世界の鶏飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

Food and Agriculture Organization（国際連合食糧農業機関）が公表した2020年度の鶏飼養数のデータによると、世界で最も多くの鶏を飼養している国は中国で、約5.12億羽に達しています。これに続くインドネシアが約3.57億羽、アメリカ合衆国が約1.54億羽で2位と3位を占めています。一方、日本は約3195万羽で世界12位にランクインしています。データから、地域ごとの生産手法や消費の動向、地政学的背景が大きな影響を与えていることが示唆されます。

順位	国名	地域	飼養数(羽)
1	中国	アジア	5,125,583,000
2	インドネシア	アジア	3,570,142,000
3	アメリカ合衆国	北アメリカ	1,537,000,000
4	ブラジル	南アメリカ	1,478,424,000
5	パキスタン	アジア	1,443,000,000
6	イラン（イスラム共和国）	アジア	1,013,306,000
7	インド	アジア	824,722,000
8	メキシコ	南アメリカ	591,596,000
9	ロシア連邦	ヨーロッパ	496,964,000
10	ベトナム	アジア	409,500,000
11	トルコ	アジア	379,349,000
12	日本	アジア	319,469,000
13	バングラデシュ	アジア	296,602,000
14	マレーシア	アジア	293,496,000
15	タイ	アジア	279,999,000
16	エジプト	アフリカ	250,000,000
17	フランス	ヨーロッパ	242,015,000
18	ナイジェリア	アフリカ	223,704,000
19	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	217,493,000
20	モロッコ	アフリカ	214,335,000
21	コロンビア	南アメリカ	210,541,000
22	サウジアラビア	アジア	203,136,000
23	ウクライナ	ヨーロッパ	202,511,000
24	ポーランド	ヨーロッパ	195,825,000
25	スペイン	ヨーロッパ	193,476,000
26	ドミニカ共和国	南アメリカ	178,900,000
27	大韓民国	アジア	178,528,000
28	フィリピン	アジア	178,265,000
29	カナダ	北アメリカ	172,370,000
30	イギリス	ヨーロッパ	172,000,000
31	エクアドル	南アメリカ	171,413,000
32	ペルー	南アメリカ	171,059,000
33	南アフリカ	アフリカ	170,367,000
34	ドイツ	ヨーロッパ	159,118,000
35	イタリア	ヨーロッパ	142,503,000
36	アルジェリア	アフリカ	138,121,000
37	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	124,965,000
38	アルゼンチン	南アメリカ	118,463,000
39	ベラルーシ	ヨーロッパ	103,947,000
40	中国、台湾 中国省	アジア	102,328,000
41	オランダ	ヨーロッパ	101,863,000
42	オーストラリア	オセアニア	100,894,000
43	ミャンマー	アジア	98,089,000
44	チュニジア	アフリカ	97,410,000
45	セネガル	アフリカ	85,193,000
46	コートジボワール	アフリカ	84,870,000
47	ネパール	アジア	82,599,000
48	ガーナ	アフリカ	81,769,000
49	イラク	アジア	78,534,000
50	ウズベキスタン	アジア	77,851,000
51	ルーマニア	ヨーロッパ	73,901,000
52	イエメン	アジア	70,058,000
53	レバノン	アジア	68,050,000
54	ケニア	アフリカ	57,178,000
55	エチオピア	アフリカ	56,993,000
56	クウェート	アジア	55,460,000
57	チリ	南アメリカ	55,429,000
58	ベルギー	ヨーロッパ	53,362,000
59	マリ	アフリカ	52,098,000
60	イスラエル	アジア	51,140,000
61	スーダン	アフリカ	50,747,000
62	ポルトガル	ヨーロッパ	49,307,000
63	ホンジュラス	南アメリカ	47,990,000
64	グアテマラ	南アメリカ	47,000,000
65	ラオス人民民主共和国	アジア	46,624,000
66	ブルキナファソ	アフリカ	45,051,000
67	モルドバ共和国	ヨーロッパ	44,334,000
68	カザフスタン	アジア	41,668,000
69	マダガスカル	アフリカ	41,170,000
70	アンゴラ	アフリカ	40,265,000
71	ザンビア	アフリカ	39,948,000
72	タンザニア連合共和国	アフリカ	39,090,000
73	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	39,047,000
74	リビア	アフリカ	36,550,000
75	ウガンダ	アフリカ	35,561,000
76	南スーダン	アフリカ	35,000,000
77	ギニア	アフリカ	33,715,000
78	ハンガリー	ヨーロッパ	30,874,000
79	キューバ	南アメリカ	30,245,000
80	アゼルバイジャン	アジア	30,176,000
81	カタール	アジア	30,000,000
82	ヨルダン	アジア	29,861,000
83	ガイアナ	南アメリカ	29,694,000
84	トーゴ	アフリカ	28,401,000
85	ニカラグア	南アメリカ	26,341,000
86	コスタリカ	南アメリカ	25,858,000
87	パナマ	南アメリカ	25,586,000
88	シエラレオネ	アフリカ	25,037,000
89	ニュージーランド	オセアニア	24,849,000
90	パラグアイ	南アメリカ	24,754,000
91	アラブ首長国連邦	アジア	24,630,000
92	スリランカ	アジア	24,278,000
93	デンマーク	ヨーロッパ	21,250,000
94	チェコ	ヨーロッパ	21,018,000
95	モザンビーク	アフリカ	20,769,000
96	ニジェール	アフリカ	20,696,000
