世界の鶏飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2010年度の世界の鶏飼養数ランキングデータによると、世界最大の鶏飼養数を誇る国は中国で5,200,000万羽に及びました。これに続くのはアメリカ合衆国（1,437,000万羽）、インドネシア（1,349,626万羽）で、インドやブラジル、パキスタンなどが上位ランキングに名を連ねています。一方、日本は286,000万羽で10位にランクインしました。これらのデータから、国々の食文化や家畜政策の違いが顕著に表れています。

順位	国名	地域	飼養数(羽)
1	中国	アジア	5,200,000,000
2	アメリカ合衆国	北アメリカ	1,437,000,000
3	インドネシア	アジア	1,349,626,000
4	ブラジル	南アメリカ	1,238,913,000
5	イラン（イスラム共和国）	アジア	880,000,000
6	インド	アジア	663,300,000
7	パキスタン	アジア	622,400,000
8	メキシコ	南アメリカ	506,256,000
9	ロシア連邦	ヨーロッパ	390,534,000
10	日本	アジア	286,000,000
11	トルコ	アジア	234,918,000
12	タイ	アジア	231,918,000
13	フランス	ヨーロッパ	231,527,000
14	バングラデシュ	アジア	228,035,000
15	ベトナム	アジア	218,201,000
16	マレーシア	アジア	217,228,000
17	南アフリカ	アフリカ	197,000,000
18	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	195,408,000
19	ナイジェリア	アフリカ	192,313,000
20	エクアドル	南アメリカ	182,930,000
21	ドミニカ共和国	南アメリカ	178,433,000
22	スペイン	ヨーロッパ	178,329,000
23	ウクライナ	ヨーロッパ	172,600,000
24	モロッコ	アフリカ	170,000,000
25	カナダ	北アメリカ	165,000,000
26	フィリピン	アジア	158,984,000
27	コロンビア	南アメリカ	158,000,000
28	ミャンマー	アジア	156,407,000
29	ポーランド	ヨーロッパ	153,278,000
30	イギリス	ヨーロッパ	152,000,000
31	大韓民国	アジア	149,200,000
32	サウジアラビア	アジア	148,200,000
33	ペルー	南アメリカ	130,779,000
34	イタリア	ヨーロッパ	130,000,000
35	アルジェリア	アフリカ	126,000,000
36	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	117,000,000
37	ドイツ	ヨーロッパ	114,113,000
38	エジプト	アフリカ	103,789,000
39	オランダ	ヨーロッパ	101,248,000
40	中国、台湾 中国省	アジア	100,770,000
41	アルゼンチン	南アメリカ	98,000,000
42	ルーマニア	ヨーロッパ	83,843,000
43	オーストラリア	オセアニア	83,024,000
44	チュニジア	アフリカ	80,000,000
45	イエメン	アジア	60,000,000
46	ベラルーシ	ヨーロッパ	54,000,000
47	エチオピア	アフリカ	49,287,000
48	レバノン	アジア	49,000,000
49	ガーナ	アフリカ	47,752,000
50	チリ	南アメリカ	47,479,000
51	コートジボワール	アフリカ	45,052,000
52	カメルーン	アフリカ	45,000,000
53	ホンジュラス	南アメリカ	43,318,000
54	イスラエル	アジア	42,599,000
55	セネガル	アフリカ	40,449,000
56	ブルキナファソ	アフリカ	39,000,000
57	マリ	アフリカ	36,750,000
58	ザンビア	アフリカ	35,000,000
59	ウガンダ	アフリカ	34,680,000
60	ベルギー	ヨーロッパ	34,375,000
61	イラク	アジア	34,000,000
62	タンザニア連合共和国	アフリカ	33,500,000
63	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	33,000,000
64	リビア	アフリカ	33,000,000
65	グアテマラ	南アメリカ	33,000,000
66	セルビア	ヨーロッパ	32,735,000
67	ウズベキスタン	アジア	32,600,000
68	ポルトガル	ヨーロッパ	32,233,000
69	ハンガリー	ヨーロッパ	32,128,000
70	カザフスタン	アジア	30,960,000
71	キューバ	南アメリカ	30,950,000
72	クウェート	アジア	30,559,000
73	ケニア	アフリカ	30,398,000
74	ヨルダン	アジア	29,000,000
75	ギリシャ	ヨーロッパ	27,841,000
76	マダガスカル	アフリカ	26,500,000
77	ネパール	アジア	25,760,000
78	シリア・アラブ共和国	アジア	25,401,000
79	ラオス人民民主共和国	アジア	25,105,000
80	チェコ	ヨーロッパ	24,042,000
81	モザンビーク	アフリカ	23,922,000
82	コスタリカ	南アメリカ	23,900,000
83	ジンバブエ	アフリカ	23,367,000
84	スウェーデン	ヨーロッパ	22,344,000
85	モルドバ共和国	ヨーロッパ	22,340,000
86	トーゴ	アフリカ	21,650,000
87	ガイアナ	南アメリカ	21,400,000
88	ギニア	アフリカ	21,231,000
89	アゼルバイジャン	アジア	21,150,000
90	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	21,030,000
91	コンゴ民主共和国	アフリカ	20,067,000
92	アラブ首長国連邦	アジア	20,000,000
93	ニカラグア	南アメリカ	19,000,000
94	ニュージーランド	オセアニア	18,525,000
95	デンマーク	ヨーロッパ	18,084,000
96	カンボジア	アジア	17,448,000
97	パナマ	南アメリカ	17,263,000
