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パキスタンの鶏飼養数推移(1961年~2023年)

FAO(国際連合食糧農業機関)が発表した最新のデータによると、パキスタンの鶏飼養数は1961年の1,150万羽から2022年には1億7,250万羽にまで増加しました。この期間、特に1990年代以降の成長が顕著で、急激な増加が見られます。近年では安定した成長を続けており、農家規模の拡大、鶏肉や卵の需要増加が背景にあると考えられます。

年度 飼養数(羽) 増減率
2023年 1,887,000,000
9.39% ↑
2022年 1,725,000,000
9.32% ↑
2021年 1,578,000,000
9.36% ↑
2020年 1,443,000,000
9.24% ↑
2019年 1,321,000,000
9.17% ↑
2018年 1,210,000,000
9.21% ↑
2017年 1,108,000,000
11.37% ↑
2016年 994,900,000
6.86% ↑
2015年 931,000,000
8.89% ↑
2014年 855,000,000
8.92% ↑
2013年 785,000,000
6.7% ↑
2012年 735,700,000
8.75% ↑
2011年 676,500,000
8.69% ↑
2010年 622,400,000
8.53% ↑
2009年 573,500,000
8.49% ↑
2008年 528,600,000
8.61% ↑
2007年 486,700,000
8.16% ↑
2006年 450,000,000
22.52% ↑
2005年 367,300,000
2.08% ↑
2004年 359,800,000
1.87% ↑
2003年 353,200,000
4.9% ↑
2002年 336,700,000
12.84% ↑
2001年 298,400,000
3.68% ↑
2000年 287,800,000
1.45% ↑
1999年 283,700,000
0.75% ↑
1998年 281,600,000
-27.76% ↓
1997年 389,800,000
9.16% ↑
1996年 357,100,000
9.78% ↑
1995年 325,300,000
27.52% ↑
1994年 255,100,000
36.93% ↑
1993年 186,300,000
16.88% ↑
1992年 159,400,000
6.27% ↑
1991年 150,000,000
89.87% ↑
1990年 79,000,000
-0.38% ↓
1989年 79,300,000
1.67% ↑
1988年 78,000,000
10.33% ↑
1987年 70,700,000
5.52% ↑
1986年 67,000,000
0.3% ↑
1985年 66,800,000
8.44% ↑
1984年 61,600,000
8.07% ↑
1983年 57,000,000
11.33% ↑
1982年 51,200,000
6.67% ↑
1981年 48,000,000
6.19% ↑
1980年 45,200,000
18.95% ↑
1979年 38,000,000
5.56% ↑
1978年 36,000,000
5.88% ↑
1977年 34,000,000
9.68% ↑
1976年 31,000,000
14.81% ↑
1975年 27,000,000
17.39% ↑
1974年 23,000,000
15% ↑
1973年 20,000,000
17.65% ↑
1972年 17,000,000 -
1971年 17,000,000
1.19% ↑
1970年 16,800,000 -
1969年 16,800,000
5% ↑
1968年 16,000,000
1.27% ↑
1967年 15,800,000
5.33% ↑
1966年 15,000,000
7.14% ↑
1965年 14,000,000
1.45% ↑
1964年 13,800,000
6.15% ↑
1963年 13,000,000
8.33% ↑
1962年 12,000,000
4.35% ↑
1961年 11,500,000 -

1961年から2022年にわたるパキスタンの鶏飼養数のデータを分析すると、全体的に顕著な増加傾向が見られます。1961年には約1,150万羽でしたが、約60年でおよそ15倍にも達し、2022年には1億7,250万羽に到達しています。この成長には、人口増加、都市化、および食事の多様化などの要因が大きく影響しています。特に1990年代初頭から2000年代にかけては、生産規模が大幅に増加しており、1991年には一挙に1億5000万羽を超える大幅な増加が見られます。

この増加にはいくつかの背景があります。まず、パキスタンの人口は2022年時点で2億3000万人を超えており、食料としての鶏肉および卵の需要が増えています。また、鶏肉や卵は比較的安価で栄養価が高い食品であり、広い所得層に受け入れられやすい点が特筆されます。さらに、近年は産業規模の近代化が進み、効率的な飼養技術や飼料供給システムの導入がその成長を支えました。

ただし、鶏飼養数の急激な増加には課題も見られます。例えば、1998年には飼養数が前年の約3億8900万羽から約2億8160万羽と大幅に減少しています。このような大幅な変動の背景には、疫病の発生や経済的要因が関与している可能性が考えられます。鶏インフルエンザなどの感染症は、鶏産業に壊滅的な影響を与えることが知られており、これが過去に大きな減少を引き起こした可能性があります。

さらに、地政学的リスクや気候変動は今後の鶏飼養数にも影響を与える可能性があります。パキスタンは水資源不足や気候変動の影響を受けやすい地域であり、これが飼料生産コストの上昇や鶏の健康状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。また、都市部への移住が進む一方で、農地の利用可能性が低下することも、生産性に影響を及ぼす要因となるかもしれません。

将来的な課題を解決し、安定した成長を維持するためにはいくつかの具体的な対策が必要です。一つは、鶏の健康管理体制の強化です。例えば、ワクチンプログラムの全国的な実施や感染症の早期検出技術の導入が有効です。また、飼料供給の効率化と価格の安定化を図ることも重要です。気候変動への対応としては、耐乾燥性のある飼料作物の研究開発を進めることが求められます。

さらに、国際協力の枠組みを強化し、輸出業務の拡大を図ることも有望です。パキスタン産の鶏肉や卵を近隣諸国や中東地域に輸出することで、国内産業の収益を増大させ、持続可能な経済発展に寄与することが期待されています。

結論として、パキスタンの鶏飼養業は過去数十年で著しい発展を遂げてきましたが、今後は疫病管理、環境対策、資源利用の効率化といった新たな課題に対応しながら成長を続ける必要があります。国家レベルでの政策強化だけではなく、国際的な協力や革新的な技術導入にも積極的に取り組むことが求められています。