世界の鶏飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）のデータによると、1994年度における世界の鶏飼養数ランキングでは、中国が2,900万羽で圧倒的な1位となり、アメリカ合衆国（1,170万羽）、インドネシア（929.56万羽）が第2位と第3位を占めています。また、日本は323.66万羽で6位に位置しています。このランキングでは、上位5か国の総合飼養数が特に目立ち、世界的な分布の偏りが見受けられます。

順位	国名	地域	飼養数(羽)
1	中国	アジア	2,900,000,000
2	アメリカ合衆国	北アメリカ	1,170,000,000
3	インドネシア	アジア	929,560,000
4	ブラジル	南アメリカ	681,088,000
5	ロシア連邦	ヨーロッパ	548,134,000
6	日本	アジア	323,660,000
7	メキシコ	南アメリカ	299,869,000
8	インド	アジア	298,000,000
9	パキスタン	アジア	255,100,000
10	フランス	ヨーロッパ	219,089,000
11	イラン（イスラム共和国）	アジア	186,000,000
12	トルコ	アジア	183,684,000
13	ウクライナ	ヨーロッパ	166,494,000
14	タイ	アジア	165,095,000
15	スペイン	ヨーロッパ	157,541,000
16	カナダ	北アメリカ	132,000,000
17	イタリア	ヨーロッパ	124,000,000
18	ナイジェリア	アフリカ	122,000,000
19	イギリス	ヨーロッパ	118,800,000
20	バングラデシュ	アジア	115,800,000
21	ドイツ	ヨーロッパ	101,139,000
22	中国、台湾 中国省	アジア	97,827,000
23	ベトナム	アジア	96,500,000
24	コロンビア	南アメリカ	95,000,000
25	南アフリカ	アフリカ	95,000,000
26	フィリピン	アジア	93,110,000
27	オランダ	ヨーロッパ	91,902,000
28	アルジェリア	アフリカ	89,000,000
29	アルゼンチン	南アメリカ	86,000,000
30	モロッコ	アフリカ	82,000,000
31	サウジアラビア	アジア	81,000,000
32	大韓民国	アジア	80,569,000
33	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	78,000,000
34	ルーマニア	ヨーロッパ	76,532,000
35	エジプト	アフリカ	69,720,000
36	オーストラリア	オセアニア	69,208,000
37	マレーシア	アジア	67,949,000
38	ペルー	南アメリカ	65,070,000
39	エクアドル	南アメリカ	59,512,000
40	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	51,491,000
41	カザフスタン	アジア	49,450,000
42	ポーランド	ヨーロッパ	46,395,000
43	ドミニカ共和国	南アメリカ	33,500,000
44	ベラルーシ	ヨーロッパ	31,900,000
45	チュニジア	アフリカ	31,300,000
46	ハンガリー	ヨーロッパ	30,813,000
47	キューバ	南アメリカ	30,160,000
48	チリ	南アメリカ	29,214,000
49	ギリシャ	ヨーロッパ	27,805,000
50	エチオピア	アフリカ	27,300,000
51	ミャンマー	アジア	27,293,000
52	コンゴ民主共和国	アフリカ	26,682,000
53	コートジボワール	アフリカ	26,585,000
54	レバノン	アジア	25,580,000
55	ポルトガル	ヨーロッパ	24,587,000
56	イエメン	アジア	24,400,000
57	チェコ	ヨーロッパ	24,039,000
58	タンザニア連合共和国	アフリカ	24,000,000
59	イスラエル	アジア	23,986,000
60	ケニア	アフリカ	22,632,000
61	ウズベキスタン	アジア	21,800,000
62	モザンビーク	アフリカ	21,500,000
63	ウガンダ	アフリカ	21,404,000
64	ヨルダン	アジア	21,043,000
65	カメルーン	アフリカ	21,000,000
66	グアテマラ	南アメリカ	20,800,000
67	クウェート	アジア	20,097,000
68	マリ	アフリカ	20,000,000
69	ザンビア	アフリカ	20,000,000
70	リビア	アフリカ	20,000,000
71	ブルキナファソ	アフリカ	19,117,000
72	デンマーク	ヨーロッパ	18,954,000
73	シリア・アラブ共和国	アジア	18,482,000
74	ブルガリア	ヨーロッパ	17,111,000
75	アゼルバイジャン	アジア	16,032,000
76	セネガル	アフリカ	15,773,000
77	イラク	アジア	15,500,000
78	モルドバ共和国	ヨーロッパ	14,484,000
79	マダガスカル	アフリカ	14,425,000
80	ジンバブエ	アフリカ	14,000,000
81	ネパール	アジア	13,855,000
82	オーストリア	ヨーロッパ	13,589,000
83	パラグアイ	南アメリカ	13,253,000
84	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	13,134,000
85	マラウイ	アフリカ	13,000,000
86	プエルトリコ	南アメリカ	12,800,000
87	ホンジュラス	南アメリカ	12,300,000
88	グルジア	アジア	12,290,000
89	ガーナ	アフリカ	12,289,000
90	コスタリカ	南アメリカ	12,000,000
91	ニュージーランド	オセアニア	12,000,000
92	スロバキア	ヨーロッパ	11,826,000
