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世界のトマト生産量ランキング2023(最新)

国連食糧農業機関(FAO)が2024年7月に発表したデータによると、2023年における世界のトマト生産量ランキングは、中国が約7,011万トンで圧倒的な1位、続いてインドが約2,043万トンで2位、トルコが約1,330万トンで3位という結果でした。これらトップ3カ国だけで世界全体の大部分を占めています。日本は約71万トンで33位に位置しており、同じアジアの韓国(49位、約39万トン)や中国と比較しても、格差の大きさが浮き彫りになっています。

順位 国名 地域 生産量(トン)
1 中国 アジア 70,119,694
2 インド アジア 20,425,000
3 トルコ アジア 13,300,000
4 アメリカ合衆国 北アメリカ 12,370,057
5 エジプト アフリカ 6,211,016
6 イタリア ヨーロッパ 6,016,050
7 メキシコ 南アメリカ 4,394,807
8 ブラジル 南アメリカ 4,166,017
9 スペイン ヨーロッパ 3,968,460
10 ナイジェリア アフリカ 3,803,598
11 イラン(イスラム共和国) アジア 3,367,599
12 ロシア連邦 ヨーロッパ 2,721,428
13 ウズベキスタン アジア 2,205,700
14 ポルトガル ヨーロッパ 1,812,550
15 ウクライナ ヨーロッパ 1,683,560
16 アルジェリア アフリカ 1,682,042
17 モロッコ アフリカ 1,444,679
18 アルゼンチン 南アメリカ 1,430,078
19 チュニジア アフリカ 1,287,545
20 カメルーン アフリカ 1,248,099
21 インドネシア アジア 1,143,788
22 モザンビーク アフリカ 932,254
23 チリ 南アメリカ 930,111
24 コロンビア 南アメリカ 896,316
25 ポーランド ヨーロッパ 883,200
26 アゼルバイジャン アジア 845,525
27 カザフスタン アジア 792,360
28 アンゴラ アフリカ 765,787
29 パキスタン アジア 762,736
30 ギリシャ ヨーロッパ 753,150
31 シリア・アラブ共和国 アジア 740,699
32 オランダ ヨーロッパ 726,000
33 日本 アジア 711,724
34 フランス ヨーロッパ 656,190
35 サウジアラビア アジア 636,646
36 スーダン アフリカ 633,951
37 ヨルダン アジア 591,726
38 ケニア アフリカ 582,500
39 タンザニア連合共和国 アフリカ 571,816
40 マラウイ アフリカ 550,697
41 カナダ 北アメリカ 543,051
42 イラク アジア 534,821
43 南アフリカ アフリカ 527,954
44 グアテマラ 南アメリカ 514,446
45 タジキスタン アジア 509,860
46 バングラデシュ アジア 469,204
47 ジンバブエ アフリカ 459,037
48 ニジェール アフリカ 399,192
49 大韓民国 アジア 390,042
50 ガーナ アフリカ 374,554
51 トルクメニスタン アジア 346,147
52 ベラルーシ ヨーロッパ 336,155
53 キューバ 南アメリカ 335,704
54 イスラエル アジア 324,684
55 オーストラリア オセアニア 321,736
56 アルバニア ヨーロッパ 309,343
57 ブルキナファソ アフリカ 306,282
58 ドミニカ共和国 南アメリカ 290,990
59 ベルギー ヨーロッパ 289,700
60 キルギスタン アジア 280,794
61 ベナン アフリカ 279,466
62 レバノン アジア 271,997
63 ルーマニア ヨーロッパ 271,520
64 マリ アフリカ 246,195
65 リビア アフリカ 226,622
66 ペルー 南アメリカ 225,946
67 オマーン アジア 225,488
68 フィリピン アジア 219,310
69 パレスチナ国 アジア 189,405
70 ベネズエラ (ボリバル共和国) 南アメリカ 182,454
71 ハンガリー ヨーロッパ 177,390
72 マレーシア アジア 163,943
73 アルメニア アジア 158,627
74 セネガル アフリカ 152,950
75 イエメン アジア 150,697
76 タイ アジア 139,760
77 北マケドニア ヨーロッパ 116,383
78 ブルガリア ヨーロッパ 115,650
79 セルビア ヨーロッパ 113,913
80 ドイツ ヨーロッパ 101,060
81 中国、台湾 中国省 アジア 94,928
