世界の鶏飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）のデータによると、1997年時点で世界の鶏飼養数ランキングの1位は中国（3,870百万羽）、2位はアメリカ合衆国（1,294百万羽）、3位はインドネシア（972.8百万羽）でした。日本はこのランキングで9位（307.4百万羽）に位置しており、先進国の中では上位に入っています。全体を見渡すと、アジア地域が特に上位を占める傾向が見られます。

順位	国名	地域	飼養数(羽)
1	中国	アジア	3,870,000,000
2	アメリカ合衆国	北アメリカ	1,294,000,000
3	インドネシア	アジア	972,832,000
4	ブラジル	南アメリカ	760,622,000
5	パキスタン	アジア	389,800,000
6	ロシア連邦	ヨーロッパ	366,481,000
7	メキシコ	南アメリカ	348,110,000
8	インド	アジア	315,428,000
9	日本	アジア	307,351,000
10	フランス	ヨーロッパ	231,143,000
11	イラン（イスラム共和国）	アジア	210,000,000
12	タイ	アジア	197,104,000
13	スペイン	ヨーロッパ	167,764,000
14	トルコ	アジア	166,272,000
15	イギリス	ヨーロッパ	150,400,000
16	カナダ	北アメリカ	138,000,000
17	マレーシア	アジア	136,304,000
18	フィリピン	アジア	134,963,000
19	ナイジェリア	アフリカ	126,000,000
20	サウジアラビア	アジア	125,000,000
21	ベトナム	アジア	120,567,000
22	南アフリカ	アフリカ	115,000,000
23	中国、台湾 中国省	アジア	110,535,000
24	バングラデシュ	アジア	109,900,000
25	ウクライナ	ヨーロッパ	109,754,000
26	イタリア	ヨーロッパ	108,345,000
27	ドイツ	ヨーロッパ	102,731,000
28	モロッコ	アフリカ	100,000,000
29	エクアドル	南アメリカ	99,850,000
30	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	95,000,000
31	オランダ	ヨーロッパ	93,106,000
32	アルゼンチン	南アメリカ	91,000,000
33	大韓民国	アジア	88,251,000
34	アルジェリア	アフリカ	87,500,000
35	エジプト	アフリカ	85,768,000
36	コロンビア	南アメリカ	85,000,000
37	ペルー	南アメリカ	81,968,000
38	オーストラリア	オセアニア	81,432,000
39	ルーマニア	ヨーロッパ	78,478,000
40	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	66,686,000
41	ポーランド	ヨーロッパ	51,120,000
42	ドミニカ共和国	南アメリカ	42,952,000
43	チュニジア	アフリカ	39,856,000
44	ミャンマー	アジア	33,074,000
45	チリ	南アメリカ	30,192,000
46	キューバ	南アメリカ	30,154,000
47	エチオピア	アフリカ	30,000,000
48	ケニア	アフリカ	29,296,000
49	コートジボワール	アフリカ	28,618,000
50	グアテマラ	南アメリカ	28,600,000
51	ポルトガル	ヨーロッパ	28,596,000
52	レバノン	アジア	28,500,000
53	カメルーン	アフリカ	28,000,000
54	ギリシャ	ヨーロッパ	27,774,000
55	ハンガリー	ヨーロッパ	27,692,000
56	チェコ	ヨーロッパ	26,489,000
57	ベラルーシ	ヨーロッパ	26,400,000
58	タンザニア連合共和国	アフリカ	26,000,000
59	クウェート	アジア	25,578,000
60	イエメン	アジア	25,200,000
61	ザンビア	アフリカ	25,000,000
62	モザンビーク	アフリカ	25,000,000
63	リビア	アフリカ	24,020,000
64	マリ	アフリカ	24,000,000
65	イスラエル	アジア	23,470,000
66	ヨルダン	アジア	23,300,000
67	ウガンダ	アフリカ	22,271,000
68	コンゴ民主共和国	アフリカ	22,236,000
69	ブルキナファソ	アフリカ	20,733,000
70	シリア・アラブ共和国	アジア	19,925,000
71	イラク	アジア	19,000,000
72	デンマーク	ヨーロッパ	18,156,000
73	セネガル	アフリカ	18,074,000
74	マダガスカル	アフリカ	17,000,000
75	ガーナ	アフリカ	15,888,000
76	ネパール	アジア	15,577,000
77	カザフスタン	アジア	15,296,000
78	ブルガリア	ヨーロッパ	15,127,000
79	パラグアイ	南アメリカ	14,835,000
80	マラウイ	アフリカ	14,200,000
81	ホンジュラス	南アメリカ	14,100,000
82	コスタリカ	南アメリカ	14,000,000
83	ジンバブエ	アフリカ	14,000,000
84	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	13,986,000
85	スロバキア	ヨーロッパ	13,724,000
86	アラブ首長国連邦	アジア	12,800,000
87	アゼルバイジャン	アジア	12,700,000
88	オーストリア	ヨーロッパ	12,215,000
89	スウェーデン	ヨーロッパ	12,202,000
90	ウズベキスタン	アジア	12,200,000
91	カンボジア	アジア	12,098,000
92	ニュージーランド	オセアニア	12,000,000
93	ラオス人民民主共和国	アジア	11,947,000
94	プエルトリコ	南アメリカ	11,643,000
95	ウルグアイ	南アメリカ	11,500,000
96	アイルランド	ヨーロッパ	11,491,000
97	モルドバ共和国	ヨーロッパ	11,389,000
