世界の牛飼養数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国連食糧農業機関（FAO）が発表した2019年度の牛飼養数ランキングによると、世界で最も多くの牛を所有している国はブラジルで、215,008,958頭でした。次いでインドが193,462,871頭、アメリカ合衆国が94,804,701頭と続きました。これら上位3カ国が他国を大きく引き離しており、世界の牛飼養数の中心的存在であることが分かります。一方、日本は61位、頭数は3,835,000頭とアジアでも中規模の水準となっています。牛飼養数は各国の地理的条件、農業経済、消費文化と密接に関連しており、国際的な食料供給や生態系にも大きな影響を及ぼしています。

順位	国名	地域	飼養数(頭)
1	ブラジル	南アメリカ	215,008,958
2	インド	アジア	193,462,871
3	アメリカ合衆国	北アメリカ	94,804,701
4	エチオピア	アフリカ	65,354,090
5	中国	アジア	63,517,986
6	アルゼンチン	南アメリカ	55,007,853
7	パキスタン	アジア	47,821,000
8	メキシコ	南アメリカ	35,224,960
9	スーダン	アフリカ	31,489,000
10	チャド	アフリカ	30,612,461
11	タンザニア連合共和国	アフリカ	29,258,145
12	コロンビア	南アメリカ	27,239,767
13	オーストラリア	オセアニア	24,723,458
14	バングラデシュ	アジア	24,187,000
15	ケニア	アフリカ	20,882,488
16	ナイジェリア	アフリカ	20,408,427
17	フランス	ヨーロッパ	18,172,970
18	ロシア連邦	ヨーロッパ	18,151,394
19	トルコ	アジア	17,688,139
20	インドネシア	アジア	16,930,025
21	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	16,002,651
22	ニジェール	アフリカ	15,225,410
23	ウガンダ	アフリカ	14,785,000
24	パラグアイ	南アメリカ	13,801,993
25	南スーダン	アフリカ	13,580,389
26	ウズベキスタン	アジア	12,949,700
27	南アフリカ	アフリカ	12,588,635
28	マリ	アフリカ	12,111,128
29	カナダ	北アメリカ	11,670,000
30	ドイツ	ヨーロッパ	11,639,530
31	ウルグアイ	南アメリカ	11,411,000
32	ニュージーランド	オセアニア	10,150,891
33	ミャンマー	アジア	10,082,903
34	ブルキナファソ	アフリカ	10,037,000
35	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	9,741,474
36	イギリス	ヨーロッパ	9,739,000
37	マダガスカル	アフリカ	8,700,000
38	ギニア	アフリカ	7,932,745
39	カザフスタン	アジア	7,436,407
40	ネパール	アジア	7,385,035
41	スペイン	ヨーロッパ	6,600,330
42	アイルランド	ヨーロッパ	6,559,650
43	イタリア	ヨーロッパ	6,377,230
44	ポーランド	ヨーロッパ	6,261,600
45	ベトナム	アジア	6,060,024
46	カメルーン	アフリカ	5,955,076
47	ペルー	南アメリカ	5,599,891
48	イラン（イスラム共和国）	アジア	5,332,346
49	アフガニスタン	アジア	5,257,202
50	ニカラグア	南アメリカ	5,229,139
51	アンゴラ	アフリカ	5,155,970
52	ジンバブエ	アフリカ	5,057,563
53	ソマリア	アフリカ	4,800,000
54	モンゴル	アジア	4,753,192
55	タイ	アジア	4,600,000
56	中央アフリカ共和国	アフリカ	4,548,929
57	エクアドル	南アメリカ	4,306,244
58	ベラルーシ	ヨーロッパ	4,294,700
59	グアテマラ	南アメリカ	3,965,084
60	ザンビア	アフリカ	3,927,432
61	日本	アジア	3,835,000
62	キューバ	南アメリカ	3,817,300
63	オランダ	ヨーロッパ	3,721,000
64	大韓民国	アジア	3,645,190
65	セネガル	アフリカ	3,605,558
66	ウクライナ	ヨーロッパ	3,332,900
67	モロッコ	アフリカ	3,328,000
68	チリ	南アメリカ	3,108,089
69	ドミニカ共和国	南アメリカ	3,031,139
70	ホンジュラス	南アメリカ	2,844,279
71	ナミビア	アフリカ	2,828,465
72	エジプト	アフリカ	2,809,000
73	カンボジア	アジア	2,798,940
74	フィリピン	アジア	2,535,414
75	ベナン	アフリカ	2,526,000
76	アゼルバイジャン	アジア	2,484,154
77	トルクメニスタン	アジア	2,403,120
78	ベルギー	ヨーロッパ	2,373,100
79	タジキスタン	アジア	2,361,915
80	エリトリア	アフリカ	2,141,850
81	モザンビーク	アフリカ	2,110,191
82	ラオス人民民主共和国	アジア	2,110,000
83	イラク	アジア	1,978,740
84	ガーナ	アフリカ	1,943,000
85	モーリタニア	アフリカ	1,932,367
86	ルーマニア	ヨーロッパ	1,923,300
87	オーストリア	ヨーロッパ	1,879,520
88	マラウイ	アフリカ	1,867,034
89	イエメン	アジア	1,818,052
90	アルジェリア	アフリカ	1,786,351
91	コートジボワール	アフリカ	1,722,666
92	キルギスタン	アジア	1,680,750
93	ポルトガル	ヨーロッパ	1,674,970
94	コスタリカ	南アメリカ	1,633,467
95	スイス	ヨーロッパ	1,524,820