97	トルクメニスタン	アジア	20,606,000
98	カメルーン	アフリカ	20,000,000
99	ブルネイ ダルサラーム	アジア	19,437,000
100	マラウイ	アフリカ	18,902,000
101	シリア・アラブ共和国	アジア	18,741,000
102	コンゴ民主共和国	アフリカ	18,675,000
103	エルサルバドル	南アメリカ	18,387,000
104	ブルガリア	ヨーロッパ	17,177,000
105	オーストリア	ヨーロッパ	16,857,000
106	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	16,683,000
107	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	16,658,000
108	ジンバブエ	アフリカ	16,200,000
109	モーリシャス	アフリカ	16,105,000
110	タジキスタン	アジア	16,000,000
111	アイルランド	ヨーロッパ	15,236,000
112	セルビア	ヨーロッパ	14,927,000
113	ノルウェー	ヨーロッパ	14,218,000
114	ジャマイカ	南アメリカ	14,112,000
115	ベナン	アフリカ	14,005,000
116	アフガニスタン	アジア	13,525,000
117	スロバキア	ヨーロッパ	13,153,000
118	フィンランド	ヨーロッパ	12,715,000
119	カンボジア	アジア	12,526,000
120	スイス	ヨーロッパ	12,429,000
121	クロアチア	ヨーロッパ	11,360,000
122	リトアニア	ヨーロッパ	9,852,000
123	プエルトリコ	南アメリカ	9,559,000
124	グルジア	アジア	9,298,000
125	リベリア	アフリカ	8,105,000
126	パレスチナ国	アジア	7,350,000
127	中央アフリカ共和国	アフリカ	6,929,000
128	アルバニア	ヨーロッパ	6,774,000
129	チャド	アフリカ	5,989,000
130	ハイチ	南アメリカ	5,850,000
131	スリナム	南アメリカ	5,773,000
132	スロベニア	ヨーロッパ	5,770,000
133	ラトビア	ヨーロッパ	5,643,000
134	フィジー	オセアニア	5,537,000
135	オマーン	アジア	4,830,000
136	モーリタニア	アフリカ	4,729,000
137	パプアニューギニア	オセアニア	4,693,000
138	キルギスタン	アジア	4,674,000
139	キプロス	アジア	4,655,000
140	バルバドス	南アメリカ	4,606,000
141	ナミビア	アフリカ	4,546,000
142	アルメニア	アジア	4,396,000
143	ルワンダ	アフリカ	4,393,000
144	中国、香港特別行政区	アジア	4,392,000
145	シンガポール	アジア	3,853,000
146	ソマリア	アフリカ	3,842,000
147	エスワティニ	アフリカ	3,639,000
148	ガボン	アフリカ	3,322,000
149	ウルグアイ	南アメリカ	3,319,000
150	バハマ	南アメリカ	3,184,000
151	コンゴ	アフリカ	2,942,000
152	ブルンジ	アフリカ	2,684,000
153	ギニアビサウ	アフリカ	2,121,000
154	エストニア	ヨーロッパ	2,055,000
155	ベリーズ	南アメリカ	1,667,000
156	北マケドニア	ヨーロッパ	1,643,000
157	バーレーン	アジア	1,500,000
158	ブータン	アジア	1,384,000
159	エリトリア	アフリカ	1,231,000
160	モンゴル	アジア	985,000
161	ガンビア	アフリカ	982,000
162	東ティモール	アジア	978,000
163	マルタ	ヨーロッパ	884,000
164	ボツワナ	アフリカ	844,000
165	中国、マカオ特別行政区	アジア	780,000
166	カーボベルデ	アフリカ	650,000
167	キリバス	オセアニア	642,000
168	モンテネグロ	ヨーロッパ	602,000
169	ニューカレドニア	オセアニア	570,000
170	コモロ	アフリカ	543,000
171	バヌアツ	オセアニア	504,000
172	セントルシア	南アメリカ	471,000
173	サモア	オセアニア	397,000
174	赤道ギニア	アフリカ	381,000
175	レソト	アフリカ	380,000
176	トンガ	オセアニア	337,000
177	フランス領ポリネシア	オセアニア	326,000
178	サントメ・プリンシペ	アフリカ	273,000
179	グレナダ	南アメリカ	269,000
180	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	253,000
181	ソロモン諸島	オセアニア	246,000
182	アイスランド	ヨーロッパ	222,000
183	ドミニカ	南アメリカ	202,000
184	ミクロネシア連邦	オセアニア	191,000
185	セーシェル	アフリカ	160,000
186	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	160,000
187	ルクセンブルク	ヨーロッパ	136,000
188	ツバル	オセアニア	55,000
189	クック諸島	オセアニア	18,000
190	ニウエ	オセアニア	18,000
191	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	10,000
192	ナウル	オセアニア	5,000
193	トケラウ	オセアニア	5,000
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2020年度の世界鶏飼養数ランキングは、食料供給、生産体制、そして地域的な経済活動の違いを反映した重要なデータです。1位となった中国の鶏飼養数は約5.12億羽で、全体の鶏の飼養数において独占的ともいえる存在感を示しています。この背景には、国土面積の広さだけでなく、経済発展とともに増加する国内消費、特に鶏肉や卵を中心とした動物性たんぱく質の需要があります。また、中国は輸出も含めた総合的な農業政策を強化しており、それが生産の増加を支えています。

