世界の鶏飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した1995年の世界の鶏飼養数ランキングによると、1位は中国（30億3568万羽）、2位はアメリカ（12億2100万羽）、3位はインドネシア（10億844万羽）でした。ここで注目すべきは、中国だけで世界の鶏飼養数の大半を占め、アメリカやインドネシアが続いている点です。日本は8位（3億1353万6千羽）となり、アジア地域内でも上位に位置しています。

順位	国名	地域	飼養数(羽)
1	中国	アジア	3,035,680,000
2	アメリカ合衆国	北アメリカ	1,221,000,000
3	インドネシア	アジア	1,008,444,000
4	ブラジル	南アメリカ	729,531,000
5	ロシア連邦	ヨーロッパ	483,058,000
6	メキシコ	南アメリカ	326,521,000
7	パキスタン	アジア	325,300,000
8	日本	アジア	313,536,000
9	インド	アジア	306,000,000
10	フランス	ヨーロッパ	220,499,000
11	イラン（イスラム共和国）	アジア	186,000,000
12	タイ	アジア	172,370,000
13	スペイン	ヨーロッパ	162,107,000
14	ウクライナ	ヨーロッパ	142,351,000
15	カナダ	北アメリカ	136,000,000
16	トルコ	アジア	129,014,000
17	ナイジェリア	アフリカ	124,000,000
18	バングラデシュ	アジア	123,000,000
19	イギリス	ヨーロッパ	119,500,000
20	イタリア	ヨーロッパ	113,429,000
21	コロンビア	南アメリカ	105,000,000
22	アルジェリア	アフリカ	102,000,000
23	ドイツ	ヨーロッパ	101,139,000
24	南アフリカ	アフリカ	100,000,000
25	ベトナム	アジア	99,500,000
26	中国、台湾 中国省	アジア	97,827,000
27	フィリピン	アジア	96,216,000
28	モロッコ	アフリカ	93,000,000
29	アルゼンチン	南アメリカ	90,000,000
30	オランダ	ヨーロッパ	89,561,000
31	大韓民国	アジア	85,800,000
32	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	85,000,000
33	サウジアラビア	アジア	83,000,000
34	マレーシア	アジア	81,353,000
35	エジプト	アフリカ	76,692,000
36	ルーマニア	ヨーロッパ	70,157,000
37	オーストラリア	オセアニア	66,004,000
38	ペルー	南アメリカ	64,107,000
39	エクアドル	南アメリカ	61,512,000
40	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	55,676,000
41	ポーランド	ヨーロッパ	43,977,000
42	ハンガリー	ヨーロッパ	33,906,000
43	ドミニカ共和国	南アメリカ	33,500,000
44	カザフスタン	アジア	32,450,000
45	チュニジア	アフリカ	31,500,000
46	ベラルーシ	ヨーロッパ	29,900,000
47	ミャンマー	アジア	29,400,000
48	チリ	南アメリカ	29,088,000
49	ギリシャ	ヨーロッパ	27,463,000
50	ケニア	アフリカ	27,296,000
51	エチオピア	アフリカ	27,250,000
52	コートジボワール	アフリカ	27,246,000
53	タンザニア連合共和国	アフリカ	26,954,000
54	キューバ	南アメリカ	26,925,000
55	ポルトガル	ヨーロッパ	25,903,000
56	グアテマラ	南アメリカ	25,900,000
57	チェコ	ヨーロッパ	25,522,000
58	リビア	アフリカ	25,500,000
59	レバノン	アジア	25,300,000
60	イスラエル	アジア	23,350,000
61	モザンビーク	アフリカ	23,000,000
62	コンゴ民主共和国	アフリカ	22,931,000
63	マリ	アフリカ	22,000,000
64	カメルーン	アフリカ	22,000,000
65	ウガンダ	アフリカ	21,832,000
66	ヨルダン	アジア	21,415,000
67	ザンビア	アフリカ	21,000,000
68	イエメン	アジア	20,800,000
69	クウェート	アジア	20,480,000
70	ブルキナファソ	アフリカ	19,641,000
71	ウズベキスタン	アジア	19,000,000
72	シリア・アラブ共和国	アジア	18,753,000
73	デンマーク	ヨーロッパ	18,673,000
74	ブルガリア	ヨーロッパ	17,822,000
75	セネガル	アフリカ	17,219,000
76	イラク	アジア	16,800,000
77	マダガスカル	アフリカ	15,500,000
78	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	15,332,000
79	ジンバブエ	アフリカ	15,000,000
80	モルドバ共和国	ヨーロッパ	14,362,000
81	ネパール	アジア	14,064,000
82	パラグアイ	南アメリカ	14,052,000
83	アゼルバイジャン	アジア	13,600,000
84	コスタリカ	南アメリカ	13,500,000
85	マラウイ	アフリカ	13,500,000
86	オーストリア	ヨーロッパ	13,266,000
87	ガーナ	アフリカ	13,083,000
88	ホンジュラス	南アメリカ	13,000,000
89	スウェーデン	ヨーロッパ	12,725,000
90	ニュージーランド	オセアニア	12,700,000
91	プエルトリコ	南アメリカ	12,552,000
92	アイルランド	ヨーロッパ	11,906,000
93	ラオス人民民主共和国	アジア	11,338,000
94	ニジェール	アフリカ	10,719,000
95	アラブ首長国連邦	アジア	10,380,000
96	パナマ	南アメリカ	10,377,000
97	カンボジア	アジア	10,067,000
