% ↑
1965年 2,864,000
6.51% ↑
1964年 2,689,000
6.5% ↑
1963年 2,525,000
6.95% ↑
1962年 2,361,000
6.93% ↑
1961年 2,208,000 -

コスタリカにおける鶏の飼養数推移は、同国の農業発展や経済の安定性、食料需要の変化などを示唆する指標の一つと考えられます。1961年にはわずか2,208羽であった飼養数が、その後長期にわたり着実に増加を続け、1970年代には一時的に4,000羽を突破しました。しかしながら、1972年以降1978年にかけては徐々に減少し、3,500羽まで落ち込む動きがありました。この時期は、世界的なオイルショックや国内の経済的な停滞が影響し、鶏の生産基盤にも負担がかかったと推察されます。

1980年代以降は急激な拡大が見られます。1980年の5,500羽から1988年には10,000羽へと倍増し、それ以降も安定的な成長が続きました。この増加の背景には、国内外での鶏肉や卵の需要の高まりが寄与していると考えられます。特に、人口増加と食生活の近代化に伴い、動物性たんぱく質の供給源としての鶏肉が広く受け入れられていったことが要因と言われています。

21世紀に入ると、コスタリカの鶏飼養数はさらに顕著な拡大を見せ、2022年には26,362羽の規模を記録しました。ただし、年間ごとの動きをみると、2008年から2011年にはいくつかの波動が確認され、これは2008年の世界的な金融危機や、それに続く輸入品と穀物価格の高騰が影響を与えたものと思われます。さらに近年では、2020年からの新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が農業分野に与えた影響も少なくありません。物流や労働力供給への制約にも関わらず、コスタリカが比較的安定した成長軌道を維持できた点は、同国の飼育技術や政策の強靭性を証明しています。

将来的な課題としては、気候変動の進行や農業における土地利用の競合が懸念されています。特に、地政学的リスクとして自然環境保護への国際的な圧力が強まる中、家禽業界は持続可能な資源利用と環境負荷軽減のバランスを取る必要があります。また、労働市場の変化や輸出市場の不確実性も業界全体に影響を与えうるリスクであり、これらに対応するための戦略が重要です。

具体的な対策としては、飼料の自給率向上を目的とした国内農業の多角化や、生産性を高めるための技術革新、さらには再生可能エネルギーを活用した鶏舎運営などが挙げられます。こうした取り組みは、持続可能な生産システムを構築し、輸出競争力を強化すると同時に、国内の需要を安定的に満たすために重要です。

結論として、コスタリカの鶏飼養数推移は国の農業活力や経済的動向の重要な指標であり、これを支える政策の成果が現れているといえます。一方、グローバルな環境問題や経済的不確実性に対処するには、さらなる努力と政策的な工夫が不可欠です。国際機関や地域協力を通じて、持続可能な発展に向けた技術支援や資金調達の枠組みを強化することが、次のステップとなるでしょう。