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ガンビアの鶏飼養数推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新のデータによると、ガンビアの鶏飼養数は、1961年から2022年にかけて大きな変動を見せています。特に1961年から1994年にかけては増加傾向を示し、1980年代後半から1990年代初頭にかけて急成長しました。一時的な減少も見られるものの、2000年代後半にかけて再び増加し、2011年には初めて1,000万羽を超えました。しかし、2016年以降は減少基調に転じ、2022年には約1,005万羽となっています。この長期的な推移には、経済状況や地政学的影響、気候変動などの要因が関連していると考えられます。

年度 飼養数(羽) 増減率
2023年 994,000
-1.09% ↓
2022年 1,005,000
1.11% ↑
2021年 994,000
1.22% ↑
2020年 982,000
-3.63% ↓
2019年 1,019,000
-2.3% ↓
2018年 1,043,000
-0.57% ↓
2017年 1,049,000
-8.86% ↓
2016年 1,151,000
-26.41% ↓
2015年 1,564,000
9.07% ↑
2014年 1,434,000
7.5% ↑
2013年 1,334,000
4.71% ↑
2012年 1,274,000
27.4% ↑
2011年 1,000,000
17.65% ↑
2010年 850,000
6.25% ↑
2009年 800,000
11.11% ↑
2008年 720,000
0.28% ↑
2007年 718,000
10.46% ↑
2006年 650,000
-0.31% ↓
2005年 652,000
-4.4% ↓
2004年 682,000
13.86% ↑
2003年 599,000
1.35% ↑
2002年 591,000
0.85% ↑
2001年 586,000
-6.98% ↓
2000年 630,000
8.25% ↑
1999年 582,000
13.67% ↑
1998年 512,000
-19.87% ↓
1997年 639,000
22.65% ↑
1996年 521,000
-27.64% ↓
1995年 720,000
-11.55% ↓
1994年 814,000
10% ↑
1993年 740,000
9.96% ↑
1992年 673,000
9.97% ↑
1991年 612,000
9.87% ↑
1990年 557,000
10.08% ↑
1989年 506,000
10% ↑
1988年 460,000
10.05% ↑
1987年 418,000
10% ↑
1986年 380,000
10.14% ↑
1985年 345,000
-1.43% ↓
1984年 350,000
9.38% ↑
1983年 320,000
6.67% ↑
1982年 300,000
5.26% ↑
1981年 285,000
3.64% ↑
1980年 275,000
5.77% ↑
1979年 260,000
4% ↑
1978年 250,000
-3.85% ↓
1977年 260,000
-13.33% ↓
1976年 300,000
7.14% ↑
1975年 280,000
7.69% ↑
1974年 260,000
3.17% ↑
1973年 252,000
0.8% ↑
1972年 250,000
0.81% ↑
1971年 248,000
1.22% ↑
1970年 245,000
1.24% ↑
1969年 242,000
0.83% ↑
1968年 240,000
0.42% ↑
1967年 239,000
8.64% ↑
1966年 220,000
10% ↑
1965年 200,000
11.11% ↑
1964年 180,000
9.76% ↑
1963年 164,000
-8.89% ↓
1962年 180,000
-5.26% ↓
1961年 190,000 -

ガンビアにおける鶏飼養数の推移は、同国の農業状況や社会経済の変遷を反映する重要な指標といえます。1961年、飼養数は190万羽と報告されましたが、その後、1970年代初頭まで緩やかな増加が続きました。この時期は、アフリカ諸国における独立後の社会基盤整備が進められていた背景が関係したと考えられます。1970年代半ばには増加ペースが加速しはじめ、1980年代には350万羽を超えるまでに成長しました。この拡大は、農村地域での鶏飼育が食料供給や経済活動において重要な役割を果たしたためと推察されます。

特筆すべきは、1986年から1994年にかけての急激な増加です。この期間、鶏飼養数は約380万羽から814万羽にまで倍増しました。この成長の背後には、国内および周辺国の農業政策による家禽産業の支援や市場需要の増加が影響していると考えられます。しかし1995年以降は、720万羽まで急減。その後も1990年代後半は飼養数が不安定であり、気候変動や地政学的状況の悪化が畜産分野に影響を与えた可能性が考えられます。

2000年代後半から2015年までは再び増加基調に入り、2015年には1,564万羽にまで達しました。これは都市化の進行や、食肉需要の増大から鶏肉生産への依存が高まった時期と一致します。しかしながら2016年になると飼養数は再び減少し、1,000万羽前後まで縮小しました。この減少の背景には、気候変動による降水パターンの変化や、感染症が家禽に与えた影響がある可能性が指摘されています。また、同時期には原材料価格の高騰や農業の低生産性が影響を与えたことも考えられます。

ガンビアにおける鶏飼養数の動向は、同地域の経済や農業の発展に重要な示唆を与えます。しかし、データからはいくつかの課題も浮かび上がります。第一に、気候変動による降水量の不安定さが農村経済に悪影響を与えていることが挙げられます。第二に、感染症対策の不備や家禽飼育技術の遅れが、長期的な飼育数減少を招いている可能性があります。

こうした課題に対処するため、具体的には、家禽のワクチン接種の推進や、気候変動の影響を軽減するための耐性品種の導入が必要です。また、小規模農家向けの金融支援や技術支援を拡充し、国内の農業生産性を高めることが重要です。さらに、地域間の協力を強化し、高品質な資料や飼料供給のネットワーク構築を進めることで、安定的な生産基盤を整えるべきです。

ガンビアの家禽産業の発展は、食料安全保障や農村の経済的安定、さらには輸出競争力の向上に寄与する可能性を秘めています。今後は、国際機関や地域パートナーシップを活用しながら、持続可能な政策を導入することがヨーロッパやアジアの成功事例に学ぶべき課題です。中国やインドなどの発展途上国での家禽産業発展事例を参考に、技術移転を促進し、持続可能な成長モデルを形成することが期待されます。