93	アイルランド	ヨーロッパ	10,966,000
94	スウェーデン	ヨーロッパ	10,870,000
95	ラオス人民民主共和国	アジア	10,697,000
96	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	10,627,000
97	ニジェール	アフリカ	10,581,000
98	パナマ	南アメリカ	10,543,000
99	アラブ首長国連邦	アジア	10,050,000
100	カンボジア	アジア	10,027,000
101	ウルグアイ	南アメリカ	9,700,000
102	クロアチア	ヨーロッパ	9,523,000
103	スリランカ	アジア	9,466,000
104	レユニオン	アフリカ	9,000,000
105	ギニア	アフリカ	8,807,000
106	ベナン	アフリカ	8,700,000
107	リトアニア	ヨーロッパ	8,500,000
108	ニカラグア	南アメリカ	7,750,000
109	ジャマイカ	南アメリカ	7,000,000
110	エルサルバドル	南アメリカ	6,710,000
111	モーリシャス	アフリカ	6,500,000
112	トルクメニスタン	アジア	6,500,000
113	アンゴラ	アフリカ	6,400,000
114	スイス	ヨーロッパ	6,227,000
115	アフガニスタン	アジア	6,200,000
116	キルギスタン	アジア	6,187,000
117	シエラレオネ	アフリカ	6,000,000
118	スロベニア	ヨーロッパ	5,760,000
119	ガイアナ	南アメリカ	5,600,000
120	ハイチ	南アメリカ	5,600,000
121	トーゴ	アフリカ	5,571,000
122	フィンランド	ヨーロッパ	5,554,000
123	パレスチナ国	アジア	5,000,000
124	北マケドニア	ヨーロッパ	4,685,000
125	チャド	アフリカ	4,400,000
126	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	4,200,000
127	ラトビア	ヨーロッパ	4,127,000
128	中国、香港特別行政区	アジア	3,917,000
129	モーリタニア	アフリカ	3,900,000
130	ノルウェー	ヨーロッパ	3,695,000
131	リベリア	アフリカ	3,500,000
132	カタール	アジア	3,480,000
133	ブルネイ ダルサラーム	アジア	3,345,000
134	キプロス	アジア	3,300,000
135	フィジー	オセアニア	3,300,000
136	中央アフリカ共和国	アフリカ	3,282,000
137	パプアニューギニア	オセアニア	3,250,000
138	エストニア	ヨーロッパ	3,226,000
139	エリトリア	アフリカ	3,000,000
140	タジキスタン	アジア	2,951,000
141	バルバドス	南アメリカ	2,840,000
142	ソマリア	アフリカ	2,800,000
143	オマーン	アジア	2,800,000
144	アルメニア	アジア	2,686,000
145	スリナム	南アメリカ	2,636,000
146	ガボン	アフリカ	2,600,000
147	アルバニア	ヨーロッパ	2,450,000
148	ブルンジ	アフリカ	2,228,000
149	ナミビア	アフリカ	2,100,000
150	ボツワナ	アフリカ	2,000,000
151	シンガポール	アジア	1,900,000
152	コンゴ	アフリカ	1,850,000
153	ルワンダ	アフリカ	1,549,000
154	ベリーズ	南アメリカ	1,400,000
155	バハマ	南アメリカ	1,400,000
156	レソト	アフリカ	1,200,000
157	東ティモール	アジア	907,000
158	マルタ	ヨーロッパ	900,000
159	エスワティニ	アフリカ	900,000
160	ガンビア	アフリカ	814,000
161	ギニアビサウ	アフリカ	772,000
162	バーレーン	アジア	650,000
163	カーボベルデ	アフリカ	450,000
164	コモロ	アフリカ	430,000
165	中国、マカオ特別行政区	アジア	430,000
166	セーシェル	アフリカ	400,000
167	サモア	オセアニア	380,000
168	バヌアツ	オセアニア	320,000
169	キリバス	オセアニア	290,000
170	マルティニーク	南アメリカ	280,000
171	ニューカレドニア	オセアニア	280,000
172	赤道ギニア	アフリカ	265,000
173	グアドループ	南アメリカ	256,000
174	セントルシア	南アメリカ	240,000
175	サントメ・プリンシペ	アフリカ	240,000
176	フランス領ポリネシア	オセアニア	215,000
177	トンガ	オセアニア	215,000
178	グレナダ	南アメリカ	205,000
179	アイスランド	ヨーロッパ	196,000
180	ドミニカ	南アメリカ	190,000
181	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	190,000
182	ミクロネシア連邦	オセアニア	180,000
183	ソロモン諸島	オセアニア	160,000
184	ブータン	アジア	158,000
185	モンゴル	アジア	132,000
186	フランス領ギアナ	南アメリカ	110,000
187	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	90,000
188	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	60,000
189	クック諸島	オセアニア	45,000
190	ツバル	オセアニア	30,000
191	ニウエ	オセアニア	10,000
192	ナウル	オセアニア	5,000
193	トケラウ	オセアニア	5,000
+ すべての国を見る