82 ボリビア (多民族国家) 南アメリカ 87,863
83 ルワンダ アフリカ 84,354
84 スリランカ アジア 80,414
85 アラブ首長国連邦 アジア 77,867
86 ニカラグア 南アメリカ 74,227
87 ホンジュラス 南アメリカ 72,971
88 朝鮮民主主義人民共和国 アジア 66,406
89 クウェート アジア 66,094
90 イギリス ヨーロッパ 63,442
91 オーストリア ヨーロッパ 56,950
92 コスタリカ 南アメリカ 56,588
93 グルジア アジア 55,500
94 ニュージーランド オセアニア 51,734
95 ボスニア・ヘルツェゴビナ ヨーロッパ 51,075
96 コンゴ民主共和国 アフリカ 50,944
97 コートジボワール アフリカ 48,259
98 モルドバ共和国 ヨーロッパ 43,428
99 パラグアイ 南アメリカ 42,342
100 マダガスカル アフリカ 40,739
101 エクアドル 南アメリカ 40,079
102 ウガンダ アフリカ 38,310
103 エチオピア アフリカ 36,103
104 ウルグアイ 南アメリカ 36,052
105 スイス ヨーロッパ 35,501
106 フィンランド ヨーロッパ 30,850
107 カタール アジア 27,682
108 ガイアナ 南アメリカ 26,868
109 ザンビア アフリカ 25,961
110 ジャマイカ 南アメリカ 25,442
111 ソマリア アフリカ 24,039
112 エルサルバドル 南アメリカ 22,568
113 パナマ 南アメリカ 22,445
114 クロアチア ヨーロッパ 22,400
115 モーリシャス アフリカ 20,383
116 チェコ ヨーロッパ 20,300
117 シエラレオネ アフリカ 19,734
118 プエルトリコ 南アメリカ 19,598
119 スロバキア ヨーロッパ 19,480
120 スウェーデン ヨーロッパ 17,480
121 ノルウェー ヨーロッパ 15,088
122 キプロス アジア 12,970
123 コモロ アフリカ 11,473
124 デンマーク ヨーロッパ 11,390
125 カーボベルデ アフリカ 9,987
126 バーレーン アジア 9,449
127 ナミビア アフリカ 8,843
128 マルタ ヨーロッパ 8,230
129 リトアニア ヨーロッパ 8,140
130 スロベニア ヨーロッパ 8,070
131 バハマ 南アメリカ 7,714
132 エスワティニ アフリカ 5,288
133 トーゴ アフリカ 5,280
134 ラトビア ヨーロッパ 4,710
135 コンゴ アフリカ 3,873
136 リベリア アフリカ 3,557
137 アイルランド ヨーロッパ 3,510
138 フィジー オセアニア 3,189
139 ハイチ 南アメリカ 2,304
140 モンゴル アジア 2,157
141 ボツワナ アフリカ 2,048
142 モンテネグロ ヨーロッパ 1,607
143 ジブチ アフリカ 1,585
144 ベリーズ 南アメリカ 1,523
145 トリニダード・トバゴ 南アメリカ 1,372
146 アイスランド ヨーロッパ 1,200
147 スリナム 南アメリカ 930
148 フランス領ポリネシア オセアニア 928
149 トンガ オセアニア 873
150 バルバドス 南アメリカ 841
151 東ティモール アジア 596
152 パプアニューギニア オセアニア 539
153 バヌアツ オセアニア 500
154 グレナダ 南アメリカ 455
155 セーシェル アフリカ 450
156 ドミニカ 南アメリカ 421
157 ガボン アフリカ 349
158 クック諸島 オセアニア 281
159 セントルシア 南アメリカ 238
160 モルディブ アジア 230
161 ブータン アジア 206
162 ブルネイ ダルサラーム アジア 141
163 ルクセンブルク ヨーロッパ 120
164 セントクリストファー・ネイビス 南アメリカ 84
165 アンティグア・バーブーダ 南アメリカ 81
166 エストニア ヨーロッパ 80
167 中国、香港特別行政区 アジア 45
168 ナウル オセアニア 0
169 シンガポール アジア 0
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2023年のトマト生産量データでは、中国が圧倒的な首位を維持し、世界全体の主要な供給源となっていることが分かります。中国の生産量は約7,011万トンに達しており、2位のインドの約3.4倍、3位のトルコの約5.3倍となる規模です。この背景には、中国の広大な農地、豊富な労働力、および農業生産量を効率化するための高度な技術導入が挙げられます。また、国内需要の高さや豊富な輸出実績も中国のトマト生産を支える要因と言えるでしょう。