96	ハイチ	南アメリカ	1,524,608
97	デンマーク	ヨーロッパ	1,500,000
98	パナマ	南アメリカ	1,498,700
99	スウェーデン	ヨーロッパ	1,404,670
100	ルワンダ	アフリカ	1,404,248
101	チェコ	ヨーロッパ	1,367,050
102	コンゴ民主共和国	アフリカ	1,211,912
103	スリランカ	アジア	1,086,010
104	ボツワナ	アフリカ	934,732
105	ハンガリー	ヨーロッパ	909,000
106	セルビア	ヨーロッパ	898,178
107	グルジア	アジア	878,900
108	ノルウェー	ヨーロッパ	874,136
109	フィンランド	ヨーロッパ	840,740
110	シリア・アラブ共和国	アジア	788,321
111	ブルンジ	アフリカ	756,036
112	ギニアビサウ	アフリカ	727,441
113	エルサルバドル	南アメリカ	699,086
114	マレーシア	アジア	657,407
115	リトアニア	ヨーロッパ	634,600
116	エスワティニ	アフリカ	602,658
117	シエラレオネ	アフリカ	583,571
118	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	578,000
119	アルメニア	アジア	571,861
120	サウジアラビア	アジア	567,040
121	チュニジア	アフリカ	566,320
122	イスラエル	アジア	552,640
123	ギリシャ	ヨーロッパ	530,000
124	ブルガリア	ヨーロッパ	527,190
125	スロベニア	ヨーロッパ	483,070
126	トーゴ	アフリカ	459,702
127	スロバキア	ヨーロッパ	432,250
128	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	429,653
129	クロアチア	ヨーロッパ	420,000
130	アルバニア	ヨーロッパ	415,609
131	オマーン	アジア	404,851
132	ラトビア	ヨーロッパ	395,320
133	レソト	アフリカ	360,602
134	コンゴ	アフリカ	337,546
135	ガンビア	アフリカ	311,237
136	ブータン	アジア	302,589
137	ジブチ	アフリカ	301,001
138	東ティモール	アジア	285,701
139	エストニア	ヨーロッパ	254,000
140	プエルトリコ	南アメリカ	239,117
141	リビア	アフリカ	229,890
142	北マケドニア	ヨーロッパ	217,790
143	ルクセンブルク	ヨーロッパ	192,100
144	ジャマイカ	南アメリカ	160,000
145	中国、台湾 中国省	アジア	148,819
146	モルドバ共和国	ヨーロッパ	144,828
147	フィジー	オセアニア	114,502
148	ベリーズ	南アメリカ	102,850
149	バヌアツ	オセアニア	102,100
150	アラブ首長国連邦	アジア	100,914
151	ガイアナ	南アメリカ	100,000
152	パプアニューギニア	オセアニア	91,919
153	レバノン	アジア	85,860
154	ニューカレドニア	オセアニア	82,086
155	モンテネグロ	ヨーロッパ	81,432
156	アイスランド	ヨーロッパ	80,872
157	ヨルダン	アジア	77,616
158	キプロス	アジア	73,970
159	コモロ	アフリカ	51,235
160	パレスチナ国	アジア	49,017
161	リベリア	アフリカ	44,766
162	カタール	アジア	43,061
163	ガボン	アフリカ	39,001
164	サモア	オセアニア	37,167
165	スリナム	南アメリカ	35,403
166	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	34,912
167	クウェート	アジア	34,746
168	カーボベルデ	アフリカ	29,623
169	ミクロネシア連邦	オセアニア	17,753
170	ソロモン諸島	オセアニア	15,168
171	マルタ	ヨーロッパ	14,000
172	ドミニカ	南アメリカ	13,943
173	トンガ	オセアニア	12,098
174	バルバドス	南アメリカ	11,693
175	セントルシア	南アメリカ	10,725
176	バーレーン	アジア	7,667
177	フランス領ポリネシア	オセアニア	7,528
178	赤道ギニア	アフリカ	5,420
179	グレナダ	南アメリカ	4,540
180	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	3,641
181	モーリシャス	アフリカ	3,484
182	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	2,768
183	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	2,000
184	フェロー諸島	ヨーロッパ	1,801
185	中国、香港特別行政区	アジア	1,580
186	サントメ・プリンシペ	アフリカ	1,381
187	バハマ	南アメリカ	742
188	ブルネイ ダルサラーム	アジア	617
189	セーシェル	アフリカ	424
190	シンガポール	アジア	183
191	クック諸島	オセアニア	119
192	ニウエ	オセアニア	113
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世界の牛飼養数ランキングを見てみると、特定の国々が大きく頭数を占めていることが明らかです。首位のブラジルは215,008,958頭と他国を圧倒しており、その広大な牧草地と牛肉輸出産業の強さを反映しています。これはブラジルが世界の牛肉輸出市場のトッププレーヤーであることとも関連しています。インドが続いて193,462,871頭を保有しており、これは主にその宗教的背景と乳製品需要の高まりによるものです。アメリカ合衆国の94,804,701頭は食肉用生産の効率化が要因として挙げられます。

