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インドネシアの鶏飼養数推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、インドネシアの鶏飼養数は1961年から2022年まで一貫して増加を示し、特に2000年代以降急激な成長を見せています。2017年以降4000万羽を超える見通しで大幅な増加が記録された一方、2020年から2021年には減少が見られました。こうした増減の背景には、経済の変動や環境要因、新型コロナウイルス感染症の影響が関連しています。

年度 飼養数(羽) 増減率
2023年 3,702,487,000
6.32% ↑
2022年 3,482,427,000
8.98% ↑
2021年 3,195,600,000
-10.49% ↓
2020年 3,570,142,000
-6.25% ↓
2019年 3,808,057,000
2.9% ↑
2018年 3,700,618,000
6.3% ↑
2017年 3,481,181,000
66.72% ↑
2016年 2,088,079,000
6.07% ↑
2015年 1,968,641,000
5.55% ↑
2014年 1,865,126,000
4.02% ↑
2013年 1,793,022,000
8.16% ↑
2012年 1,657,684,000
5.79% ↑
2011年 1,566,967,000
16.1% ↑
2010年 1,349,626,000
-2.75% ↓
2009年 1,387,760,000
10.72% ↑
2008年 1,253,431,000
-1.72% ↓
2007年 1,275,400,000
7.28% ↑
2006年 1,188,814,000
1.18% ↑
2005年 1,174,933,000
2.22% ↑
2004年 1,149,374,000
-4.56% ↓
2003年 1,204,310,000
-1.16% ↓
2002年 1,218,406,000
26.9% ↑
2001年 960,164,000
11.71% ↑
2000年 859,497,000
38.06% ↑
1999年 622,531,000
-3.56% ↓
1998年 645,518,000
-33.65% ↓
1997年 972,832,000
-11.19% ↓
1996年 1,095,375,000
8.62% ↑
1995年 1,008,444,000
8.49% ↑
1994年 929,560,000
15.36% ↑
1993年 805,788,000
9.52% ↑
1992年 735,773,000
10.85% ↑
1991年 663,759,000
16.21% ↑
1990年 571,163,000
15.43% ↑
1989年 494,803,000
10.36% ↑
1988年 448,336,000
5.11% ↑
1987年 426,556,000
13.6% ↑
1986年 375,475,000
13.38% ↑
1985年 331,159,000
7.89% ↑
1984年 306,954,000
40.42% ↑
1983年 218,597,000
12.56% ↑
1982年 194,209,000
6.18% ↑
1981年 182,908,000
22.55% ↑
1980年 149,250,000
22.98% ↑
1979年 121,358,000
5.54% ↑
1978年 114,987,000
6.97% ↑
1977年 107,493,000
4.99% ↑
1976年 102,382,000
3.97% ↑
1975年 98,475,000
-3.55% ↓
1974年 102,100,000
24.35% ↑
1973年 82,108,000
-0.63% ↓
1972年 82,627,000
9.24% ↑
1971年 75,640,000
19.39% ↑
1970年 63,358,000
1.41% ↑
1969年 62,476,000
1.8% ↑
1968年 61,369,000
-5.73% ↓
1967年 65,100,000
3.33% ↑
1966年 63,000,000
0.8% ↑
1965年 62,500,000
0.81% ↑
1964年 62,000,000
1.64% ↑
1963年 61,000,000
0.83% ↑
1962年 60,500,000
0.83% ↑
1961年 60,000,000 -

インドネシアの鶏飼養数は1961年の60,000羽から2022年の3,482,427羽へと大幅に増加しており、この成長は60年間で約58倍に達しています。このデータは鶏の飼育がインドネシアの農業分野において重要な位置を占めていることを示しています。鶏肉と鶏卵は、国内で消費される主要なタンパク源であり、人口増加や経済成長とともに飼養数の増大が続きました。

特に注目すべきは、1970年代後半以降の生産数の加速度的な増加です。この時期は鶏肉の供給ニーズが増えただけでなく、技術革新による飼養効率の向上、そして農業政策の支援が背景として挙げられます。インフラ整備や家畜マーケットの拡大も重要な要因でした。さらに1980年代以降、輸出規模の拡大や国内都市部での需要増大も影響しています。

一方、注視すべき課題として、1997年と1998年にはアジア金融危機、さらに2020年から2021年には新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による経済停滞が、鶏飼養数の減少に繋がっています。このような経済的・社会的危機の際には、輸送やサプライチェーンの混乱、また消費者の購買力低下が農業部門へ直接的な影響を及ぼすことが多いため、継続的なリスク管理が求められました。

また、気候変動の影響は農業や畜産業にとって緊迫した課題です。インドネシアは熱帯地域に位置し、多雨や洪水、干ばつなどの自然災害を頻繁に経験しています。これらの災害は、鶏の飼育環境や飼料供給に影響を及ぼし、鶏飼養数の安定供給を損なう要因となっています。

今後、安定的な鶏肉供給と持続可能な農業を実現するためには、いくつかの具体的な対策が必要です。まず、家畜管理に関する技術革新の促進が注目されます。例えば、気候に応じた耐性の高い鶏種の開発や、低環境負荷の飼料供給ラインの構築が推奨されます。また、地域ごとのサプライチェーン強化と物流インフラの整備も重要です。地元の農家を支援する政策の実施は、特に小規模農家の生計を確保する上で役立つでしょう。

国際的視点においては、他国との協力体制の構築が鍵となります。特に日本やアメリカ、インドのような農牧業の要素を取り入れている国々との技術交流は、相互の成長に寄与する可能性があります。また、アセアン地域内での農畜産輸出入の公平性を確立することで、地政学的な不安定性を減らすことも重要です。

最後に、多角的リスクを考慮した政策枠組みを強化する必要があります。災害時や疫病流行時に市場供給が途絶えることのないよう、国家規模での危機対策を進めるべきです。長期的にみれば、持続可能な鶏飼養産業の発展はインドネシア国内の食糧安全保障の基盤を強化し、地域全体の安定にも寄与するでしょう。

以上のようなデータ分析を通じ、リスクと成長の機会を的確に捉えることが、インドネシアが今後直面する課題を乗り越える鍵となります。