98	ウルグアイ	南アメリカ	9,800,000
99	スリランカ	アジア	9,504,000
100	レユニオン	アフリカ	9,500,000
101	ギニア	アフリカ	9,180,000
102	ベナン	アフリカ	8,944,000
103	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	8,871,000
104	リトアニア	ヨーロッパ	8,650,000
105	ニカラグア	南アメリカ	8,300,000
106	グルジア	アジア	7,347,000
107	スロバキア	ヨーロッパ	7,322,000
108	エルサルバドル	南アメリカ	7,300,000
109	ガイアナ	南アメリカ	7,000,000
110	クロアチア	ヨーロッパ	6,887,000
111	モーリシャス	アフリカ	6,750,000
112	アフガニスタン	アジア	6,602,000
113	アンゴラ	アフリカ	6,450,000
114	フィンランド	ヨーロッパ	6,437,000
115	ジャマイカ	南アメリカ	6,100,000
116	スイス	ヨーロッパ	6,064,000
117	シエラレオネ	アフリカ	6,000,000
118	トーゴ	アフリカ	5,738,000
119	パレスチナ国	アジア	5,500,000
120	スロベニア	ヨーロッパ	5,415,000
121	北マケドニア	ヨーロッパ	4,880,000
122	ハイチ	南アメリカ	4,500,000
123	チャド	アフリカ	4,500,000
124	トルクメニスタン	アジア	4,000,000
125	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	4,000,000
126	モーリタニア	アフリカ	3,900,000
127	ラトビア	ヨーロッパ	3,700,000
128	ノルウェー	ヨーロッパ	3,656,000
129	カタール	アジア	3,636,000
130	中国、香港特別行政区	アジア	3,512,000
131	リベリア	アフリカ	3,500,000
132	中央アフリカ共和国	アフリカ	3,422,000
133	ブルネイ ダルサラーム	アジア	3,418,000
134	キプロス	アジア	3,400,000
135	フィジー	オセアニア	3,400,000
136	エリトリア	アフリカ	3,300,000
137	パプアニューギニア	オセアニア	3,250,000
138	バルバドス	南アメリカ	3,170,000
139	ボツワナ	アフリカ	3,157,000
140	エストニア	ヨーロッパ	3,130,000
141	ソマリア	アフリカ	3,000,000
142	オマーン	アジア	2,850,000
143	アルメニア	アジア	2,713,000
144	ガボン	アフリカ	2,700,000
145	バハマ	南アメリカ	2,700,000
146	アルバニア	ヨーロッパ	2,624,000
147	スリナム	南アメリカ	2,393,000
148	ブルンジ	アフリカ	2,208,000
149	ナミビア	アフリカ	2,200,000
150	シンガポール	アジア	2,100,000
151	キルギスタン	アジア	1,978,000
152	コンゴ	アフリカ	1,900,000
153	レソト	アフリカ	1,500,000
154	タジキスタン	アジア	1,473,000
155	ベリーズ	南アメリカ	1,300,000
156	ルワンダ	アフリカ	1,100,000
157	東ティモール	アジア	985,000
158	エスワティニ	アフリカ	975,000
159	マルタ	ヨーロッパ	810,000
160	ギニアビサウ	アフリカ	773,000
161	ガンビア	アフリカ	720,000
162	バーレーン	アジア	655,000
163	セーシェル	アフリカ	530,000
164	コモロ	アフリカ	440,000
165	中国、マカオ特別行政区	アジア	430,000
166	カーボベルデ	アフリカ	424,000
167	サモア	オセアニア	390,000
168	ニューカレドニア	オセアニア	340,000
169	バヌアツ	オセアニア	320,000
170	キリバス	オセアニア	290,000
171	赤道ギニア	アフリカ	270,000
172	トンガ	オセアニア	266,000
173	セントルシア	南アメリカ	250,000
174	マルティニーク	南アメリカ	250,000
175	サントメ・プリンシペ	アフリカ	250,000
176	フランス領ポリネシア	オセアニア	230,000
177	グレナダ	南アメリカ	220,000
178	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	200,000
179	ドミニカ	南アメリカ	190,000
180	アイスランド	ヨーロッパ	186,000
181	ミクロネシア連邦	オセアニア	185,000
182	ブータン	アジア	178,000
183	グアドループ	南アメリカ	172,000
184	ソロモン諸島	オセアニア	170,000
185	フランス領ギアナ	南アメリカ	125,000
186	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	90,000
187	モンゴル	アジア	74,000
188	クック諸島	オセアニア	60,000
189	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	60,000
190	ツバル	オセアニア	30,000
191	ニウエ	オセアニア	10,000
192	ナウル	オセアニア	5,000
193	トケラウ	オセアニア	5,000
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1995年のデータは、鶏飼養数が世界中の食糧供給や家畜産業における重要な役割を反映していることを象徴的に示しています。ランキング1位の中国の飼養数（約30億羽）は、2位のアメリカ（約12億羽）の2.5倍以上に達し、世界全体で生産と消費が集中している結果を浮き彫りにしています。このように、中国が突出している理由として挙げられるのは、広大な国土と急速な経済成長、そして国内需要の高まりです。中国では、多くの家庭で鶏肉を消費し、卵も日常的に使われるため、鶏生産の基盤が極めて重要です。

