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ポルトガルの鶏飼養数の推移【1961年~2023年】世界ランキング・統計データ

FAO(国際連合食糧農業機関)が発表したデータによると、ポルトガルの鶏飼養数は1961年の850万羽から2020年の4930万羽へと持続的に増加しました。ただし、この増加は一貫したものではなく、特に1980年代後半から2000年代中頃にかけての伸びや2010年代の減少を含む幾つかの変動が見られます。2020年に飼育数が50年で大幅に増加した背景には経済成長や食文化の変化、輸出需要の高まりなどが関連していると考えられます。

年度 飼養数(羽) 増減率
2020年 49,307,000
32.45% ↑
2017年 37,228,000
11.29% ↑
2016年 33,450,000
9.11% ↑
2015年 30,656,000
7.9% ↑
2014年 28,411,000
5.97% ↑
2013年 26,810,000
-5.31% ↓
2012年 28,312,000
-6.16% ↓
2011年 30,171,000
-6.4% ↓
2010年 32,233,000
-5.23% ↓
2009年 34,012,000
-3.22% ↓
2008年 35,144,000
-2.01% ↓
2007年 35,864,000
-0.9% ↓
2006年 36,190,000
0.06% ↑
2005年 36,167,000
0.9% ↑
2004年 35,846,000
1.62% ↑
2003年 35,276,000
0.79% ↑
2002年 35,000,000
4.37% ↑
2001年 33,533,000
3.47% ↑
2000年 32,408,000
3.87% ↑
1999年 31,200,000
4.27% ↑
1998年 29,921,000
4.63% ↑
1997年 28,596,000
4.95% ↑
1996年 27,248,000
5.19% ↑
1995年 25,903,000
5.35% ↑
1994年 24,587,000
5.42% ↑
1993年 23,323,000
5.36% ↑
1992年 22,137,000
5.41% ↑
1991年 21,000,000
5% ↑
1990年 20,000,000
11.11% ↑
1989年 18,000,000
-5.26% ↓
1988年 19,000,000
5.56% ↑
1987年 18,000,000
5.88% ↑
1986年 17,000,000
17.24% ↑
1985年 14,500,000
-3.33% ↓
1984年 15,000,000
-16.67% ↓
1983年 18,000,000
5.88% ↑
1982年 17,000,000
-5.56% ↓
1981年 18,000,000
-5.26% ↓
1980年 19,000,000
5.56% ↑
1979年 18,000,000
4.05% ↑
1978年 17,300,000
-1.14% ↓
1977年 17,500,000
8.02% ↑
1976年 16,200,000
0.75% ↑
1975年 16,080,000
2.81% ↑
1974年 15,640,000
2.92% ↑
1973年 15,197,000
3.45% ↑
1972年 14,690,000
3.82% ↑
1971年 14,150,000
4.04% ↑
1970年 13,600,000
4.13% ↑
1969年 13,060,000
3.44% ↑
1968年 12,626,000
2.73% ↑
1967年 12,290,000
4.46% ↑
1966年 11,765,000
15.34% ↑
1965年 10,200,000
4.08% ↑
1964年 9,800,000
5.38% ↑
1963年 9,300,000
4.49% ↑
1962年 8,900,000
4.71% ↑
1961年 8,500,000 -
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ポルトガルの鶏飼養数の推移を見ると、1961年から2020年にかけて全体としては大幅な増加が見られます。1961年には850万羽だった飼養数は、1960年代後半から1970年代にかけて持続的に増加し、1980年に1900万羽に達しました。この時期、ポルトガル国内では鶏肉が徐々に普及し、畜産業への関心が高まったことが背景にあります。

しかし、1980年代には一時的に減少傾向が目立つ時期がありました。この現象の一因として、経済的な不安定さやヨーロッパの地政学的変化、鶏インフルエンザなどの疫病による影響が考えられます。特に1984年には1500万羽と急減しましたが、その後わずか数年で回復し、1990年には2000万羽に達しました。この回復期には、ポルトガルの欧州連合(EU)加盟が関連していると見られます。EU加盟により農業と畜産業の補助が拡大し、生産体制が強化されました。

1990年代から2000年代にかけて飼養数の増加は加速し、2004年には3500万羽を超えました。その後、2006年以降やや横ばい状態が続きましたが、2010年代になると減少に転じ、2013年には2681万羽にまで減少しました。この時期の減少は世界的な経済不況やEU加盟国全体での食品安全規制の強化、また大規模な養鶏場におけるコスト負担増大による影響が指摘されています。

一方で、2014年以降は再び増加傾向を取り戻し、2017年には3722万羽、2020年には4930万羽と過去最大の飼養数を記録しました。この急増は、食文化の変化や輸出需要の伸びに加え、高効率な生産技術の導入と生産規模の拡大が背景にあると考えられます。特にブラジルや欧州諸国を中心とした輸出が活発になり、ポルトガルの鶏肉産業の競争力向上に寄与しました。

この推移はポルトガル国内の経済成長や食生活の多様化、国際市場における需要増加などの背景を反映しており、畜産業が重要な経済基盤の一部であることを示しています。しかし、将来的な課題も見え始めています。例えば、飼養数の増加に伴い、環境負荷の増大が懸念されています。特に温室効果ガス排出や廃棄物処理、水の消費量などが指摘されており、持続可能な生産を目指す必要があります。

また、疫病リスクや国際価格競争の激化、輸出市場の依存度の高さも課題として挙げられます。アフリカ豚熱や鶏インフルエンザといった家畜伝染病の発生は、過去にも畜産業全体に大きな影響を及ぼしており、将来的にも継続的な監視体制の整備が求められます。

ポルトガルが今後持続可能な鶏飼養業界を維持するためには、効率的な資源利用技術の開発や政策支援が必要不可欠です。また、輸出依存から多角的な市場開拓を進め、地元需要を喚起する取り組みも求められるでしょう。EUとの連携を深めた食品安全基準の強化や、環境保護を重視した生産方法への移行も重要なポイントです。これに加えて、国際的な学術研究機関との協力で疫病予防の技術をブラッシュアップし、緊急時の体制を充実させることが必要です。

結論として、ポルトガルの鶏飼養数の推移は、単なる生産統計ではなく、経済や環境、世界市場における地位を反映する重要な指標です。政策や技術の進化により、これらの課題を乗り越えるための持続可能なモデルを構築できるかどうかが、今後の成否を分ける鍵となるでしょう。

ポルトガルの統計データ
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