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インドネシアのトマト生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、インドネシアのトマト生産量は1961年の5,000トンから2022年の1,168,744トンまで、大幅に増加しています。このデータは、インドネシアが農業生産において長期的な成長を遂げていることを示しています。特に、1990年代以降は生産量の増加が顕著であり、2020年代においても持続的な成長傾向が続いています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 1,143,788
-2.14% ↓
2022年 1,168,744
4.88% ↑
2021年 1,114,399
2.71% ↑
2020年 1,084,993
6.34% ↑
2019年 1,020,331
4.46% ↑
2018年 976,772
1.45% ↑
2017年 962,856
9.01% ↑
2016年 883,242
0.63% ↑
2015年 877,729
-4.18% ↓
2014年 915,987
-7.74% ↓
2013年 992,780
11.11% ↑
2012年 893,504
-6.35% ↓
2011年 954,046
7% ↑
2010年 891,616
4.52% ↑
2009年 853,061
17.51% ↑
2008年 725,973
14.24% ↑
2007年 635,474
0.91% ↑
2006年 629,744
-2.67% ↓
2005年 647,020
3.21% ↑
2004年 626,872
-4.65% ↓
2003年 657,459
14.64% ↑
2002年 573,517
18.5% ↑
2001年 483,991
-18.44% ↓
2000年 593,392
5.51% ↑
1999年 562,406
2.79% ↑
1998年 547,121
18.86% ↑
1997年 460,310
-22.07% ↓
1996年 590,656
71.37% ↑
1995年 344,675
14.24% ↑
1994年 301,723
33.38% ↑
1993年 226,208
-1.08% ↓
1992年 228,674
-2.81% ↓
1991年 235,285
13.37% ↑
1990年 207,546
-12.87% ↓
1989年 238,202
23.93% ↑
1988年 192,200
2.54% ↑
1987年 187,430
13.59% ↑
1986年 165,000
3.11% ↑
1985年 160,018
15.87% ↑
1984年 138,100
55.33% ↑
1983年 88,909
-25.35% ↓
1982年 119,100
11% ↑
1981年 107,300
6.61% ↑
1980年 100,648
2.97% ↑
1979年 97,746
-15.82% ↓
1978年 116,116
50.9% ↑
1977年 76,951
24.32% ↑
1976年 61,900
-9.9% ↓
1975年 68,700
15.08% ↑
1974年 59,700
-1.32% ↓
1973年 60,500
202.5% ↑
1972年 20,000
17.65% ↑
1971年 17,000
13.33% ↑
1970年 15,000
25% ↑
1969年 12,000
-20.53% ↓
1968年 15,100
58.95% ↑
1967年 9,500
5.56% ↑
1966年 9,000
50% ↑
1965年 6,000 -
1964年 6,000 -
1963年 6,000
20% ↑
1962年 5,000 -
1961年 5,000 -

インドネシアのトマト生産量は、1960年代から現在まで一貫して増加しており、特に1970年代と1990年代以降の伸びが顕著です。最初の大きな飛躍は1970年代の初頭、1973年には約60,500トンという生産量を記録しており、これは1960年代の生産量を約10倍にする大きな進展を意味します。この急激な増加には、当時の政策に基づく農業への投資強化やインフラ改善が影響を与えたと考えられます。

その後、1990年代以降にインドネシアのトマト生産はさらに成長を見せ、1996年には590,656トンというこれまでにない規模の生産が達成されました。これには人口増加や食文化の多様化により野菜への需要が拡大したことが影響しているとみられます。この時期のインドネシアは経済成長を遂げ、農業技術への投資や地方農場への支援が強化されました。

2000年代以降も生産は安定的に推移しつつ、大きな課題としては気象条件や自然災害が挙げられます。インドネシアは地震や洪水などの災害リスクが高い地域に位置しており、これらが農業生産に与える影響は無視できません。しかし、近年では地域ごとに品種改良や灌漑設備の導入が進み、2020年代には初めて年間生産量が1,000,000トンを超えました。2022年には1,168,744トンに到達し、過去最高の生産量となりました。

また、新型コロナウイルスのパンデミックが食料供給に与えた影響も軽視できません。2020年から2022年までの間、パンデミックによる物流への障害や市場の変化にもかかわらず、生産量は毎年着実に成長を続けています。この背景にはインドネシア政府による農業支援政策や輸送インフラ整備の強化があると考えられます。

他国と比較すると、中国やインドといった人口が多く農業が発達している国々には及びませんが、インドネシアはその気候条件や豊富な労働力資源を生かし、着実に生産能力を向上させています。特に東南アジア地域ではトマトの一大生産国として確固たる地位を築いています。

このように生産量が順調に増加している一方で、いくつかの課題も残されています。一つ目は市場競争力の向上です。生産量だけでなく、品質を向上させ、国際市場での競争力を強化する必要があります。また、気候変動の影響も今後さらに深刻化すると予測されており、持続可能な農業技術の普及が重要です。さらに、農業労働者の高齢化も顕著であり、若年層の参加を促すための教育や支援が求められます。

今後のインドネシアのトマト生産における戦略としては、まず、生産の効率化を図るためにデジタル技術やIoTの導入を進めることが挙げられます。また、地域間協力を強化し、農業ノウハウやインフラ整備の不均衡を是正する取り組みも必要です。そして、気候変動に対応するための持続可能な農業政策や、資源効率を向上させる環境保護型の取り組みも重要となるでしょう。

結論として、このデータはインドネシアが農業分野で大きな進展を遂げていることを示しています。2022年には過去最高の生産量を達成しましたが、今後も安定的な成長を続けていくためには、持続可能性に焦点を当てた政策と戦略的な運営が求められます。国際機関との協力も視野に入れ、品質向上や市場拡大を図っていくべきでしょう。