国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、リベリアの鶏飼養数は1961年には約1,200羽から継続的に増加を示しており、2022年には約8,484羽に達しています。特に1980年代初頭に大幅な増加が見られ、一方で1990年から1999年にかけては飼養数の減少と停滞が観察されました。その後は2000年代以降、増加傾向が再び継続し、現在も成長を続けています。データは、鶏飼養がリベリア社会の重要な一部であり、食料供給や農業経済における役割を反映しています。
リベリアの鶏飼養数推移(1961年~2023年)
年度 | 飼養数(羽) | 増減率 |
---|---|---|
2023年 | 8,548,000 |
0.75% ↑
|
2022年 | 8,484,000 |
2.38% ↑
|
2021年 | 8,287,000 |
2.25% ↑
|
2020年 | 8,105,000 |
2.12% ↑
|
2019年 | 7,937,000 |
-0.5% ↓
|
2018年 | 7,977,000 |
1.3% ↑
|
2017年 | 7,875,000 |
1.23% ↑
|
2016年 | 7,779,000 |
1.24% ↑
|
2015年 | 7,684,000 |
1.11% ↑
|
2014年 | 7,600,000 | - |
2013年 | 7,600,000 |
4.11% ↑
|
2012年 | 7,300,000 |
2.82% ↑
|
2011年 | 7,100,000 |
4.41% ↑
|
2010年 | 6,800,000 |
4.62% ↑
|
2009年 | 6,500,000 |
4% ↑
|
2008年 | 6,250,000 |
5.57% ↑
|
2007年 | 5,920,000 |
5.71% ↑
|
2006年 | 5,600,000 |
5.66% ↑
|
2005年 | 5,300,000 |
6% ↑
|
2004年 | 5,000,000 |
4.17% ↑
|
2003年 | 4,800,000 |
6.67% ↑
|
2002年 | 4,500,000 |
4.65% ↑
|
2001年 | 4,300,000 |
7.5% ↑
|
2000年 | 4,000,000 |
14.29% ↑
|
1999年 | 3,500,000 | - |
1998年 | 3,500,000 | - |
1997年 | 3,500,000 | - |
1996年 | 3,500,000 | - |
1995年 | 3,500,000 | - |
1994年 | 3,500,000 | - |
1993年 | 3,500,000 | - |
1992年 | 3,500,000 |
-2.78% ↓
|
1991年 | 3,600,000 |
-5.26% ↓
|
1990年 | 3,800,000 |
-5% ↓
|
1989年 | 4,000,000 |
2.56% ↑
|
1988年 | 3,900,000 | - |
1987年 | 3,900,000 |
5.41% ↑
|
1986年 | 3,700,000 |
5.71% ↑
|
1985年 | 3,500,000 |
7.69% ↑
|
1984年 | 3,250,000 |
8.33% ↑
|
1983年 | 3,000,000 |
7.14% ↑
|
1982年 | 2,800,000 |
7.69% ↑
|
1981年 | 2,600,000 |
8.33% ↑
|
1980年 | 2,400,000 |
4.35% ↑
|
1979年 | 2,300,000 |
4.55% ↑
|
1978年 | 2,200,000 |
5.77% ↑
|
1977年 | 2,080,000 |
4% ↑
|
1976年 | 2,000,000 |
2.56% ↑
|
1975年 | 1,950,000 |
2.63% ↑
|
1974年 | 1,900,000 |
2.7% ↑
|
1973年 | 1,850,000 |
2.78% ↑
|
1972年 | 1,800,000 |
2.86% ↑
|
1971年 | 1,750,000 |
6.06% ↑
|
1970年 | 1,650,000 |
3.13% ↑
|
1969年 | 1,600,000 |
3.23% ↑
|
1968年 | 1,550,000 |
3.33% ↑
|
1967年 | 1,500,000 |
3.45% ↑
|
1966年 | 1,450,000 |
3.57% ↑
|
1965年 | 1,400,000 |
3.7% ↑
|
1964年 | 1,350,000 |
3.85% ↑
|
1963年 | 1,300,000 |
4% ↑
|
1962年 | 1,250,000 |
4.17% ↑
|
1961年 | 1,200,000 | - |
リベリアの鶏飼養数の推移データを分析すると、同国における鶏の飼養がどのように成長と停滞を繰り返しながら現在の状況に至ったのかを理解することができます。
まず、1961年から1980年にかけて、鶏飼養数は着実に増加しており、これはリベリアにおける基礎的な農業インフラの発展が進んだこと、および家禽(鶏など)を用いた食料供給システムの拡充が要因として考えられます。しかし、1990年代に入ると鶏の飼養数は減少し、その後長期間にわたり停滞が続きました。この時期にはリベリア内戦(1989年-2003年)の影響が甚大であり、紛争によって国内の農業活動が大きく損なわれたことが背景にあります。地政学的リスクが生産活動に悪影響を及ぼした例として挙げられます。
2000年代に入ると状況は改善を見せ、鶏飼養数は2000年以降急速な増加に転じました。この回復は、内戦終結後の復興期における農業政策や国外からの経済援助によると思われます。さらに2016年以降も持続的な成長傾向が確認されることから、農業セクターの復興が着実に進んでいることが示唆されます。例えば、2016年からの年間平均増加率が約105羽であることは、持続可能な増加を意味しています。
一方で、いくつかの課題も見られます。鶏飼養の効率を高めるための飼料供給問題や疾病管理体制の整備などが求められます。特に家禽の感染症対策は、国全体の食料安全保障や感染症拡散防止のためにも極めて重要です。また、地球規模の新型コロナウイルス(COVID-19)流行の際には、国境封鎖やサプライチェーンの混乱が懸念されましたが、リベリアの鶏飼養数増加は比較的影響を受けなかったことがデータからも読み取れます。
将来的には、鶏飼養数の増加をさらに加速させつつ、その質を高めるための長期的なビジョンが必要です。具体的には、小規模生産者を中心とした飼育ノウハウの教育、公共衛生対策としての家禽疾病モニタリングシステムの強化、輸出を視野に入れた品質基準の導入などが提案されます。また、多国間協力を推進するための国際的な資金援助を活用した家禽産業インフラの整備も重要です。
結論として、リベリアの鶏飼養数の増加は国の復興と農業発展の象徴的な成果と言えますが、今後の持続的な成長と食料安全保障の確保には計画的な政策措置と国際的な支援が必要です。特に安定した社会環境の維持と農業関連インフラのさらなる改善が、国家全体の成長にも寄与するでしょう。