興味深いのは、4位以下にはアフリカやアジアの国々が多く含まれている点です。エチオピアは4位（65,354,090頭）、パキスタンやスーダンなどもランクインしており、これらの国々では牛は単に経済的な資源ではなく、家族の財産や儀式の重要な一部として重視されています。中国も63,517,986頭で5位にランクインしているものの、人口規模に対してはやや少ないと言えます。これは中国が養豚に力を入れているためと考えられます。

日本の牛飼養数は3,835,000頭で、アンゴラやジンバブエよりもやや上位である一方で、フランス（18,172,970頭）やドイツ（11,639,530頭）といった欧州主要国には及びません。日本では牛は主に乳用、肉用として利用されますが、農地の狭さと都市化が進む中で飼養数の拡大には限界があります。

また、各国の牛飼養数は地政学的背景ともつながっています。例えば、ブラジルやアルゼンチンなどの牛肉輸出国では、牧草地拡大のための森林伐採が問題視されており、生態系への影響が懸念されています。アフリカの一部地域では、資源争奪や紛争が牧畜に与える影響も深刻です。特にスーダンやチャドのように牛が恒常的な収入源や食料貯蓄として見なされる国では、社会不安が牧畜業全体の不安定化を招いています。

未来を見据える上では、牛の飼養数と環境保護のバランスをとる必要があります。例えば、牛による温室効果ガスの排出が気候変動に及ぼす影響は無視できません。効率的な飼料管理や環境に配慮した牧畜技術の採用が国際的な課題となっています。また、牛肉需要の高まりが生態系の破壊や水資源の浪費を加速させる恐れがあるため、持続可能な消費行動や代替食品の普及も重要です。

日本に関して言えば、国内の牛飼養数の維持や増加には飼育環境の整備が不可欠です。限られた土地を活用するため、スマート農業技術を導入し生産効率を向上させることが考えられます。また、輸入に依存するだけでなく国内の乳牛や和牛ブランドを守りつつ、競争力をつけるような政策も必要です。

結論として、牛の飼養数ランキングの分析は、単に数値以上の物語を語っています。それは社会・文化的要素、経済状況、そして地球環境との複雑な相互作用を反映しているのです。国際的な協力を通じて、牧畜業の発展と地球規模の課題解決を両立する方法を模索することが、今後の重点テーマとなるでしょう。