1994年度の世界の鶏飼養数に関するデータから、家禽飼養の大部分がアジアとアメリカ大陸に集中していることが明らかとなっています。中国が首位に立っており、その飼養数は2,900万羽に達しました。この数値は、2位のアメリカ合衆国（1,170万羽）の約2.5倍にのぼり、中国の農業が世界の畜産業における重要な位置を占めていることを示しています。中国では、家禽の飼養が伝統的な食文化と外需の増加に依存している点が背景として挙げられます。一方、3位のインドネシア（929.56万羽）と4位のブラジル（681.09万羽）は、急成長を遂げている経済圏におけるタンパク質需要の高まりを反映した結果と考えられます。

6位の日本の飼養数は323.66万羽で、他の上位国に比べ控えめですが、国内需要に対応できる持続可能な供給体制が整いやすい点が特徴です。ただし、都市化が進む日本国内では農地や家禽飼養地が制限され、国内産の生産拡大が難しいという問題にも直面しています。このため、日本では近年、輸入鶏肉への依存が一部で高まっています。

アフリカや一部の中東諸国では、ランキングの最下位付近に位置する国々がいくつか見られます。例えば、ナウルやトケラウの飼養数はわずか5羽というデータが示されています。これらの地域では、地理的条件や資源の制約、経済的背景が家禽飼養の規模に大きく影響を与えていると考えられます。アフリカ大陸では、より多くの国が技術的支援や資金援助に依存しており、これらの問題が解決されない限り、鶏肉の需要に対応するための十分な生産体制を整えるのは難しい状況です。

統計全体を通じてわかるのは、鶏飼養数の世界的分布が都市化や経済発展、地域ごとの需要と強く関連しているという事実です。例えば、多くのアジア諸国では、人口増加と都市部での生活水準の向上が鶏肉や鶏卵の需要を押し上げ、飼養数の増加を後押ししています。同時に、農地の形態やインフラ整備も飼養数に影響を与えており、経済力が比較的低い国々がランキング下位を占める結果となっています。

今後の課題としては、特にアジア地域や先進国において、地域ごとの家禽飼養の効率化が求められます。具体的には、鶏飼養における温室効果ガスの排出や土地利用問題、新種の疫病リスクに対応する衛生管理の強化が重要です。また、アフリカや一部の中東諸国では、鶏飼養の技術やインフラ整備を国際機関が支援することで、貧困削減だけでなく食料安全保障の向上に寄与できると考えられます。

これに加え、アジアや南米では地政学的リスクが産業の拡大に影響を与える可能性も否定できません。例えば、輸出量の多い国で紛争や気候変動が発生した場合、食料供給の安定性が脅かされる可能性があります。そのため、各国は国内生産と国際的な供給網を両立させる政策を検討すべきです。

結論として、1994年の時点で見られた鶏飼養数の分布は、各国の経済構造や社会的背景の反映である一方、将来的に食料需要がさらに増加することを考えると、現行の生産体制そのものを再検討し、地域間の協力強化や技術革新を推進する必要があります。国際連携を通じた持続可能な家禽飼養の発展が今後の鍵となるでしょう。