世界の鶏飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2006年度の世界鶏飼養数データによると、第1位は中国で4,345百万羽、第2位はアメリカ合衆国で1,478百万羽、第3位はインドネシアで1,188.8百万羽がランクインしました。日本は280.6百万羽で第11位に位置しています。このランキングは、各国の畜産業規模や家禽（かきん）利用の社会的・経済的意義を測る上で重要な指標です。

順位	国名	地域	飼養数(羽)
1	中国	アジア	4,345,000,000
2	アメリカ合衆国	北アメリカ	1,478,000,000
3	インドネシア	アジア	1,188,814,000
4	ブラジル	南アメリカ	1,011,516,000
5	イラン（イスラム共和国）	アジア	640,000,000
6	インド	アジア	572,996,000
7	メキシコ	南アメリカ	481,421,000
8	パキスタン	アジア	450,000,000
9	ロシア連邦	ヨーロッパ	347,900,000
10	トルコ	アジア	344,820,000
11	日本	アジア	280,642,000
12	タイ	アジア	203,201,000
13	バングラデシュ	アジア	194,820,000
14	フランス	ヨーロッパ	182,578,000
15	ドミニカ共和国	南アメリカ	181,703,000
16	マレーシア	アジア	179,226,000
17	スペイン	ヨーロッパ	173,894,000
18	カナダ	北アメリカ	160,000,000
19	ナイジェリア	アフリカ	158,400,000
20	イギリス	ヨーロッパ	158,202,000
21	ベトナム	アジア	150,220,000
22	モロッコ	アフリカ	150,000,000
23	コロンビア	南アメリカ	145,000,000
24	ウクライナ	ヨーロッパ	142,600,000
25	サウジアラビア	アジア	142,000,000
26	フィリピン	アジア	134,332,000
27	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	130,768,000
28	南アフリカ	アフリカ	125,840,000
29	アルジェリア	アフリカ	125,000,000
30	大韓民国	アジア	119,181,000
31	ペルー	南アメリカ	117,977,000
32	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	117,242,000
33	ポーランド	ヨーロッパ	111,653,000
34	ドイツ	ヨーロッパ	107,000,000
35	中国、台湾 中国省	アジア	105,018,000
36	エクアドル	南アメリカ	103,190,000
37	アルゼンチン	南アメリカ	95,000,000
38	イタリア	ヨーロッパ	95,000,000
39	オーストラリア	オセアニア	94,384,000
40	ミャンマー	アジア	93,737,000
41	オランダ	ヨーロッパ	90,401,000
42	ルーマニア	ヨーロッパ	86,552,000
43	エジプト	アフリカ	72,467,000
44	チュニジア	アフリカ	62,000,000
45	イエメン	アジア	49,300,000
46	ホンジュラス	南アメリカ	42,886,000
47	チリ	南アメリカ	41,787,000
48	カメルーン	アフリカ	40,000,000
49	イラク	アジア	40,000,000
50	イスラエル	アジア	37,055,000
51	グアテマラ	南アメリカ	36,956,000
52	ポルトガル	ヨーロッパ	36,190,000
53	レバノン	アジア	36,000,000
54	エチオピア	アフリカ	34,199,000
55	ガーナ	アフリカ	34,030,000
56	ベルギー	ヨーロッパ	32,867,000
57	タンザニア連合共和国	アフリカ	32,500,000
58	ハンガリー	ヨーロッパ	31,902,000
59	ギリシャ	ヨーロッパ	31,372,000
60	コートジボワール	アフリカ	31,231,000
61	シリア・アラブ共和国	アジア	30,946,000
62	クウェート	アジア	30,844,000
63	マリ	アフリカ	30,000,000
64	ザンビア	アフリカ	30,000,000
65	ベラルーシ	ヨーロッパ	30,000,000
66	ブルキナファソ	アフリカ	30,000,000
67	キューバ	南アメリカ	29,848,000
68	セネガル	アフリカ	29,612,000
69	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	28,200,000
70	ジンバブエ	アフリカ	28,000,000
71	ケニア	アフリカ	27,772,000
72	カザフスタン	アジア	26,100,000
73	ベナン	アフリカ	25,700,000
74	ヨルダン	アジア	25,000,000
75	チェコ	ヨーロッパ	24,768,000
76	マダガスカル	アフリカ	24,727,000
77	リビア	アフリカ	24,000,000
78	コスタリカ	南アメリカ	23,300,000
79	ネパール	アジア	23,221,000
80	ウガンダ	アフリカ	22,849,000
81	モルドバ共和国	ヨーロッパ	22,100,000
82	スウェーデン	ヨーロッパ	21,310,000
83	ラオス人民民主共和国	アジア	20,803,000
84	ウズベキスタン	アジア	20,100,000
85	コンゴ民主共和国	アフリカ	19,828,000
86	パラグアイ	南アメリカ	19,000,000
87	アゼルバイジャン	アジア	18,590,000
88	モザンビーク	アフリカ	18,080,000
89	ニカラグア	南アメリカ	18,000,000
90	ガイアナ	南アメリカ	17,600,000
91	ニュージーランド	オセアニア	17,243,000
92	ブルガリア	ヨーロッパ	17,205,000
93	デンマーク	ヨーロッパ	16,826,000
