トンガの鶏飼養数推移（1961年～2023年）

出典： Food and Agriculture Organization「国際連合食糧農業機関」

国際連合食糧農業機関（FAO）の最新データによれば、トンガにおける鶏の飼養数は長期的に増加傾向を示しています。1961年時点では49羽だったものが、2022年には339羽に達しました。しかし、この間には短期的な減少や停滞の時期もみられ、特に1970年代初期には急激な減少が観察されます。それ以降は基本的に安定的な増加または一定数を維持し、特に2000年以降は約300羽を超える水準で推移しています。2020年代に入ってからも緩やかな増加が続いています。

年度	飼養数(羽)	増減率
2023年	340,000	0.29% ↑
2022年	339,000	0.3% ↑
2021年	338,000	0.3% ↑
2020年	337,000	-
2019年	337,000	0.6% ↑
2018年	335,000	0.6% ↑
2017年	333,000	0.6% ↑
2016年	331,000	0.3% ↑
2015年	330,000	0.3% ↑
2014年	329,000	-0.3% ↓
2013年	330,000	0.61% ↑
2012年	328,000	0.92% ↑
2011年	325,000	-1.52% ↓
2010年	330,000	-
2009年	330,000	-
2008年	330,000	-
2007年	330,000	10% ↑
2006年	300,000	-
2005年	300,000	-
2004年	300,000	-
2003年	300,000	-
2002年	300,000	-
2001年	300,000	-
2000年	300,000	-
1999年	300,000	-
1998年	300,000	-
1997年	300,000	-
1996年	300,000	12.78% ↑
1995年	266,000	23.72% ↑
1994年	215,000	-
1993年	215,000	2.38% ↑
1992年	210,000	5% ↑
1991年	200,000	-
1990年	200,000	-23.95% ↓
1989年	263,000	-21.96% ↓
1988年	337,000	12.33% ↑
1987年	300,000	7.14% ↑
1986年	280,000	5.26% ↑
1985年	266,000	131.3% ↑
1984年	115,000	-5.74% ↓
1983年	122,000	-41.9% ↓
1982年	210,000	5% ↑
1981年	200,000	36.99% ↑
1980年	146,000	-4.58% ↓
1979年	153,000	-5.56% ↓
1978年	162,000	54.29% ↑
1977年	105,000	-28.08% ↓
1976年	146,000	28.07% ↑
1975年	114,000	103.57% ↑
1974年	56,000	30.23% ↑
1973年	43,000	-2.27% ↓
1972年	44,000	-34.33% ↓
1971年	67,000	-16.25% ↓
1970年	80,000	-26.61% ↓
1969年	109,000	-17.42% ↓
1968年	132,000	12.82% ↑
1967年	117,000	39.29% ↑
1966年	84,000	18.31% ↑
1965年	71,000	7.58% ↑
1964年	66,000	10% ↑
1963年	60,000	9.09% ↑
1962年	55,000	12.24% ↑
1961年	49,000	-

トンガは南太平洋の島国で、小規模な農業と畜産が長らく地域経済と食料安全保障を支えてきました。鶏の飼養数は国全体の農業生産構造における重要な一要素であり、家庭用の食料から小規模事業に至るまで多くの側面で利用されています。データには、最初の記録となる1961年の49羽から始まり、2022年には339羽に至るまでの増減が明示されています。この拡大の背景には、小規模農業の発展、生活水準の向上、そして食料供給安定化への取り組みが含まれます。

ただし、一部の年間データには興味深い変動が見られます。例えば、1970年代初頭には飼養数が急激に減少しており、その後1975年から再び増加に転じています。この時期を境に増減を繰り返しながらも、中長期的には上向きのトレンドを示していることがわかります。特に1985年以降は大きな伸びを見せ、1996年からは300羽前後で安定し始めました。2007年以降には330羽を超える水準で推移しており、近年でもわずかですが増加が続いていることが確認されています。

トンガの鶏飼養数は地域の経済環境や政策的な影響を強く受けるため、このデータは単なる数字以上に深い社会的・経済的背景を反映しています。1970年代の減少は、世界的なエネルギー危機や地域的な自然災害、生産コストの上昇が影響していた可能性があります。また、1980年代以降の増加については、国際的な技術支援や農業改革、飼料供給の改善などが寄与したと考えられます。

未来の課題としては、トンガが地理的に孤立した島国であるため、持続可能な生産体系をいかに確立するかが重要です。輸入飼料やエネルギーへの過度な依存を軽減し、地域資源を活用した持続可能な畜産モデルを構築することが求められます。そのためには、地元農家への研修や技術支援を充実させると同時に、国際間交流や援助を強化し、競争力を高める必要があります。

さらに、世界全体の地政学的リスクや物流の課題がトンガの鶏生産にどのような影響をもたらすかも注視する必要があります。新型コロナウイルスの流行による物流停滞を契機に、食料生産の自給率向上が一層重要視されており、鶏の飼養を含めた地域的な生産拡大への政策的関与が期待されます。

結論として、トンガにおける鶏の飼養数の推移は、長期的には増加基調を維持しているものの、短期的な変動要因への柔軟な対応が求められます。環境変化や外的ショックの影響を最小限にとどめるためには、資源管理や技術革新を通じた持続可能な生産体制の確立が不可欠です。そして、国際機関や地域協力の枠組みを活用することで、安定した畜産業の発展が実現できるでしょう。