一方、2位のアメリカでは主に産業規模が大きい養鶏場を中心に生産が行われ、輸出市場への影響力も大きいです。中でも、鶏肉の生産効率化とコスト削減がその飼養数に結びついています。3位のインドネシア同様、ブラジル（約7.3億羽、4位）も地理条件を活かして輸出に力を入れており、南半球の養鶏業がグローバル展開へと結びついている様子が伺えます。

アジア地域内では、中国に次いでインドとインドネシアが上位にランクインしていることから、すでにこの時期から人口増加による需要が高まっていたことが分かります。日本（約3.1億羽）の飼養数は他のアジア諸国に比べて上位ですが、地理的制約や農地の限られた条件により、国内消費需要全体を支えるため輸入依存度が高まる傾向にあります。

課題の一つとして、鶏飼養数が多い国ほど、環境負荷が増加するリスクが挙げられます。特に中国・インドネシア・ブラジルのような新興国では、飼料の確保による森林伐採や土地利用の変化が問題視されています。また、アメリカのように集約的な生産方式を取る場合、一部地域で水質汚染や廃棄物処理問題が深刻化する可能性があります。さらに、家畜を介した疫病拡大リスクにも注意が必要です。鶏に関連するウイルスが発生しやすい環境が整備されていない場合、人やその他の産業への悪影響が生じる可能性があるため、国際的な健康管理体制の強化が不可欠です。

地政学的な要因も見逃せません。例えば、紛争や物流の制約が続く地域では、安定した飼料や家畜市場が阻害され、特定国や地域の供給体制が大きく変わる懸念があります。こうした地域では、特に政策の整備と国際協調による安定化が重要になります。

未来を見据えた具体的な対策として、まず各国が持続可能な飼養事業を実現するため、飼料効率の高い鶏種の育成を促すことが挙げられます。さらに、環境影響を最小限にするためには、土地利用を最適化する技術を導入したり、排出物の管理を専業化する技術支援が必要でしょう。アジア圏においては、地域協力を通じて飼料供給の安定化を図ることが求められます。

全体として、このデータからは食肉需要の集中と食料供給の地理的偏りが顕著であることが分かります。このような現状に対し、各国は環境負荷や疫病リスクを最小限に抑えながら、食品の安定供給を確立し、持続可能な開発目標（SDGs）の達成に向けた努力を進めるべきです。