94	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	16,000,000
95	セルビア	ヨーロッパ	15,826,000
96	ギニア	アフリカ	15,800,000
97	マラウイ	アフリカ	15,200,000
98	カンボジア	アジア	15,136,000
99	オーストリア	ヨーロッパ	15,000,000
100	パナマ	南アメリカ	14,535,000
101	トーゴ	アフリカ	14,487,000
102	レユニオン	アフリカ	14,000,000
103	ウルグアイ	南アメリカ	14,000,000
104	エルサルバドル	南アメリカ	13,706,000
105	ジャマイカ	南アメリカ	13,700,000
106	アラブ首長国連邦	アジア	13,700,000
107	スロバキア	ヨーロッパ	13,619,000
108	スリランカ	アジア	13,313,000
109	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	13,230,000
110	ブルネイ ダルサラーム	アジア	13,045,000
111	アイルランド	ヨーロッパ	12,800,000
112	トルクメニスタン	アジア	12,000,000
113	プエルトリコ	南アメリカ	11,241,000
114	ニジェール	アフリカ	10,977,000
115	アフガニスタン	アジア	10,880,000
116	モーリシャス	アフリカ	10,850,000
117	ノルウェー	ヨーロッパ	10,841,000
118	リトアニア	ヨーロッパ	9,201,000
119	フィンランド	ヨーロッパ	8,874,000
120	パレスチナ国	アジア	8,520,000
121	アンゴラ	アフリカ	8,242,000
122	スイス	ヨーロッパ	7,517,000
123	クロアチア	ヨーロッパ	7,017,000
124	グルジア	アジア	7,000,000
125	リベリア	アフリカ	5,600,000
126	ハイチ	南アメリカ	5,500,000
127	中央アフリカ共和国	アフリカ	5,300,000
128	チャド	アフリカ	5,240,000
129	カタール	アジア	4,800,000
130	ナミビア	アフリカ	4,800,000
131	アルメニア	アジア	4,674,000
132	スリナム	南アメリカ	4,599,000
133	アルバニア	ヨーロッパ	4,572,000
134	モーリタニア	アフリカ	4,300,000
135	フィジー	オセアニア	4,250,000
136	オマーン	アジア	4,200,000
137	シエラレオネ	アフリカ	4,162,000
138	ラトビア	ヨーロッパ	4,092,000
139	パプアニューギニア	オセアニア	4,000,000
140	キルギスタン	アジア	3,911,000
141	バルバドス	南アメリカ	3,450,000
142	ソマリア	アフリカ	3,400,000
143	エスワティニ	アフリカ	3,200,000
144	ガボン	アフリカ	3,100,000
145	バハマ	南アメリカ	3,000,000
146	キプロス	アジア	2,763,000
147	シンガポール	アジア	2,700,000
148	北マケドニア	ヨーロッパ	2,585,000
149	タジキスタン	アジア	2,451,000
150	コンゴ	アフリカ	2,400,000
151	エストニア	ヨーロッパ	1,854,000
152	ルワンダ	アフリカ	1,776,000
153	スロベニア	ヨーロッパ	1,598,000
154	ベリーズ	南アメリカ	1,480,000
155	ボツワナ	アフリカ	1,416,000
156	エリトリア	アフリカ	1,370,000
157	ギニアビサウ	アフリカ	1,184,000
158	中国、香港特別行政区	アジア	1,150,000
159	ブルンジ	アフリカ	1,142,000
160	マルタ	ヨーロッパ	1,006,000
161	レソト	アフリカ	900,000
162	バーレーン	アジア	714,000
163	東ティモール	アジア	713,000
164	中国、マカオ特別行政区	アジア	700,000
165	ガンビア	アフリカ	650,000
166	ニューカレドニア	オセアニア	600,000
167	コモロ	アフリカ	520,000
168	サモア	オセアニア	472,000
169	キリバス	オセアニア	470,000
170	セーシェル	アフリカ	460,000
171	モンテネグロ	ヨーロッパ	449,000
172	バヌアツ	オセアニア	413,000
173	サントメ・プリンシペ	アフリカ	410,000
174	セントルシア	南アメリカ	400,000
175	赤道ギニア	アフリカ	330,000
176	トンガ	オセアニア	300,000
177	フランス領ポリネシア	オセアニア	280,000
178	グレナダ	南アメリカ	270,000
179	マルティニーク	南アメリカ	250,000
180	グアドループ	南アメリカ	240,000
181	ブータン	アジア	230,000
182	ソロモン諸島	オセアニア	230,000
183	モンゴル	アジア	212,000
184	アイスランド	ヨーロッパ	210,000
185	ドミニカ	南アメリカ	190,000
186	ミクロネシア連邦	オセアニア	185,000
187	カーボベルデ	アフリカ	174,000
188	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	150,000
189	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	140,000
190	フランス領ギアナ	南アメリカ	129,000
191	ルクセンブルク	ヨーロッパ	81,000
192	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	70,000
193	ツバル	オセアニア	45,000
194	クック諸島	オセアニア	15,000
195	ニウエ	オセアニア	15,000
196	ナウル	オセアニア	5,000
197	トケラウ	オセアニア	5,000
+ すべての国を見る

