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ブルガリアの鶏飼養数の推移【1961年~2023年】世界ランキング・統計データ

国際連合食糧農業機関(FAO)が更新した最新データによると、ブルガリアの鶏飼養数は1961年に22,241千羽であったのに対し、2020年には17,177千羽と減少しています。この約60年間でのピークは1984年の41,390千羽ですが、それ以降は大きな減少が見られています。特に1990年代初頭からの急激な減少が顕著で、近年は低い水準で推移しています。

年度 飼養数(羽) 増減率
2020年 17,177,000
-17.39% ↓
2019年 20,793,000
10.42% ↑
2018年 18,830,000
6.16% ↑
2017年 17,738,000
24.41% ↑
2016年 14,258,000
9.93% ↑
2015年 12,970,000
11.19% ↑
2014年 11,665,000
-15.7% ↓
2013年 13,837,000
5.22% ↑
2012年 13,150,000
-6.49% ↓
2011年 14,063,000
-12.12% ↓
2010年 16,002,000
1.5% ↑
2009年 15,765,000
-4.02% ↓
2008年 16,426,000
-8.54% ↓
2007年 17,959,000
4.38% ↑
2006年 17,205,000
0.26% ↑
2005年 17,160,000
-8.41% ↓
2004年 18,736,000 -
2003年 18,736,000
19.34% ↑
2002年 15,700,000
20.77% ↑
2001年 13,000,000
-2.26% ↓
2000年 13,300,000
-7.64% ↓
1999年 14,400,000
5.88% ↑
1998年 13,600,000
-10.09% ↓
1997年 15,127,000
-12.81% ↓
1996年 17,349,000
-2.65% ↓
1995年 17,822,000
4.16% ↑
1994年 17,111,000
-10.05% ↓
1993年 19,022,000
-9.02% ↓
1992年 20,907,000
-22.56% ↓
1991年 26,998,000
-22.94% ↓
1990年 35,033,000
-13.44% ↓
1989年 40,471,000
0.59% ↑
1988年 40,232,000
4.59% ↑
1987年 38,466,000
1.38% ↑
1986年 37,944,000
-6.69% ↓
1985年 40,666,000
-1.75% ↓
1984年 41,390,000
0.75% ↑
1983年 41,083,000
5.98% ↑
1982年 38,765,000
-2.79% ↓
1981年 39,877,000
1.82% ↑
1980年 39,164,000
2.17% ↑
1979年 38,331,000
-1.78% ↓
1978年 39,025,000
4.54% ↑
1977年 37,329,000
4.01% ↑
1976年 35,891,000
9.78% ↑
1975年 32,694,000
-4.74% ↓
1974年 34,320,000
6.63% ↑
1973年 32,187,000
2.77% ↑
1972年 31,319,000
0.85% ↑
1971年 31,056,000
13.64% ↑
1970年 27,329,000
20.52% ↑
1969年 22,675,000
-9.5% ↓
1968年 25,055,000
16.84% ↑
1967年 21,443,000
12.87% ↑
1966年 18,998,000
-5.56% ↓
1965年 20,117,000
-1.87% ↓
1964年 20,500,000
3.3% ↑
1963年 19,845,000
-8.01% ↓
1962年 21,574,000
-3% ↓
1961年 22,241,000 -
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ブルガリアの鶏飼養数の動向を見ると、特に1960年代から1980年代後半までは増加傾向が続きました。この時期は社会主義体制のもと、農業や畜産が重要な経済活動として推進されており、組織的な農業運営が成長を支えていたと考えられます。しかし1989年の社会主義体制崩壊と、それに続く経済の自由化を経て、1990年代初頭には鶏飼養数が急激に減少しました。これは、経済移行期の混乱や、農場の民営化に伴う効率性や資金不足による生産縮小が背景にあると考えられます。

1990年代末から2000年代にかけて、ブルガリアの鶏飼養数はさらに低下傾向を継続しましたが、この間に鶏肉や鶏卵の需要が国内外で増加したことから一部の回復の兆しが見られました。特に2003年以降、欧州連合(EU)加盟に向けた標準化や支援政策の導入が進み、2002年の15,700千羽から2003年には18,736千羽まで急増しています。しかしその後も数値の安定には至らず、2010年代中盤には再び下降傾向を示しました。

2018年から2019年にかけては、過去数十年間では珍しい増加が確認され、18,830千羽から20,793千羽まで増えています。この動きには、鶏肉の輸出需要の増加、新しい家禽飼育技術の採用、ならびにEU農業補助金の活用が寄与した可能性があります。とはいえ、2020年には再度17,177千羽まで減少しており、情勢の不安定さが露呈しています。この最新の減少は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行による物流や生産チェーンへの影響、また国内外の需要低下が因果関係として考えられます。

地政学的背景も無視できない要因です。例えば、ブルガリアはEU加盟国でありつつも、その農業産業は近隣のトルコやウクライナなど、安価に供給可能な国々との競争に直面しています。さらに鶏飼養数の低下が食糧安全保障に与える影響も指摘されています。現在、国内消費用だけでなく輸出市場も視野に入れる必要があり、これは政策面での多角的な支援を求める課題となっています。

将来的な課題を克服するためには、いくつかの具体的な対策が考えられます。一つは環境に適応した家禽飼育技術への投資推進です。これには、感染症対策を含む生物安全対策の強化や、効率的な飼料利用の導入が含まれます。もう一つは、地域協力の強化です。近隣諸国やEUとの連携を進め、標準化された品質管理基準を守ることで、輸出市場での競争力を高めることが可能です。また、地元消費者や農業従事者への教育とインセンティブの強化も重要です。鶏肉や鶏卵の地場消費を促進するために「地産地消」キャンペーンを展開することは、地域経済の活性化に寄与します。

結論として、ブルガリアの鶏飼養産業は過去数十年間で大きな変化を経験しており、現在も不安定な状況です。しかし、技術革新や国際協力などの具体的な施策によって、持続可能な成長を実現する可能性が十分にあります。政府や関係機関が今後積極的に政策支援を行うことで、国内のみならず国際市場においても発展を遂げることが期待されます。

ブルガリアの統計データ
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