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エルサルバドルの鶏飼養数推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、エルサルバドルの鶏飼養数の推移には、1961年の1,850万羽から2022年の18,375万羽へと、著しい増加が見られます。ただし、期間中には地政学的混乱や経済的要因、新型コロナウイルス感染症などの影響で、変動が生じています。このデータは、エルサルバドルの食料政策や農業経済全体の動向を理解する上で重要な指標となります。

年度 飼養数(羽) 増減率
2023年 18,773,000
2.17% ↑
2022年 18,375,000
-1.84% ↓
2021年 18,719,000
1.81% ↑
2020年 18,387,000
1.42% ↑
2019年 18,130,000
3.08% ↑
2018年 17,589,000
1.94% ↑
2017年 17,255,000
2.21% ↑
2016年 16,882,000
2.47% ↑
2015年 16,475,000
2.97% ↑
2014年 16,000,000
3.23% ↑
2013年 15,500,000 -
2012年 15,500,000 -
2011年 15,500,000
3.33% ↑
2010年 15,000,000
10.95% ↑
2009年 13,520,000
1.65% ↑
2008年 13,300,000
-9.82% ↓
2007年 14,748,000
7.6% ↑
2006年 13,706,000
2% ↑
2005年 13,437,000
1.73% ↑
2004年 13,209,000
19% ↑
2003年 11,100,000
12.12% ↑
2002年 9,900,000
6.45% ↑
2001年 9,300,000
-6.06% ↓
2000年 9,900,000
13.01% ↑
1999年 8,760,000
3.67% ↑
1998年 8,450,000
8.61% ↑
1997年 7,780,000
7.76% ↑
1996年 7,220,000
-1.1% ↓
1995年 7,300,000
8.79% ↑
1994年 6,710,000
-0.15% ↓
1993年 6,720,000
11.44% ↑
1992年 6,030,000
6.73% ↑
1991年 5,650,000
14.1% ↑
1990年 4,952,000
-8.48% ↓
1989年 5,411,000
16.32% ↑
1988年 4,652,000
-14.78% ↓
1987年 5,459,000
12.42% ↑
1986年 4,856,000
7.08% ↑
1985年 4,535,000
10.29% ↑
1984年 4,112,000
0.02% ↑
1983年 4,111,000
-12.57% ↓
1982年 4,702,000
-0.91% ↓
1981年 4,745,000
-6.3% ↓
1980年 5,064,000
-4.51% ↓
1979年 5,303,000
3.15% ↑
1978年 5,141,000
16.58% ↑
1977年 4,410,000
31.37% ↑
1976年 3,357,000
21.54% ↑
1975年 2,762,000
6.27% ↑
1974年 2,599,000
8.2% ↑
1973年 2,402,000
8.98% ↑
1972年 2,204,000
0.18% ↑
1971年 2,200,000
1.8% ↑
1970年 2,161,000
0.93% ↑
1969年 2,141,000
22.69% ↑
1968年 1,745,000
-0.29% ↓
1967年 1,750,000
-1.13% ↓
1966年 1,770,000
-1.67% ↓
1965年 1,800,000
-1.64% ↓
1964年 1,830,000
-1.08% ↓
1963年 1,850,000
-1.49% ↓
1962年 1,878,000
1.51% ↑
1961年 1,850,000 -

エルサルバドルの鶏飼養数は、1961年の1,850万羽から2022年の18,375万羽へと約9.9倍に増加しています。このデータは、エルサルバドルの農業セクターにおける鶏肉産業の成長と需要増加を反映しています。特に1970年代後半以降、飼養数の急増が見られ、1977年から1978年にかけては、4,410万羽から5,141万羽へ700万羽以上の増加が確認されています。この成長は、国内の食肉市場拡大や都市化、所得増加によるタンパク質摂取需要の高まりに起因していると考えられます。

しかし、エルサルバドルの鶏飼養数は長期的な増加トレンドの中で一時的な減少も経験しています。たとえば、1981年から1983年にかけての減少は、政治的混乱や内戦の影響が背景とされています。同様に、2008年のリーマンショック後も、13,520万羽までの減少がみられ、国際経済の影響を受けやすい構造となっていることが示唆されています。

2020年以降、新型コロナウイルスパンデミックによる世界的な供給チェーンの混乱や、飼料価格の上昇が影響を及ぼす中、エルサルバドルの鶏飼養数は一部停滞が見られます。2022年時点では、18,719万羽から18,375万羽へとわずかな減少が記録されていますが、この減少の要因は、パンデミックの影響に加え、輸入飼料への依存度の高さや国内市場の停滞が関係している可能性があります。

今後の課題として、まず飼料価格や輸入依存度を低下させるための農業イノベーションが重要になります。国内で飼料原料の生産を推進する政策や、地域連携による飼料の輸送コスト削減が検討されるべきです。また、地政学的リスクや自然災害の多発が農業に及ぼす影響を最小限に抑えるための体制も不可欠です。たとえば、2010年代以降の気候変動の影響が中米地域に広がり、エルサルバドルの飼養業にも悪影響を及ぼすリスクが増えています。灌漑や防災インフラの整備が、飼養基盤を安定させる手段となるでしょう。

さらに、エルサルバドルの鶏肉産業を海外市場に展開することで、地域経済全体の成長を促進することが期待されます。これには、国際的な衛生基準や品質管理体制の構築が重要です。近隣諸国との相互協力や輸出を通じて、アメリカやヨーロッパ市場に進出する機会を拡大することも目標として掲げられるべきです。

最後に、食料安全保障の観点から、鶏飼養数の安定的な維持は国内食料供給を確保する上で極めて重要となります。そのためには、政策支援と持続可能な飼養システムの構築が欠かせません。国際的なパートナーシップやFAOを含む国際機関との連携を進めることで、地域全体の農業の競争力を高めることが可能となるでしょう。このような取り組みを通じて、エルサルバドルは持続可能な鶏肉産業の発展を目指すことができます。