2位のインドネシアは約3.57億羽で、中国との差はありますが、東南アジアの代表的な養鶏国としての地位を確立しています。国の経済成長と国内需要の伸びが供給増大の主要な要因です。特に地場産業としてのブランドの確立や、食文化の中で鶏肉が重要な地位を占める点も注目すべきです。3位のアメリカ合衆国は、約1.54億羽とインドネシアに続きますが、アメリカでは工業化された鶏肉生産のシステムが世界でも洗練され、その供給効率は非常に高いものがあります。

一方、12位の日本は約3195万羽と中規模な飼養数です。日本の鶏産業は、比較的高品質かつ効率的な生産を重視しているため、絶対的な飼養数では上位国に届きません。しかし需要増加を背景に、飼養技術の高度化や品種改良に力を入れてきたことが特徴的です。消費行動においては、鶏肉だけでなく卵の需要も高く、これが国内生産を支える力となっています。

地政学的背景も、このランキングに影響しています。たとえば、紛争や地政学的リスクが高い地域では、生産基盤が不安定化し、鶏の飼養数が伸び悩んでいるケースがあります。その一例として、イラクやシリアなどでは、地元の生産基盤が地域衝突によって損なわれています。また、新型コロナウイルス感染症によるサプライチェーンの混乱は、多くの地域で鶏飼養に影響を及ぼしました。特に輸入飼料への依存度が高い国々では、物流上の問題が生産効率を低下させたと言われています。

未来の課題としては、生産効率の向上と環境問題への対応が挙げられます。特に、大規模養鶏は温室効果ガスの排出問題や飼料問題を引き起こし、とりわけ森林破壊などの環境負荷が懸念されています。また、家禽インフルエンザなどの疫病リスクも、養鶏業が抱える大きな課題です。このような課題に対応するためには、持続可能な農業システムの導入や、国際間での協力が不可欠です。

具体的な提言として、まず低炭素型の鶏肉生産を促進する政策が必要です。これには、再生可能エネルギーの利用推進や、飼料の効率的な利用といった技術革新が含まれます。さらに、各国間での知識共有や地域間協力も重要です。たとえば技術供与や共同研究を通じて、生産効率を高めると同時に疫病対策を強化することが考えられます。

結論として、この鶏飼養数ランキングは、生産面だけでなく、消費、地政学的リスク、環境問題などの多様な側面に光を当てています。このデータをきっかけに、持続可能な食料生産と国際協力の強化が必要であると考えられます。各国が歩むべき道筋は、それぞれの社会的・経済的背景によって異なりますが、共通して重要なのは「効率」と「持続可能性」を追求する姿勢です。国際的な枠組みの中で、これらの目的に向けて協力することが期待されます。