世界の鶏飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2015年度の「世界の鶏飼養数ランキング」によると、1位は中国（約4,695百万羽）、2位はインドネシア（約1,968百万羽）、3位はアメリカ合衆国（約1,448百万羽）です。このデータから、アジア地域が他地域に比べて非常に高い飼養数を誇る一方で、日本は全体で12位（約302百万羽）となっており、アジア内では中位に位置づけられます。

順位	国名	地域	飼養数(羽)
1	中国	アジア	4,695,496,000
2	インドネシア	アジア	1,968,641,000
3	アメリカ合衆国	北アメリカ	1,448,000,000
4	ブラジル	南アメリカ	1,326,453,000
5	イラン（イスラム共和国）	アジア	941,837,000
6	パキスタン	アジア	931,000,000
7	インド	アジア	741,105,000
8	メキシコ	南アメリカ	534,693,000
9	ロシア連邦	ヨーロッパ	475,242,000
10	ミャンマー	アジア	318,530,000
11	トルコ	アジア	312,256,000
12	日本	アジア	302,887,000
13	マレーシア	アジア	286,621,000
14	タイ	アジア	272,202,000
15	バングラデシュ	アジア	261,770,000
16	ベトナム	アジア	259,295,000
17	フランス	ヨーロッパ	247,298,000
18	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	196,606,000
19	ウクライナ	ヨーロッパ	193,885,000
20	モロッコ	アフリカ	190,422,000
21	サウジアラビア	アジア	184,520,000
22	スペイン	ヨーロッパ	184,311,000
23	フィリピン	アジア	176,469,000
24	ドミニカ共和国	南アメリカ	172,000,000
25	カナダ	北アメリカ	167,587,000
26	大韓民国	アジア	164,130,000
27	南アフリカ	アフリカ	162,000,000
28	エクアドル	南アメリカ	161,000,000
29	イギリス	ヨーロッパ	157,000,000
30	ペルー	南アメリカ	151,001,000
31	コロンビア	南アメリカ	149,078,000
32	ポーランド	ヨーロッパ	146,123,000
33	エジプト	アフリカ	145,494,000
34	ナイジェリア	アフリカ	142,895,000
35	ドイツ	ヨーロッパ	140,037,000
36	イタリア	ヨーロッパ	137,712,000
37	アルジェリア	アフリカ	133,866,000
38	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	123,885,000
39	アルゼンチン	南アメリカ	115,000,000
40	オランダ	ヨーロッパ	106,763,000
41	中国、台湾 中国省	アジア	94,523,000
42	ベラルーシ	ヨーロッパ	90,687,000
43	チュニジア	アフリカ	89,556,000
44	オーストラリア	オセアニア	88,658,000
45	ルーマニア	ヨーロッパ	75,447,000
46	ガーナ	アフリカ	71,594,000
47	コートジボワール	アフリカ	64,720,000
48	イエメン	アジア	64,252,000
49	レバノン	アジア	64,175,000
50	エチオピア	アフリカ	60,506,000
51	セネガル	アフリカ	59,143,000
52	ウズベキスタン	アジア	55,600,000
53	チリ	南アメリカ	52,201,000
54	カメルーン	アフリカ	51,000,000
55	クウェート	アジア	50,238,000
56	ネパール	アジア	50,195,000
57	スーダン	アフリカ	47,194,000
58	ホンジュラス	南アメリカ	45,373,000
59	イスラエル	アジア	45,180,000
60	イラク	アジア	44,802,000
61	ブルキナファソ	アフリカ	43,487,000
62	ケニア	アフリカ	41,472,000
63	マリ	アフリカ	38,587,000
64	ザンビア	アフリカ	38,299,000
65	ベルギー	ヨーロッパ	37,739,000
66	マダガスカル	アフリカ	37,124,000
67	ウルグアイ	南アメリカ	36,997,000
68	モルドバ共和国	ヨーロッパ	36,840,000
69	タンザニア連合共和国	アフリカ	36,554,000
70	グアテマラ	南アメリカ	35,934,000
71	アンゴラ	アフリカ	35,700,000
72	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	35,394,000
73	ギリシャ	ヨーロッパ	34,477,000
74	ラオス人民民主共和国	アジア	34,422,000
75	カザフスタン	アジア	33,966,000
76	リビア	アフリカ	33,784,000
77	ウガンダ	アフリカ	33,246,000
78	キューバ	南アメリカ	31,963,000
79	ポルトガル	ヨーロッパ	30,656,000
80	ハンガリー	ヨーロッパ	30,521,000
81	スウェーデン	ヨーロッパ	28,958,000
82	ギニア	アフリカ	28,411,000
83	ヨルダン	アジア	28,149,000
84	アゼルバイジャン	アジア	27,559,000
85	ガイアナ	南アメリカ	25,081,000
86	コスタリカ	南アメリカ	24,004,000
87	パナマ	南アメリカ	23,931,000
88	アラブ首長国連邦	アジア	23,210,000
89	ニカラグア	南アメリカ	23,023,000
90	チェコ	ヨーロッパ	21,483,000
91	ニュージーランド	オセアニア	21,135,000
92	コンゴ民主共和国	アフリカ	20,350,000
93	ベナン	アフリカ	19,380,000
94	トーゴ	アフリカ	19,329,000
95	ニジェール	アフリカ	18,220,000
96	マラウイ	アフリカ	18,081,000
97	パラグアイ	南アメリカ	17,294,000
98	ブルネイ ダルサラーム	アジア	17,044,000
99	トルクメニスタン	アジア	17,023,000