98	ニジェール	アフリカ	10,999,000
99	レユニオン	アフリカ	10,500,000
100	ギニア	アフリカ	10,065,000
101	ガイアナ	南アメリカ	10,000,000
102	クロアチア	ヨーロッパ	9,681,000
103	ジャマイカ	南アメリカ	9,500,000
104	ベナン	アフリカ	9,451,000
105	パレスチナ国	アジア	9,400,000
106	パナマ	南アメリカ	9,245,000
107	スリランカ	アジア	9,243,000
108	フィンランド	ヨーロッパ	8,741,000
109	ニカラグア	南アメリカ	8,600,000
110	グルジア	アジア	8,543,000
111	アフガニスタン	アジア	8,000,000
112	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	7,904,000
113	エルサルバドル	南アメリカ	7,780,000
114	リトアニア	ヨーロッパ	7,639,000
115	モーリシャス	アフリカ	7,200,000
116	スロベニア	ヨーロッパ	6,718,000
117	アンゴラ	アフリカ	6,550,000
118	トーゴ	アフリカ	6,448,000
119	スイス	ヨーロッパ	6,352,000
120	シエラレオネ	アフリカ	6,000,000
121	ブルネイ ダルサラーム	アジア	4,737,000
122	チャド	アフリカ	4,700,000
123	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	4,500,000
124	北マケドニア	ヨーロッパ	4,033,000
125	モーリタニア	アフリカ	3,900,000
126	スリナム	南アメリカ	3,822,000
127	ハイチ	南アメリカ	3,800,000
128	ラトビア	ヨーロッパ	3,791,000
129	フィジー	オセアニア	3,775,000
130	中央アフリカ共和国	アフリカ	3,718,000
131	キプロス	アジア	3,600,000
132	カタール	アジア	3,564,000
133	パプアニューギニア	オセアニア	3,500,000
134	リベリア	アフリカ	3,500,000
135	トルクメニスタン	アジア	3,500,000
136	バルバドス	南アメリカ	3,430,000
137	アルバニア	ヨーロッパ	3,358,000
138	ノルウェー	ヨーロッパ	3,240,000
139	ソマリア	アフリカ	3,200,000
140	中国、香港特別行政区	アジア	3,000,000
141	バハマ	南アメリカ	3,000,000
142	オマーン	アジア	3,000,000
143	ガボン	アフリカ	2,900,000
144	アルメニア	アジア	2,701,000
145	ナミビア	アフリカ	2,400,000
146	エストニア	ヨーロッパ	2,325,000
147	ブルンジ	アフリカ	2,213,000
148	シンガポール	アジア	2,100,000
149	コンゴ	アフリカ	1,900,000
150	キルギスタン	アジア	1,892,000
151	ボツワナ	アフリカ	1,625,000
152	レソト	アフリカ	1,300,000
153	ルワンダ	アフリカ	1,272,000
154	ギニアビサウ	アフリカ	1,206,000
155	エリトリア	アフリカ	1,134,000
156	東ティモール	アジア	1,116,000
157	エスワティニ	アフリカ	990,000
158	ベリーズ	南アメリカ	890,000
159	マルタ	ヨーロッパ	820,000
160	バーレーン	アジア	677,000
161	ガンビア	アフリカ	639,000
162	セーシェル	アフリカ	590,000
163	コモロ	アフリカ	460,000
164	カーボベルデ	アフリカ	430,000
165	中国、マカオ特別行政区	アジア	420,000
166	サモア	オセアニア	410,000
167	ニューカレドニア	オセアニア	390,000
168	バヌアツ	オセアニア	320,000
169	キリバス	オセアニア	300,000
170	トンガ	オセアニア	300,000
171	マルティニーク	南アメリカ	295,000
172	赤道ギニア	アフリカ	280,000
173	サントメ・プリンシペ	アフリカ	270,000
174	セントルシア	南アメリカ	260,000
175	フランス領ポリネシア	オセアニア	230,000
176	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	200,000
177	タジキスタン	アジア	198,000
178	ドミニカ	南アメリカ	190,000
179	フランス領ギアナ	南アメリカ	190,000
180	ミクロネシア連邦	オセアニア	185,000
181	ブータン	アジア	180,000
182	ソロモン諸島	オセアニア	180,000
183	アイスランド	ヨーロッパ	179,000
184	グアドループ	南アメリカ	177,000
185	グレナダ	南アメリカ	145,000
186	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	100,000
187	クック諸島	オセアニア	70,000
188	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	70,000
189	モンゴル	アジア	58,000
190	ツバル	オセアニア	35,000
191	ニウエ	オセアニア	12,000
192	ナウル	オセアニア	5,000
193	トケラウ	オセアニア	5,000
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1997年度のデータによると、世界の鶏飼養数は経済的・地理的要因によって大きな偏りが見られます。中国が圧倒的な数値（3,870百万羽）で他国を引き離し、世界の鶏飼養の中心的存在となっています。これは中国の広大な土地面積と巨大な人口が、需要の高さと供給を支える生産基盤を反映しているためです。同様に、上位2位のアメリカ合衆国と3位のインドネシアも、大きな地理的特性と人口規模が影響を及ぼしています。このデータは、鶏が世界中の食料供給における重要な役割を果たしていることを強く示しています。