98	アンゴラ	アフリカ	17,119,000
99	ニジェール	アフリカ	17,101,000
100	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	16,569,000
101	ベナン	アフリカ	16,550,000
102	ウルグアイ	南アメリカ	16,500,000
103	パラグアイ	南アメリカ	16,376,000
104	ブルガリア	ヨーロッパ	16,002,000
105	マラウイ	アフリカ	16,000,000
106	トルクメニスタン	アジア	15,888,000
107	オーストリア	ヨーロッパ	15,650,000
108	エルサルバドル	南アメリカ	15,000,000
109	ブルネイ ダルサラーム	アジア	14,910,000
110	モーリシャス	アフリカ	14,200,000
111	スリランカ	アジア	14,018,000
112	アイルランド	ヨーロッパ	13,800,000
113	ジャマイカ	南アメリカ	13,500,000
114	スロバキア	ヨーロッパ	13,249,000
115	アフガニスタン	アジア	12,888,000
116	ノルウェー	ヨーロッパ	11,854,000
117	プエルトリコ	南アメリカ	10,655,000
118	シエラレオネ	アフリカ	9,460,000
119	リトアニア	ヨーロッパ	9,025,000
120	スイス	ヨーロッパ	8,944,000
121	フィンランド	ヨーロッパ	8,443,000
122	パレスチナ国	アジア	8,300,000
123	カタール	アジア	7,300,000
124	リベリア	アフリカ	6,800,000
125	中央アフリカ共和国	アフリカ	6,376,000
126	グルジア	アジア	6,190,000
127	スリナム	南アメリカ	6,150,000
128	ハイチ	南アメリカ	5,600,000
129	チャド	アフリカ	5,550,000
130	アルバニア	ヨーロッパ	5,245,000
131	ナミビア	アフリカ	5,100,000
132	クロアチア	ヨーロッパ	5,041,000
133	ラトビア	ヨーロッパ	4,829,000
134	フィジー	オセアニア	4,700,000
135	キルギスタン	アジア	4,422,000
136	オマーン	アジア	4,390,000
137	モーリタニア	アフリカ	4,300,000
138	パプアニューギニア	オセアニア	4,000,000
139	タジキスタン	アジア	3,938,000
140	アルメニア	アジア	3,910,000
141	バルバドス	南アメリカ	3,600,000
142	ルワンダ	アフリカ	3,538,000
143	エスワティニ	アフリカ	3,500,000
144	ソマリア	アフリカ	3,400,000
145	シンガポール	アジア	3,300,000
146	ガボン	アフリカ	3,100,000
147	バハマ	南アメリカ	3,000,000
148	キプロス	アジア	2,981,000
149	スロベニア	ヨーロッパ	2,945,000
150	コンゴ	アフリカ	2,600,000
151	北マケドニア	ヨーロッパ	1,995,000
152	エストニア	ヨーロッパ	1,769,000
153	ボツワナ	アフリカ	1,761,000
154	ブルンジ	アフリカ	1,720,000
155	ギニアビサウ	アフリカ	1,596,000
156	ベリーズ	南アメリカ	1,530,000
157	中国、香港特別行政区	アジア	1,250,000
158	エリトリア	アフリカ	1,250,000
159	マルタ	ヨーロッパ	970,000
160	ガンビア	アフリカ	850,000
161	バーレーン	アジア	780,000
162	東ティモール	アジア	702,000
163	中国、マカオ特別行政区	アジア	700,000
164	カーボベルデ	アフリカ	618,000
165	バヌアツ	オセアニア	600,000
166	ニューカレドニア	オセアニア	600,000
167	キリバス	オセアニア	580,000
168	コモロ	アフリカ	550,000
169	モンテネグロ	ヨーロッパ	506,000
170	レソト	アフリカ	502,000
171	サモア	オセアニア	460,000
172	セントルシア	南アメリカ	450,000
173	モンゴル	アジア	426,000
174	ブータン	アジア	349,000
175	赤道ギニア	アフリカ	340,000
176	トンガ	オセアニア	330,000
177	セーシェル	アフリカ	310,000
178	フランス領ポリネシア	オセアニア	300,000
179	グレナダ	南アメリカ	270,000
180	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	260,000
181	ソロモン諸島	オセアニア	240,000
182	サントメ・プリンシペ	アフリカ	230,000
183	アイスランド	ヨーロッパ	218,000
184	ドミニカ	南アメリカ	190,000
185	ミクロネシア連邦	オセアニア	185,000
186	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	150,000
187	ルクセンブルク	ヨーロッパ	90,000
188	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	80,000
189	ツバル	オセアニア	49,000
190	クック諸島	オセアニア	20,000
191	ニウエ	オセアニア	16,000
192	ナウル	オセアニア	5,000
193	トケラウ	オセアニア	5,000
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この2010年度の鶏飼養数ランキングは、各国の家禽飼養の実態を示し、食糧生産および経済の一端を垣間見ることができる重要な指標となっています。鶏は肉や卵を提供する主要な家畜であり、特に発展途上国や人口の多い国々では、生鮮品として重要なタンパク質供給源となっています。トップの中国は、5,200,000万羽という圧倒的な飼養数を記録しましたが、これは世界人口の約20%を占める中国が自国民の食料需要を支えるために多大な農業資源を鶏の飼養に投じていることを反映しています。また、アメリカ合衆国が2位にランクインしたのは、産業化された大規模な鷄肉生産システムによるものです。この国では鶏肉産業が高度に集約化されており、国内のみならず輸出市場においてもその役割を果たしています。

