Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が発表した最新データによると、コロンビアのトマト生産量は1961年の38,500トンから2022年の875,437トンまで増加しました。特に1966年以降、飛躍的な成長が見られ、2000年代後半以降にも堅調な増加傾向が続いています。一方で、1990年代前半や2017年、2019年などに顕著な減少が発生しており、全体としては順調な推移を見せながらも不安定な年ごとの変動が確認されます。
コロンビアのトマト生産量推移(1961-2022)
年度 | 生産量(トン) |
---|---|
2022年 | 875,437 |
2021年 | 851,177 |
2020年 | 823,300 |
2019年 | 556,692 |
2018年 | 596,279 |
2017年 | 473,772 |
2016年 | 690,515 |
2015年 | 623,165 |
2014年 | 606,151 |
2013年 | 686,290 |
2012年 | 659,699 |
2011年 | 595,289 |
2010年 | 512,912 |
2009年 | 515,228 |
2008年 | 490,929 |
2007年 | 474,317 |
2006年 | 443,587 |
2005年 | 420,061 |
2004年 | 402,864 |
2003年 | 393,318 |
2002年 | 411,151 |
2001年 | 398,330 |
2000年 | 375,082 |
1999年 | 359,696 |
1998年 | 280,000 |
1997年 | 300,000 |
1996年 | 280,000 |
1995年 | 250,000 |
1994年 | 300,601 |
1993年 | 273,156 |
1992年 | 300,000 |
1991年 | 322,530 |
1990年 | 505,005 |
1989年 | 484,400 |
1988年 | 351,076 |
1987年 | 312,897 |
1986年 | 303,154 |
1985年 | 328,756 |
1984年 | 271,700 |
1983年 | 266,000 |
1982年 | 250,750 |
1981年 | 242,500 |
1980年 | 245,140 |
1979年 | 243,100 |
1978年 | 241,400 |
1977年 | 239,700 |
1976年 | 248,400 |
1975年 | 176,640 |
1974年 | 192,720 |
1973年 | 170,000 |
1972年 | 158,900 |
1971年 | 152,300 |
1970年 | 145,000 |
1969年 | 140,000 |
1968年 | 134,500 |
1967年 | 130,000 |
1966年 | 125,000 |
1965年 | 43,400 |
1964年 | 42,200 |
1963年 | 41,100 |
1962年 | 40,000 |
1961年 | 38,500 |
コロンビアのトマト生産量は、長期的には着実な増加を遂げています。1961年には38,500トンだった生産量は、2022年には875,437トンに達しており、60年以上で20倍以上に拡大しています。この間に起こった生産量の大幅な向上は、農業技術の改善、政府や関連組織の農業政策の支援、新しい栽培技術の導入、そして輸出市場の拡大が後押ししたと考えられます。特に1966年に急増が見られた要因として、トマト品種の改良や化学肥料の普及、国内需要急増が関連している可能性があります。
近年では、特に2020年以降の上昇が著しく、2020年から2022年の間で約50%以上の増加を見せています。この急激な増加の背景には、食品としてのトマトの需要が新型コロナウイルスによるパンデミックの影響で世界的に高まったこと、政府が農産物輸出を支える政策を強化したこと、及び輸出拡大のための物流改善が寄与したと考えられます。
一方で、過去には大幅な減産期も存在していました。例えば1991年と1995年では大きな減少が見られます。また2017年や2019年にも生産量は低下しました。これらは、主に地政学的リスクや国内の政治経済的不安、自然災害、そして市場価格の変動が原因として挙げられます。特にコロンビアでは、地域紛争や気候変動の影響を受けやすく、トマト栽培にも直接的な影響を及ぼしてきました。
さらに、地域間での生産の格差や、輸送インフラの未発達も今後の課題として注目されています。輸送コストの高さや末端消費地までの物流の効率性に対して改善が必要です。こうした課題は、特に山岳地帯や農業インフラの整備が十分でない地域で顕著です。日本やアメリカ、中国のように効率的な生産・流通モデルを参考にしつつ、国内外の需要をさらに伸ばすための戦略が求められます。
今後については、気候変動に対応した栽培法の導入や、持続可能な農業運営の導入が重要です。具体的には、気象リスクを軽減するために温室栽培や耐性品種の活用を推進すること、地域協力の枠組みを活用し技術移転を図ること、そして国内消費と輸出市場の安定を図る計画が、有効な手段となるでしょう。また、環境負荷の低減を目指した有機栽培や、地域農民と共同で利益を共有する仕組みが社会的にも支持されています。
結論として、コロンビアのトマト生産は歴史的に見ても顕著な進展を遂げつつありますが、不安定な変動への対応や、地政学的リスクと気候変動に伴う課題への戦略的改善が必要不可欠です。国や国際機関、さらに地域レベルの協力を通じて、技術革新や持続可能なモデルを進めることが、今後の持続的な成長に不可欠となります。