100	セルビア	ヨーロッパ	16,919,000
101	デンマーク	ヨーロッパ	16,887,000
102	スリランカ	アジア	16,744,000
103	シリア・アラブ共和国	アジア	16,600,000
104	エルサルバドル	南アメリカ	16,475,000
105	オーストリア	ヨーロッパ	16,465,000
106	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	15,390,000
107	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	15,311,000
108	アイルランド	ヨーロッパ	15,202,000
109	南スーダン	アフリカ	15,000,000
110	モーリシャス	アフリカ	14,694,000
111	ノルウェー	ヨーロッパ	14,584,000
112	モザンビーク	アフリカ	14,361,000
113	ジンバブエ	アフリカ	14,278,000
114	ジャマイカ	南アメリカ	13,637,000
115	カンボジア	アジア	13,000,000
116	ブルガリア	ヨーロッパ	12,970,000
117	シエラレオネ	アフリカ	12,500,000
118	スロバキア	ヨーロッパ	12,181,000
119	フィンランド	ヨーロッパ	11,970,000
120	アフガニスタン	アジア	11,863,000
121	スイス	ヨーロッパ	10,753,000
122	リトアニア	ヨーロッパ	10,093,000
123	プエルトリコ	南アメリカ	9,955,000
124	カタール	アジア	9,630,000
125	クロアチア	ヨーロッパ	9,599,000
126	アルバニア	ヨーロッパ	8,555,000
127	リベリア	アフリカ	7,684,000
128	中央アフリカ共和国	アフリカ	6,726,000
129	グルジア	アジア	6,658,000
130	パレスチナ国	アジア	6,184,000
131	チャド	アフリカ	5,900,000
132	ハイチ	南アメリカ	5,717,000
133	タジキスタン	アジア	5,143,000
134	フィジー	オセアニア	5,097,000
135	スリナム	南アメリカ	5,019,000
136	ルワンダ	アフリカ	4,837,000
137	オマーン	アジア	4,646,000
138	モーリタニア	アフリカ	4,593,000
139	パプアニューギニア	オセアニア	4,421,000
140	ラトビア	ヨーロッパ	4,414,000
141	アルメニア	アジア	4,146,000
142	中国、香港特別行政区	アジア	4,055,000
143	ナミビア	アフリカ	4,055,000
144	キルギスタン	アジア	4,044,000
145	バルバドス	南アメリカ	3,919,000
146	エスワティニ	アフリカ	3,675,000
147	ソマリア	アフリカ	3,675,000
148	シンガポール	アジア	3,542,000
149	スロベニア	ヨーロッパ	3,281,000
150	ガボン	アフリカ	3,218,000
151	キプロス	アジア	3,206,000
152	バハマ	南アメリカ	3,102,000
153	コンゴ	アフリカ	2,854,000
154	ブルンジ	アフリカ	2,339,000
155	エストニア	ヨーロッパ	2,285,000
156	ギニアビサウ	アフリカ	2,021,000
157	北マケドニア	ヨーロッパ	1,761,000
158	ベリーズ	南アメリカ	1,617,000
159	ガンビア	アフリカ	1,564,000
160	エリトリア	アフリカ	1,246,000
161	バーレーン	アジア	1,200,000
162	マルタ	ヨーロッパ	1,035,000
163	カーボベルデ	アフリカ	1,000,000
164	東ティモール	アジア	929,000
165	モンゴル	アジア	805,000
166	ボツワナ	アフリカ	760,000
167	中国、マカオ特別行政区	アジア	743,000
168	バヌアツ	オセアニア	647,000
169	ブータン	アジア	639,000
170	キリバス	オセアニア	616,000
171	モンテネグロ	ヨーロッパ	606,000
172	ニューカレドニア	オセアニア	526,000
173	コモロ	アフリカ	524,000
174	レソト	アフリカ	522,000
175	サモア	オセアニア	513,000
176	セントルシア	南アメリカ	454,000
177	赤道ギニア	アフリカ	362,000
178	トンガ	オセアニア	330,000
179	フランス領ポリネシア	オセアニア	309,000
180	サントメ・プリンシペ	アフリカ	273,000
181	グレナダ	南アメリカ	270,000
182	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	250,000
183	ソロモン諸島	オセアニア	241,000
184	アイスランド	ヨーロッパ	221,000
185	ドミニカ	南アメリカ	200,000
186	ミクロネシア連邦	オセアニア	189,000
187	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	153,000
188	セーシェル	アフリカ	132,000
189	ルクセンブルク	ヨーロッパ	114,000
190	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	88,000
191	ツバル	オセアニア	53,000
192	クック諸島	オセアニア	19,000
193	ニウエ	オセアニア	18,000
194	ナウル	オセアニア	5,000
195	トケラウ	オセアニア	5,000
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2015年度の鶏飼養数ランキングは、世界各国の家禽（かきん）飼養の割合を比較し、各地域での経済活動や食料需要を反映しています。中国が1位となったのは、人口の多さや鶏肉および卵の高い需要に加え、大規模な農業基盤を整備していることが要因です。これに対して、2位のインドネシアは急速な人口増加と都市化の進展、鶏をタンパク質源とする食文化に支えられています。3位のアメリカ合衆国は、食肉生産国としての地位を確立しており、グローバル市場向けに鶏肉の輸出が盛んです。

