Skip to main content

ツバルの鶏飼養数推移(1961-2022)

国際連合食糧農業機関(FAO)が提供した最新のデータによると、ツバルの鶏飼養数は1961年の10羽から2022年の57羽に増加しています。このデータから、ツバルにおける家禽飼養の規模が着実に拡大していることがわかります。ただし、特定の年にやや減少が見られるなど、安定した増加傾向の中にも変動が存在しています。近年では一貫して増加が続いており、特に2020年以降の成長率が目を引きます。

年度 飼養数(羽)
2022年 57.00
2021年 56.00
2020年 55.00
2019年 54.00
2018年 54.00
2017年 53.00
2016年 54.00
2015年 53.00
2014年 52.00
2013年 51.00
2012年 50.00
2011年 50.00
2010年 49.00
2009年 49.00
2008年 46.00
2007年 45.00
2006年 45.00
2005年 45.00
2004年 45.00
2003年 45.00
2002年 45.00
2001年 40.00
2000年 40.00
1999年 40.00
1998年 35.00
1997年 35.00
1996年 35.00
1995年 30.00
1994年 30.00
1993年 27.00
1992年 30.00
1991年 28.00
1990年 27.00
1989年 31.00
1988年 25.00
1987年 17.00
1986年 23.00
1985年 21.00
1984年 16.00
1983年 16.00
1982年 19.00
1981年 17.00
1980年 13.00
1979年 12.00
1978年 11.00
1977年 11.00
1976年 10.00
1975年 10.00
1974年 10.00
1973年 10.00
1972年 10.00
1971年 10.00
1970年 10.00
1969年 10.00
1968年 10.00
1967年 10.00
1966年 10.00
1965年 10.00
1964年 10.00
1963年 10.00
1962年 10.00
1961年 10.00

ツバルの鶏飼養数の推移を見ると、1961年から1980年代初期まではおおむね10羽台で推移しており、増加傾向はほとんど見られない状況でした。しかしながら、1980年代半ばから徐々に増加が見られ、特に1990年代以降では持続的な成長が顕著になっています。例えば、1988年には25羽、1999年には40羽と拡大しており、特に2000年代中盤から2010年代初頭にかけては年平均で約1羽程度の安定した成長が続いています。2022年には57羽に到達しており、この成長は主に畜産業の効率化や食料・栄養源としての需要の増加が背景にあると考えられます。

このような飼養数の増加はツバルにとって重要な意味を持つと言えます。ツバルは南太平洋に位置する小島嶼国であり、極めて限られた土地資源の中で自給的な農・畜産業が成り立っています。鶏は比較的小規模でも育成可能で、多様な気候条件に適応しやすい家畜です。そのため、現地住民にとっては貴重なタンパク質源となり、食生活の安定に貢献する重要な役割を担っています。また、鶏卵の生産など副次的な経済効果も期待されています。

しかし一方で、今後の課題も少なくありません。ツバルは気候変動の影響を大きく受ける地域であり、海面上昇や塩害が農業・畜産業に与えるリスクが懸念されています。仮に土地の利用可能性がさらに制限された場合、鶏飼養数の増加は鈍化する可能性があります。また、輸入飼料への依存や疫病リスクの管理も重要な問題として認識されるべきです。特に、家禽インフルエンザなどの発生が顕在化すれば、限られた資源の中で飼養数を維持することは挑戦となり得ます。

こうした課題に対応するためには、地域レベルおよび国際的な協力が不可欠です。たとえば、補助的な技術支援を通じた飼養効率の向上や、気候変動に耐性のある飼育環境の整備が考えられます。また、持続可能な飼料調達の仕組みを作ることで、輸入への依存を減らすことも解決策の一つです。さらに、近隣の島嶼国や国際機関との連携を強化し、情報共有や防疫体制の向上を目指すべきです。

ツバルのような小国における家禽飼育は、地域の食糧安全保障を支える非常に重要な要素です。データが示している安定的な増加傾向を維持・促進するため、政策や技術支援を通じた持続可能な飼育モデルの構築を目指す必要があります。地球温暖化の進行が続く中、このような取り組みは単に国内問題にとどまらず、地域全体の環境・社会的な安定にも寄与することでしょう。