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パラグアイの鶏飼養数推移(1961-2022)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が最新のデータとして2024年7月に発表した統計によると、パラグアイにおける鶏の飼養数は1961年の5,300羽から2022年には25,875羽へと約4.9倍に増加しています。この間、特に1970年代から1980年代にかけて着実な増加が見られ、最近では2017年以降に大きな伸びが記録されています。一方で、一部の年では増加が停滞したほか、一時的な減少も観察されました。

年度 飼養数(羽)
2022年 25,875.00
2021年 26,238.00
2020年 24,754.00
2019年 24,754.00
2018年 21,280.00
2017年 22,316.00
2016年 17,466.00
2015年 17,294.00
2014年 17,096.00
2013年 16,906.00
2012年 16,722.00
2011年 16,546.00
2010年 16,376.00
2009年 16,213.00
2008年 16,056.00
2007年 20,000.00
2006年 19,000.00
2005年 18,000.00
2004年 17,857.00
2003年 16,744.00
2002年 15,504.00
2001年 15,350.00
2000年 15,198.00
1999年 15,047.00
1998年 15,000.00
1997年 14,835.00
1996年 14,152.00
1995年 14,052.00
1994年 13,253.00
1993年 11,681.00
1992年 11,973.00
1991年 11,234.00
1990年 17,047.00
1989年 16,915.00
1988年 16,325.00
1987年 15,448.00
1986年 14,569.00
1985年 13,450.00
1984年 12,413.00
1983年 12,863.00
1982年 11,839.00
1981年 11,115.00
1980年 12,000.00
1979年 12,471.00
1978年 11,351.00
1977年 10,141.00
1976年 9,347.00
1975年 9,014.00
1974年 8,634.00
1973年 8,208.00
1972年 6,439.00
1971年 6,281.00
1970年 6,210.00
1969年 6,360.00
1968年 6,400.00
1967年 6,399.00
1966年 6,094.00
1965年 6,296.00
1964年 5,655.00
1963年 5,518.00
1962年 5,384.00
1961年 5,300.00

パラグアイの鶏飼養数は、1961年から2022年までの長期的な推移を見ると、全体的な増加基調が顕著です。1960年代から1970年代にかけては、年々安定した長期的上昇が見られ、1973年における大幅な増加(前年の6,439羽から8,208羽へ)は、この時期における養鶏産業の成長を象徴しています。特に、1970年代後半以降は、養鶏に関連する技術や経済支援の拡充、都市部や農村部における鶏肉需要の高まりなどが背景にあると考えられます。

一方、1980年代初頭から1990年代にかけてのデータでは、増加速度が低下し、不安定な変動が見られる時期もあります。この状況は、鶏インフルエンザやその他の家禽に影響を与える疫病、またはこの時期のパラグアイ国内の経済や政治の混乱が影響を及ぼした可能性があります。特に1991年に飼養数が11,234羽へ急減している点は、その象徴と言えるでしょう。

2000年代に入ると、鶏飼養数は再び増加基調に戻り、2010年代には16,000羽台から17,000羽台へ徐々に上昇しました。しかし、2008年に16,056羽まで一時的に減少しており、これは世界金融危機がパラグアイにもたらした経済的な影響や、飼料価格の高騰が原因である可能性が考えられます。

最新データに注目すると、2017年の22,316羽から2021年には26,238羽と大きく伸びていますが、2022年は25,875羽とやや減少しています。この減少は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、飼料供給や家畜管理の効率に課題が生じた可能性があります。また、気候変動に伴う異常気象や自然災害の影響も軽視できません。

鶏の飼養数は、単なる家禽の生産規模だけでなく、農業・畜産業の発展度や国内の食料安全保障の一端を測る指標とも言えます。パラグアイのような発展途上国においては、養鶏業の拡大は一般市民にとって貴重なタンパク源となる鶏肉供給の安定に直結し、同時に農村部の貧困削減にも寄与しています。

ただし、近年の増加とそれに伴うリスクについても指摘が必要です。大規模化する鶏の飼養は、疫病流行のリスクを高める可能性があります。例えば、鶏インフルエンザなどの家禽疫病が発生すれば、国内のみならず、近隣諸国との貿易や経済関係にも影響を与えることが予想されます。

未来に向けての課題として、パラグアイ政府および地方自治体には、持続可能な鶏飼養のための生産体制の構築が求められるでしょう。具体的には、最新の家禽管理技術を普及するための教育プログラムの導入、疫病対策としての家畜衛生基準の強化、さらには気候変動に伴うリスクを軽減するための支援政策が重要です。加えて、飼料の安定供給を確保するための国際貿易協力や、国内での飼料生産の促進も検討すべきです。

結論として、パラグアイの鶏飼養数の増加は、同国の農業・畜産業の発展を示す重要な指標ですが、同時に環境や疫病リスクの増大という課題にも直面しています。国際機関と連携しながら、持続可能な養鶏産業の実現を目指すことで、国内の食糧保障だけでなく、地域全体の食肉供給チェーンの強化にもつながると考えられます。