2006年度の鶏飼養数ランキングデータは、各国の農業・畜産業の特徴や食文化、経済規模を示す一つの指標と言えます。このデータでは、中国が他を圧倒する飼養数を記録しており、全世界で消費される鶏肉や鶏卵の大きな供給元としての役割を担っています。中国の鶏飼養数が非常に多い背景には、国土の広さ、世界最大規模の人口による需要、さらには農村部での小規模飼育の広がりが絡んでいます。これに次ぐアメリカ合衆国では、主に産業化された鶏産業が多量の供給を支え、輸出市場での優位性を確保しています。

一方、インドネシアやブラジルが上位に位置しているのは、いずれも国内需要の増加と輸出産業としての成長が挙げられます。特にブラジルは、鶏肉の世界的な輸出大国であり、その規模がランキングにも反映されています。一方でイラン、インド、パキスタンなどは、中東やアジア地域において地域文化や宗教的要素による鶏類の利用が顕著に表れています。

日本は11位という位置にありますが、家庭消費者向けの鶏卵・鶏肉の安定供給に寄与しています。ただし地方農家の高齢化や、国内での需要が輸入肉によって充足される割合が増加している現状を鑑みると、持続可能な生産体制の確立が重要な課題となります。

一方で、ランキング下位に目を向けると、ツバルやトケラウ、ナウルのように数百羽以下の飼養数しか持たない国々も存在します。これらは、小規模な人口や、飼料や資源の制限が影響していると考えられます。特に太平洋諸島の国々では、地政学的な位置および自然災害頻発地域といった背景が、畜産業を妨げる要因となっています。

地政学的リスクの観点では、紛争や政治的不安定な状況に置かれた地域、例えばイラクやシリアなどでは、飼養数が十分に確保できない傾向があります。これにより、安全な食料供給の確保が難しい状況が続き、国際機関や地域間の協力が欠かせません。また、感染症拡大や鳥インフルエンザのような疫病が及ぼす影響も無視できず、2006年当時もアジアを中心にこれらのリスクが存在していました。

将来を見据えると、膨大な需要と流通網の増大に対して、持続可能性を重視した対策が求められます。例えば、家禽の感染症予防策の国際的な標準化、生産過程でのCO2排出削減を目的とした技術革新、また離島地域や資源に恵まれない国への家禽飼養技術の支援などが具体策として挙げられます。さらに、輸出に依存する国々にとって、貿易摩擦や国際市場の価格変動といったリスクを管理する視点も重要です。

結論として、2006年度のデータは、各国の畜産産業の現状と課題を浮き彫りにしたものと言えます。国ごとの需要や文化背景を理解しつつ、地球規模の課題である気候変動や食料安全保障と調和した形で畜産業を発展させていく必要があります。各国政府や国際機関が共同で政策を強化し、技術交流や資金援助を進めることで、安定した食料供給を実現する道筋をつけていくべきです。