2位のインドでは約2,043万トンの生産量が記録されており、中国には大きく劣るものの、トマト消費の増加や国内市場の需要拡大、地方農家向けの支援政策が生産の安定化に寄与しています。一方、3位のトルコでは約1,330万トンの生産が行われており、トマトは国内消費だけでなくヨーロッパへの主要な輸出製品にもなっています。

アメリカ合衆国(4位)、エジプト(5位)、イタリア(6位)といった国々も、それぞれ1,000万トン前後の生産量を誇っていますが、これらの国々は主に加工向けや高付加価値のトマト製品生産が特徴的です。特にイタリアでは、トマトは伝統的な食文化と結びついており、パスタソースや缶詰製品などの加工品が世界的に高評価を得ています。

日本は約71万トンで33位ですが、これは国内の限られた農地面積や、品質重視の生産方法に起因すると考えられます。日本のトマト生産は主に温室栽培などの高度な農業技術に支えられており、生食用の高品質トマトが中心です。一方で、韓国(49位、約39万トン)やインドネシア(21位、約114万トン)に比べてもアジア内での順位は相対的に低く、さらなる成長には農業現場の効率向上や輸出促進のための改革が必要と考えられます。

課題として、世界のトマト生産は気候変動や異常気象の影響を受けやすい点が挙げられます。例えば、主要生産地であるトルコや南ヨーロッパ地域では、近年の高温や干ばつがトマトの収穫量に大きな影響を与えています。また、エジプトやナイジェリアなどアフリカ諸国では、地域紛争やインフラ整備の遅れが農業全体の効率化を妨げ、生産の安定性を低下させています。

さらに、トマトは輸送や保管が難しいデリケートな作物であり、生産地から消費地までの運搬中に大量の食品ロスが発生しています。この問題に対処するためには、コールドチェーン(低温物流)の整備やインフラ強化が求められます。

未来に向けた提言として、まずは各国が国境を越えた共同研究や技術連携を進め、効率的で環境負荷の少ない農業技術の普及を目指すべきです。日本においては、すでに確立されている高品質トマトの技術を海外に輸出する形で市場を広げるとともに、アジアやアフリカ諸国との技術協力を強化することが期待されます。また、一部の地域では、トマトを含む農産物の生産を地元農業従事者だけでまかなうのではなく、移民労働者の受け入れを進め生産基盤を強化することも重要です。

総じて、トマト生産は世界的な食料供給システムの中で重要な役割を担っています。しかし、気候の変動や社会的リスクに対応するためには、持続可能な農業への投資や輸送システムの近代化など、多面的な取り組みが不可欠です。食料安全保障を確保するため、国際社会全体での協力が求められる時代が到来しているといえます。