また、地域別にみると、アジア諸国が特に上位を占めている点が特徴的です。中国やインドネシア以外にもインドが7位にランクインしており、これらの国々では経済発展および食生活の多様化が鶏肉需要を押し上げています。ただし、アジア全域で飼養数が多い一方で、衛生管理や生産効率、環境負荷などの課題が存在します。

日本は12位に位置し、国内の鶏飼養数は約302百万羽でした。日本ではほぼ全ての鶏が集約的な養鶏システムで飼養されています。これは高密度な生産を可能にする半面、感染症リスクの管理や動物福祉への配慮といった課題が浮き彫りとなります。また、日本は経済的に自給率を高める必要性が叫ばれる一方で、鶏肉や卵の輸入も多く、安定供給のために輸入先の多様化や飼養基盤の強化が求められます。

一方、ヨーロッパの主要国、例えばフランス（17位、約247百万羽）やドイツ（35位、約140百万羽）は、自国市場向けにより特化した養鶏システムを構築しています。これらの国々では、環境に優しい生産技術や動物福祉への配慮が進んでおり、持続可能な鶏肉・卵生産を模索しています。

この鶏飼養数データは、食料安全保障と地政学的背景との関連も示しています。例えば、鶏を主要なタンパク質源とする国々では、気候変動や地域紛争が供給網に影響を及ぼす可能性があり、施設の分散化や地域間での協力体制構築が必要とされます。たとえば、パキスタンやイランといった上位ランカーの国々では、既に気候変動の影響が生産量に波及しつつあります。また、アフリカ諸国では飼養数が全体的に少なく（例：ナイジェリア、約142百万羽。50位以内には数国のみランクイン）、栄養状態を改善するためには国際的な支援が不可欠と思われます。

さらに、家禽業は動物由来感染症（疎遠な例では鳥インフルエンザやニューカッスル病など）の拡大リスクをはらんでいます。そのため、飼養数の増加に伴い衛生基準と管理体制の強化が不可欠です。特に堅牢な監視・予防体制が整わない中小規模農場が多い国では、感染症の発生が容易に生産全体に影響を及ぼす懸念があります。

今後、全体的な課題として以下が挙げられます。第一に、各国の養鶏業における効率と安全性の両立が求められます。例えば、日本などでは生産性を維持しつつ、動物福祉や環境配慮を代表する持続可能な農業を実現する必要があります。第二に、感染症の拡大を防ぐためには、国際協力を含めた監視体制や研究開発の強化が必須です。そして、第三に、食料の供給網における地政学的リスクを軽減するため、輸入に依存する国の場合には、多国間でのパートナーシップや輸入先の多様化を図る戦略が肝要です。

結論として、鶏飼養数のデータは、各国の食文化や経済発展、そして地政学的リスクと関連の深いテーマです。日本だけでなく、世界各国が鶏肉と卵の安定供給を実現しつつ、環境負荷を抑制し持続可能なシステムを構築する必要があります。国際機関や各国政府が協力し、これらの課題に取り組む姿勢が今後の鍵となるでしょう。