一方、ブラジルやインド、インドネシアなどの他の上位国では、地域の食文化や需要に基づいて鶏飼養が盛んであることが特徴です。たとえばブラジルは、農産物輸出国として世界的に認識されており、鶏肉の主要輸出国の一つでもあります。一方、日本は286,000万羽で10位に位置しましたが、日本国内の消費傾向は、他国と比較して鶏肉よりも魚介類や牛肉といった多様な食品に分散しているため、鶏飼養数が相対的に少ない結果となりました。それでもなお、卵や鶏肉は日本にとって欠かせない食材であり、国内での需要は安定しています。

こうしたデータから考えられる一つの課題は、持続可能性です。中国やアメリカなど大規模に鶏を飼養している国は、環境資源への負荷がより高まる傾向にあります。例えば、大規模な家畜飼養は水資源の消費、農地利用の増加、温室効果ガス排出など、地球環境に多大な影響を及ぼすことが知られています。このため、これらのリスクを低減させるための対策として、効率的な飼料利用や廃棄物管理技術の発展、より持続可能な家禽管理方法の採用が急務となっています。

また、特定の地域では家禽の安全性や疾病リスクも重要な論点です。特にインドやインドネシアでは、高病原性鳥インフルエンザ（HPAI）などの感染症が過去に深刻な被害をもたらしました。こうした感染症は国境を越えて拡大する可能性があり、地域の公衆衛生への影響のみならず、国際的な食料供給チェーンへも影響を及ぼすリスクがあります。地域間での協力や国際機関の支援による対策が必要不可欠です。

未来への提言として、各国が鶏の飼養や輸出において環境および公衆衛生の両面で持続可能性を重視する必要があります。例えば、家禽の飼料資源を効率的に管理し、環境負荷を最小化する技術革新を促進することが重要です。また、疫病管理では、各国間の情報共有ネットワークを強化し、迅速な対応体制を構築することが望まれます。さらに国際機関や地域協力を通じて、鶏肉産業のトレーサビリティ（食品の流通履歴の追跡可能性）を向上させる努力も必要になるでしょう。

結論として、このランキングデータは、世界の食糧生産とその地域差を深く理解する上で非常に有用な情報を提供しています。これを踏まえ、将来に向けた課題解決のために、環境負荷の軽減、感染リスク対策、持続可能な家禽管理の推進が全世界で求められています。飼養数のみに依存しない新たな生産モデルの開発と採用が、次世代の食糧問題解決に大きく貢献する可能性があります。