一方、日本は世界第9位（約307.4百万羽）に位置し、先進国の中では高い順位にあります。この数値は、国内の家禽産業が一定の効率を保ちながら都市部を中心とする高い鶏肉需要を補っていることを示しています。隣国の韓国は88.3百万羽で33位にランクインしており、日本との間に大きな差がある一方、地理的に近い中国の鶏飼養数による圧倒的な存在感にも特徴があります。

興味深い点として、地域ごとの順位から、地理的・経済的背景が顕著に影響している点が挙げられます。例えば、アジア、特に東アジアと南アジアの多くの国が上位にランクインしている理由は、この地域が世界の人口の大部分を抱え、伝統的に鶏肉や卵が主要なタンパク源であることに起因します。一方で、ヨーロッパ諸国の多くはランキング中位から下位に多く含まれ、全般的に地理や消費習慣の違いが見られます。

重要な課題としては、鶏飼養数が増加することに伴う環境への影響や、疫病への対応が挙げられます。特に鳥インフルエンザなどの疾病リスクは、鶏飼養業界の安全確保において大きな懸念材料です。このような疫病は、国境を越えて広まる可能性があるため、国際的な協力が重要となります。

また、地政学的に不安定な地域—たとえばインドやパキスタン、ロシアなど—での鶏飼養規模は、時に紛争や地域対立に影響される可能性があります。これらの課題を克服するためには、安定した飼養基盤の整備や生産連携が不可欠です。たとえば、より環境負荷を低減する技術の導入や、衛生環境の向上を目的とした分散化された生産モデルの採用が可能性として挙げられます。

さらに、将来的には食料安全保障の観点から、持続可能な鶏生産のモデルを確立することが鍵となります。国際社会は、新たな疾患の流行予防として衛生管理基準を強化するとともに、天災や気候変動の影響を緩和しつつ、各地域間での食料供給の足りない部分を補う仕組み作りを進めるべきです。具体的には、国連やFAOを中心に、食品の貿易障壁を下げる措置や技術共有プログラムの設立を提案します。

1997年の鶏飼養数ランキングデータは、単なる動物の頭数の記録であるだけでなく、食料や産業の在り方、そして地球規模の課題を浮き彫りにする貴重な情報を提供しています。優先順位を整理し、持続可能性と食料安全保障を両立させる戦略を立てることが、これからの全世界にとって求められる課題です。